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闘いつづける経営者たち
敷島製パン株式会社【盛田 淳夫】

目次

インドネシア市場での成功

ep-fight-032-5.jpg 新カテゴリーの商品開発に加え、敷島製パンの成長のカギを握るもう一つの要素が海外展開だ。同社の海外展開は1980年に米国の合弁会社を皮切りにスタートした。その後、台湾や韓国にも進出。中でも特筆すべきはインドネシア事業だ。95年に現地企業や日商岩井(現双日)との合弁会社「ニッポン・インドサリ・コーピンド」(西ジャワ州)を設立した。ニッポン・インドサリは、現地で実に約9割のシェアを占めるパンメーカーに成長した。06年12月期以降は毎年20%以上の勢いで成長を続け、11年12月期は売上高100億円の大台を目指す同社の『孝行息子』。そして今、インドネシア同様の成功を目指すのが、再挑戦する中国市場だ。

中国進出での失敗を踏まえ

ep-fight-032-6.jpg 同社は90年代にインストアベーカリーの業態で、中国に単独進出した過去がある。しかし当時の中国はパン市場が未成熟だったため、赤字続きで撤退を余儀なくされた。  中国市場への再挑戦の裏には、市場が縮小傾向にある国内にとどまれば、企業として成長できないという危機感がある。しかし、中国という文化が異なる巨大市場に進出するのもリスク。「どちらのリスクを取るかと考えた上で、当社は成長が見込める中国進出というリスクを選択した」と盛田淳夫社長は言う。

 前回の中国進出で辛酸をなめた経験から、今回は伊藤忠商事に加え、日本の食品メーカーとの合弁会社を複数立ち上げた中国の大手食品グループ「頂新国際集団」傘下の味全食品工業(台湾・台北市)とタッグを組んだ。3社の原料調達、製パン技術、販売力を合わせて、再び巨大市場に挑む。

中国で中間層を取り込む

 中国のパン市場は現在の日本の1割程度の規模とされている。しかし今後は年率30%の成長が見込める有望市場だ。

 しかし、それはまだ中国ではパン市場が成長途上であることの裏返しでもある。事実、中国でパンを販売しているのは百貨店やホテルなどにあるインストアベーカリー。あくまでもパンは外国人や富裕層の食べ物にすぎず、スーパーで販売する量販品はない。ライバルの山崎製パンは81年に香港でインストアベーカリーを出店。中国でも04年にインストアベーカリーを出店したが、量販品はまだ手付かずだ。

 敷島製パンは今のうちに中間層に向けてパンを広め、中国市場のシェアトップを狙う。コンビニエンスストア「ファミリーマート」の中国の店舗向けパンを作る現地メーカーに技術指導した結果、売り上げが倍増したという実績もある。こうした市場の反応から「当社のパンは中国で受け入れられる」(盛田兼由専務)という手応えを感じている。中国の消費者の生活様式も急速に洋風へと変化しつつあり「今こそ当社がパンを提供するチャンス」(盛田淳夫社長)と、アクセルを踏む。

盛田 淳夫 プロフィール

1977年(昭52)成蹊大法卒、同年日商岩井(現双日)入社。82年敷島製パン入社。83年取締役、87年常務、92年副社長、98年社長。名古屋市出身。

企業データ

敷島製パン株式会社

〒461-8721
名古屋市東区白壁5-3
事業概要:パン、和洋菓子の製造、販売
設立:1920年6月
資本金:17億9900万円
従業者数:4068人(2010年8月末時点)

掲載日:2011年5月30日

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