トップページ  >  起業する  >  コラム・インタビュー  >  闘いつづける経営者たち  >  02.国内工場へも投資、生産性効率化の司令塔に

闘いつづける経営者たち
コベルコ建機株式会社【小谷 重遠】

目次

設備投資を再開

ep-fight-031-3.jpg コベルコ建機は総額198億円投じた五日市工場(広島市佐伯区)の建設を11年6月に始め、12年5月に稼働させる。リーマン・ショック後の建機需要急減で凍結していた設備投資を再開した格好だ。ただ、建機市場の主役が日米欧から中国など新興国に移ったことでコベルコ建機の国内生産比率が07年の74%から29%に減少している。五日市工場の建設は増産ではなく「海外工場を含むグループ全体の開発や生産を統括する司令塔としての機能を強化する」(小谷社長)のが狙いだ。

 祇園工場(広島市安佐南区)の中型油圧ショベルと沼田工場(同)の大型油圧ショベルの生産機能を12年5月までに新工場に集約する。沼田工場は部品専用工場にするが祇園工場の用途は現時点で未定だ。

現場改善ノウハウ活用

ep-fight-031-4.jpg 新工場では本体重量7トン-95トン級油圧ショベルを生産し、年産能力はリーマン危機前の計画比5500台減の8500台とした。油圧ショベル市場の日米欧から中国など新興国へ移ったことで中国やタイ、インドでの生産体制が整備されたからだ。すでにコベルコ建機の海外生産比率が07年の26%から10年に71%に増えている。

 このため、「新工場建設の目的は当初の増産投資から生産効率化に変わった」(小谷社長)。新工場は油圧ショベル生産集約効果と生産性向上活動の徹底で生産性を現状比3割増、部品・完成機在庫を半減、生産リードタイムも半減させる。

 また、新工場内にグループ全体の生産・開発・調達を統括する「グローバルエンジニアリングセンター」を12年までに設立する。生産効率化に向けた現場力の向上、先進国、新興国それぞれのニーズに合った商品開発などグループの中核となるすべての技術開発を担う。グローバル調達網整備も主導し、グループ全体の部品購入費を15年までに現状比5%減らす。

ep-fight-031-5.jpg 五日市工場建設の凍結中、祇園工場、沼田工場では各生産ラインで改善活動「K30ダイナマイト」を08年末から実施し生産性を3割向上させた。部品が入った箱の上げ下ろしを自動化するなど、従業員のアイデアによる地道な取り組みが身を結んでいる。

 小谷社長は「K30で培った現場改善ノウハウを新工場建設に活用できる。祇園や沼田工場では建屋面積などの制約があってできなかった改善活動も新工場では可能になる」と話し、新工場の生産性を08年末比で倍増させる考え。新工場で培った生産効率策を海外工場に普及させてグループ全体の生産性を15年までに平均3割引き上げる。

小谷 重遠 プロフィール

1971年(昭46)京大院工学研究科修了、同年神戸製鋼所入社。機械本部圧縮機センター長などを経て98年取締役、99年執行役員、00年常務機械カンパニー執行社長、03年専務、05年代表取締役副社長、08年コベルコ建機社長。1945年(昭20)3月、京都府生まれ。

企業データ

コベルコ建機株式会社

〒141-0021
東京都品川区東五反田2-17-1
事業概要:建設機械、運搬機械の製造、販売、サービス
設立年月日:1999年10月1日
資本金:160億円
従業者数:912人(グループ総計6145人)(10年4月1日時点)

掲載日:2011年3月31日

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