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闘いつづける経営者たち
コベルコ建機株式会社【小谷 重遠】

目次

需要バランスの劇的変化

ep-fight-031-1.jpg 「これからはアジア新興国が必ず伸びる」。08年のコベルコ建機社長就任以来、小谷重遠社長が常に言い続けた言葉がリーマン・ショック後に現実となった。

 建機市場はリーマン・ショック後、世界の地域別需要バランスが劇的に変化した。それまで主役だった日米欧の市場規模は、従来の約3分の1に縮小。都市インフラ整備や鉱山開発に沸く中国やインドネシアなどの新興国が、市場の4分の3を握るようになった。特に中国は10年度の油圧ショベルの需要台数が、リーマン・ショック前の2倍以上となる11万台に増え、世界総需要の半分を占めるようになった。

 コベルコ建機はこうした急成長のタイミングと中国、タイ工場の増強がうまく重なった。約110億円を投じて移転・拡張していた成都工場(四川省)が10年1月に本格稼働。油圧ショベルの生産能力は2倍に増え、杭州工場を合わせた油圧ショベル・ミニショベルの年産能力は、5割増の1万2000台となった。

 その結果、10年の同社の中国シェア(中国メーカー除く)は前年比1.6ポイント増の12.6%に伸長。「両工場には、さらに数十億円を投じ、12年度に年産能力を2万5000台規模まで増強する」(小谷社長)。

カギは基幹部品の確保

ep-fight-031-2.jpg 東南アジアの供給拠点となるタイ工場の年産能力も昨年末に600台増の3000台に増強した。インドネシアでは10年末に中古機販売センターをジャカルタ近郊に開設。下取りサービスで顧客の購入意欲を高める。インドにも工場建設で布石を打った。こうしたアジア市場への攻勢で、15年度に売上高4000億円、経常利益400億円超の目標到達を狙う。

 だが、一方では油圧機器など油圧ショベルを構成する基幹部品の供給不足という不安要素も抱える。エンジンや油圧機器など基幹部品の自社調達率が高いコマツと違い、コベルコ建機はエンジンや油圧機器の多くを協力企業からの調達に頼る。

 その一部の油圧機器メーカーはリーマン・ショック後、減産を強いられ建機需要の急増に伴う増産要請に対応できていない。各国の油圧ショベルメーカーがこぞって日系の油圧機器メーカーに増産を要請する中、コベルコ建機も必要な基幹部品を確保できるかどうかが15年度目標達成のカギを握る。

小谷 重遠 プロフィール

1971年(昭46)京大院工学研究科修了、同年神戸製鋼所入社。機械本部圧縮機センター長などを経て98年取締役、99年執行役員、00年常務機械カンパニー執行社長、03年専務、05年代表取締役副社長、08年コベルコ建機社長。1945年(昭20)3月、京都府生まれ。

企業データ

コベルコ建機株式会社

〒141-0021
東京都品川区東五反田2-17-1
事業概要:建設機械、運搬機械の製造、販売、サービス
設立年月日:1999年10月1日
資本金:160億円
従業者数:912人(グループ総計6145人)(10年4月1日時点)

掲載日:2011年3月29日

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