トップページ  >  起業する  >  コラム・インタビュー  >  闘いつづける経営者たち  >  04.脱デフレとスタンダード合戦

闘いつづける経営者たち
株式会社ファミリーマート【上田 準二】

目次

商品登録見直しで原点回帰

ep-fight-030-10.jpg リーマンショック以降の節約志向を反映して、価格競争に明け暮れた小売業界。その余波はコンビニも及んだ。コンビニの主力商品である弁当の価格は、スーパーなどに引きずられて、500円以上の価格帯の商品が減り、398円は当たり前、298円などの低価格商品も定番化した。付加価値を付けるのが基本のコンビニが、ディスカウンターになっていた。

 「298円、398円がズラリとあればそちらに手が出てしまう。低価格帯の商品は商品登録段階から思い切って見直す」。上田準二社長は大胆な政策に打って出る。従来の弁当は65%がいわゆる300円以下の低価格帯商品だが、これを35%まで引き下げる。いわば"脱デフレ"商品政策、原点回帰ともいうべき戦略だ。

 「安いからとコンビニで買う人が何割いるのか。コンビニは高品質で良い商品を売るのが基本」(同)。今後はほかのカテゴリーでも商品登録を見直し、脱デフレ商品政策を拡大する。

幅広い品ぞろえで勝負

ep-fight-030-11.jpg 一方、主力の弁当では新スタンダード合戦ともいうべき競争が発生した。弁当は18度C前後で物流、販売する定温弁当が一般的。しかし最近は5度C以下で物流、販売するチルド弁当や、フローズンの冷凍弁当、さらにローソンが支持する店内で調理する出来たて弁当と多様化してきた。

 ファミリーマートが支持するのが定温とチルド、冷凍弁当の組み合わせ。丸山直美執行役員デリカ食品部長は「チルド帯では新鮮な食材や、チルドならではの食材が使用できる」と定温だけでない幅広い品ぞろえで加盟店の選択肢を広げる考え。

ep-fight-030-12.jpg 消費期限に長短がある商品を選択肢として持つことで、販売機会の損失や廃棄による損失を限りなく減らす。またチルド・冷凍弁当は菌数増加が少なく日持ちする特徴を生かし、加盟店の廃棄ロス削減を支援する狙いもある。

 ただ、店内調理に対しチルドや冷凍弁当は出来たて感、手作り感は薄い。ローソンが2015年までに1000店に導入する方針という店内調理は、店舗従業員の習熟度や什器備品など重装備が必要だが、出てきた感、シズル感に勝る。コンビニは店内調理か、チルド・冷凍弁当か。スタンダード争奪戦は始まったばかりだ。

上田 準二 プロフィール

1970年(昭和45年)山形大学文理学部卒業、同年伊藤忠商事株式会社入社。 食料部門長補佐、CVS事業部長を経て、2000年(平成12年)株式会社ファミリーマート顧問。2001年(平成13年)常務取締役、2002年代表取締役社長、現在に至る。 1946年(昭和21年)12月、秋田県生まれ。

企業データ

株式会社ファミリーマート(FamilyMart Co.,Ltd.)

〒170-6017
東京都豊島区東池袋3-1-1 サンシャイン60 17階
事業概要:フランチャイズシステムによるコンビニエンスストア事業
設立年月日:1981年9月1日
資本金:16,658百万円
従業者数:3,065名(10年2月末)

掲載日:2011年3月14日

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