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闘いつづける経営者たち
株式会社ジュピターテレコム【森泉 知行】

目次

組織再編と地域営業力

ep-fight-020-5.jpg 攻めの姿勢を鮮明にしたジュピターテレコム(JCOM)。森泉知行社長が、今年度に入り真っ先に取り組んだのは組織再編による地域営業力の強化だ。
 JCOMはM&Aで成長してきたが、買収した会社の所在地も規模もさまざま。このため「グループ全体での意思統一に課題があった。また平準化できていない間接業務があり非効率」(森泉社長)といった弊害も出てきていた。

 課題解決のため4月1日付けで「地域ブロック」制を導入した。地理的に近い5、6の局(地域の営業拠点)を束ねて、全エリアを10ブロックに分けて管理し、全エリアで統一的な営業施策を迅速に展開できるようにした。各ブロックのリーダーは、本社の戦略を局に浸透させる役割を担い、各局の業績にも目を配る。
 併せて、局の経理など間接部門を本社が一括して担う形に改めた。また、関東と関西にマーケティング本部を新設し、地域の競争環境に配慮した施策を迅速に展開できるよう体制を整えた。こうした措置により、「局の役割はシンプルになった。新規獲得と、既存顧客のフォローに集中して取り組んでもらう」と森泉社長は現場の一層の奮起に期待する。

新料金パックの投入

ep-fight-020-6.jpg 単身層と若年層-。JCOMが半ば放置してきたマーケットだ。これらの顧客層を取り込むため、JCOMは6月に新たな料金プラン「JCOMTVマイスタイル 地デジ・BSパック」を始めた。
 地デジタル放送・BSデジタル放送の再送信とインターネット接続などの通信サービスをセットにした「地デジ・BSパック」に、ビデオ・オン・デマンド(VOD)サービスを加えた。サービス内容を絞り込み、月額2480円からという低価格を実現した。

 JCOMに限らずケーブルテレビ(CATV)サービスは、50チャンネル前後をパッケージ化し、月額5000円程度で提供する「ビッグベーシック」が常識。年代や好みが違う視聴者の集合体である家族層を効率的に取り込むためだ。一方で、単身層や若年層にとって50チャンネルは過剰サービスと受け止められるケースも多く、取りこぼしていた。

ダウングレードリスク恐れず

 チャンネルを減らした低価格プランを出すだけなら簡単だ。問題は、既存のビッグベーシック加入者も低価格プランに流れてしまうダウングレードリスク。CATV事業者は、導入に二の足を踏んできた。
 しかし、状況は待ったなし。2011年7月のテレビ放送の完全地上デジ化を前に、NTTグループは映像サービス展開を一層加速する見通し。「回線という根っこを押さえるため、先に顧客にアプローチすることが重要」(森泉社長)とJCOMは低料金プランの導入を断行した。ダウングレードリスクを抑えつつ、テレビサービスのすそ野を広げられるか。営業戦略が問われる。

森泉 知行 プロフィール

1948(昭和23)年1月東京都生まれ。1970年上智大外国語学部卒、同年住友商事入社。米国住友商事などの商社経験を経て、96年ジュピター・ショップチャンネル社長。2002年ジュピター・プログラミング社長、ジュピターサテライト放送社長を歴任。2003年3月ジュピターテレコム社長兼CEOに就任、現在に至る。

企業データ

株式会社ジュピターテレコム

〒100-0005
東京都千代田区丸の内1-8-1
事業概要:有線テレビジョン放送事業及び電気通信事業等
設立:1995年1月18日
資本金:1172億円
売上高:3337億円(09年12月期)
従業者数:グループ合計10,988人

掲載日:2010年7月 8日

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