トップページ  >  起業する  >  コラム・インタビュー  >  闘いつづける経営者たち  >  03.趣味の徹底的追求でビジネスに

闘いつづける経営者たち
株式会社ぐるなび【滝 久雄】

目次

 囲碁は国際性の高い頭脳ゲームだ。ぐるなび創業者で現会長の滝久雄氏は学生時代から囲碁とビリヤードに親しんできた。
 「インターネットの出現がぐるなびのビジネスモデルを初めて可能にしてくれた。それまでの技術では、動画を通信によって一般家庭で見られるまでの手段としては乏しかったからだ。そのインターネットというツールを最も生かせるゲームが囲碁だった」と振り返る。

囲碁で国際親善

ep-fight-019-6.jpg 構想力が高くアイデアマンの滝会長だけに、趣味の囲碁でもビジネスを生み出している。「多くの人はトップの道楽だと思っている遊びであっても、徹底的に追求した趣味は商売につながる」と言われると妙に説得力がある。それを証明したのが、男女1人ずつのペア同士で楽しむ「ペア碁」と、インターネットで対局できるシステム「パンダネット」だ。

 「日本の伝統文化である囲碁の普及には、女性愛好家の増加が不可欠だと考えてきた。どんなスポーツでも女性が楽しむようになると競技人口が一気に増える。それに伴って、男性も引き寄せることになり相乗効果が膨らむ」と思い、発案したのがペア碁だ。

 「囲碁はそもそも、個人対個人のゲームと考えられている。私の考えたペア碁はその常識を覆した」。このゲームは男女のペアが交互に石を打つ。対局中、ペアが相談することは禁じられている。そのため、「相手の手を読むばかりでなく、自分と組んだ味方の打つ石の意味も読まなければならない。一局が終わるまでに必ず、ペアを組む相手の手に戸惑ったり感心したり、個人プレーでは考えられぬ面白さを発見できる」と滝会長は説明する。

 2008年5月には世界ペア碁協会も発足。海外からの参加者を得て、ドレスアップしたアマチュアが競うペア碁は「国際親善の役割も果たしている」。実際に国家元首同士がペア碁を楽しむ姿さえあるという。そうした広がりから、欧米での囲碁大会では「必ずペア碁大会が開催されている」という。

世界中のユーザーと楽しむ

ep-fight-019-7.jpg ペア碁を考案した後、1995年には通信回線を利用した対局システム「パンダネット」の元となる仕組みを発明した。白・黒の石が並ぶ囲碁なら、位置情報を加えてもデータが必要となるのは三つで済む。回線がビジーになって頻繁にダウンしても、直ぐに復元さえできれば問題がない。

 パンダネットではインターネットを通じて世界中の囲碁ファンとの対局を24時間365日楽しめる。キーボードを使った操作が不要で、マウスのボタンを押すだけで済むのが特徴だ。操作方法やトラブルについても、フリーダイヤルやメールでのサポートが整っている。

 町の碁会所などは初心者が入りづらい雰囲気があったり、レベルの差から対局の相手を見つけられなかったりするケースも多い。その点、パンダネットなら世界中から対戦相手を探すことが可能だ。

 また、初級者でなくても碁盤の"外野"のささやきに不快な思いをさせられることもあるようだが、自分の部屋で楽しめるパンダネットには雑音などもなく、対局に集中できるというインターネットの長所を最大限に生かしたサービスになってもいる。

 滝会長自身も「実際に碁盤で打つ感覚で楽しめる。永田町で有名な囲碁好き達と深夜にネット対局することもある」と明かす。また、ヘビーユーザーであるがゆえに「いろいろと開発陣に注文を出すことにもなり、パンダネットの品質向上に一役買っている」と満足そうだ。

滝 久雄 プロフィール

1940年2月3日生まれ。63年東工大理工卒、同年三菱金属(現三菱マテリアル)入社。67年に交通文化事業(現NKB)に入社。85年NKB社長に就任。96年に「ぐるなび」を開設。2000年にぐるなび事業を独立させ、2005年には大阪証券取引所ヘラクレスに上場。08年12月には東証1部に上場した。東工大客員教授のほか、政府審議会委員なども務める。

企業データ

株式会社ぐるなび GOURMET NAVIGATOR INCORPORATED

〒100-0005
東京都千代田区丸の内三丁目4番1号 新国際ビル2F
事業概要:パソコン・携帯電話などによる飲食店のインターネット検索サービスその他関連する事業
設立:1989年10月2日(会社設立)
2000年2月29日(株式会社ぐるなび発足)
資本金:2,334百万円(2009年12月31日現在)
売上高:200億1144万円 2009年3月期
従業者数:単体1,183名 連結1,313名(2009年12月31日現在)

掲載日:2010年4月19日

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