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闘いつづける経営者たち
株式会社ハマキョウレックス【大須賀 正孝】

目次

独立への思い

ep-fight-017-1.jpg すべては1台のトラックから始まった。ハマキョウレックスの創業者で現会長の大須賀正孝は、トラック運転手として出発。いち早く参入した3PL(3rd Party Logistics:荷主が物流業務をアウトソーシングすること)で顧客ニーズをつかみ、同社を急成長させた。「収支日計表」や「大須賀塾」などユニークな経営手法でも知られる。その独自の経営発想と人間的魅力から、多くの運送業経営者が師と仰いでいる。

 大須賀は1941年、静岡県浜北市(現浜松市)に11人兄弟の10番目として生まれた。実家は小さな製麺業を営んでいたが、暮らしは貧しかった。このため「早く一本立ちしたい」との思いが強く、中学を卒業するとすぐに地元のヤマハ発動機に入社した。

 しかし会社勤めは長く続かなかった。上司とそりが合わず半年で退社。しばらく建設労働者などしながらその日暮らしを続けたが、18歳で運転免許を取り、トラックを購入した。特に明確な目標や計画性があったわけではない。「資金がなくても、金を稼ぐならトラックでモノを運ぶのが一番手っ取り早かった」。トラックを買う金がなくても、当時は文房具店で手形を買えた時代。大須賀は購入した手形用紙に金額を書き込み、念願のトラックを手に入れた。

走りつづける日々

ep-fight-017-2.jpg 「みんなと同じではもうからないから2倍働く」。そう誓った大須賀の最大の敵は睡魔だった。眠気覚ましに吸うたばこの数は増え続け、あっという間にヘビースモーカーになった。たばこは普通、人さし指と中指ではさむが、大須賀は中指と薬指の間にはさむ独特の吸い方。こうすると眠っても指から落ちにくく、たばこが短くなると指を火傷して跳び起きる。まさに身を削るような働き方で、大須賀は昼夜ひたすら走り続けた。

 その甲斐あってトラックは2台、3台と順調に増えた。そして71年、車が18台になった時、ついにハマキョウレックスの前身となる株式会社「浜松協同運送」を設立した。社名の「協同」には「社員に自分の会社という意識を持ってほしい」との思いを込めた。従業員は25人。大須賀は働き盛りの29歳だった。

 新会社の滑り出しは順調だった。しかし73年のオイルショックを境に、風向きががらりと変わる。74年に名古屋の大口取引先が倒産。この影響を受けて資金繰りがショートし、巨額の借金を背負う羽目となった。大須賀は「申し訳ないとの一言で投げ出すのは無責任」と怒り、「自分は何があっても会社をつぶさない」と心に誓った。

大須賀 正孝 プロフィール

1941年静岡県浜北市(現浜松市)生まれ。浜北中卒、ヤマハ発動機入社。71年に浜松協同運送を設立、92年に「ハマキョウレックス」に称号変更。03年に東証1部上場を果たす。主要顧客は大手スーパーやコンビニエンスストアなどで、流通の川下分野の物流に強い。日本3PL協会会長、静岡県トラック協会会長などを務める。名物経営者として年に30回以上の講演会をこなす。信条の「やらまいか」は、浜松地域の方言で「やってやろうぜ」の意味。

企業データ

株式会社ハマキョウレックス

〒430-0841
静岡県浜松市南区寺脇町1701番地の1
事業概要:物流センター事業、一般貨物自動車運送事業
設立:1971年12月
資本金:40億4505万円(09年3月末)
従業者数:644人(09年3月末)

掲載日:2010年2月15日

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