トップページ  >  起業する  >  コラム・インタビュー  >  闘いつづける経営者たち  >  04.金太郎飴から「あなただけのディズニー」へ

闘いつづける経営者たち
株式会社オリエンタルランド【砂山 起一】

目次

最強のビジネスモデル

ep-fight-016-12.jpg 国内景気が冷え込むなかでも、客足の衰えないディズニー人気。チケットを買い、レストランで食事をし、お土産を買って帰るという一般的なゲスト行動は、TDRを成長させてきた最強のビジネスモデルである。厳しい国内景況にあっても健在だ。しかし、少子高齢化や人口減少時代の到来といった今後の社会環境変化に、TDRは立ち向かうことができるのか。

 「今までのようにアトラクションを作りイベントを催し、ディズニーに来てくださいという待ちの姿勢だけでは通用しない。ここはボリュームとして大切だが、地引網でゲストを誘う金太郎飴のビジネスモデルではTDRの将来成長はない」。砂山はこう断言する。

 すでにキャパシティに限界のある舞浜以外の新たな事業拠点を構築すべきという意見もある。一方で砂山は、TDRというテーマパーク事業の可能性を、これまでとまったく違った発想で模索しつづける。その具体的方策がプログラム開発と呼ばれる取り組みだ。

中高年を誘うコンテンツを開発

ep-fight-016-13.jpg ここ数年、TDRを訪れる中高年の女性グループが徐々に増えている。「おとなの水曜日」と名づけた45歳以上の大人同士が対象のプログラム特典つきパスポートチケットの販売効果である。「プログラム開発の一環として生まれたのが『おとなの水曜日』。まだまだ微々たる取り組みだが、40歳代以降のゲストを増やしていくために、ソフト・ハード両面で大人の方々に楽しんでもらえる仕掛けがもっと必要」という。

ep-fight-016-14.jpg TDRのメインターゲットはファミリーであることに変わりはないが、子育てを終えた世代らを対象に、大人だけでも来場してもらえるコンテンツ開発がTDRの課題でもある。すでに東京ディズニーシーでは、アルコール販売や落ち着いた配色で園内を彩るなど、若干大人向けのアレンジを施している。

新たなゲスト層を掘り起こす

ep-fight-016-15.jpg プログラム開発の取り組みは始まったばかり。従来型のモデルに加えて、特定のゲストに付加価値を付ける仕掛けづくりに注力し、新しいゲスト層を掘り起こす。例えばお祝いプログラム。誕生日でも、結婚記念日でもよい。ゲストの祝い事をディズニーでしてもらう。事前に申し込めば、オリジナルプレゼントなどゲストだけの特別プログラムを用意しておくこともできる。ゲストの楽しい思いとディズニーを結びつけてしまい、固定客を増やしていく戦略だ。

ep-fight-016-16.jpg これまで多くの人に支持され、成長し、テーマパークとして磐石の態勢を整えたTDR。アトラクションは面白いし、おいしい食事も買いたいグッズも豊富にある。日常を忘れた楽しい一日を約束してくれる申し分のない空間だ。

 それでも砂山はいう。「多くの来場をただ待っているだけではダメ。特定のゲストに対し、我々みずから働きかけていかないと。ここまで来たとはいえ、従来型のビジネスモデルだけにとどまるつもりはない」。類のない成功を収めたテーマパークは、新たな挑戦を通じてしか次代を拓けないことを知っている。

砂山起一プロフィール

1948年東京都生まれ。70年オリエンタルランド入社。開園開業当時から「東京ディズニーランド」の運営・経営に携わる。経理部長、フード本部長、テーマパーク統括本部長等を歴任し、09年4月代表取締役副社長執行役員に就任。テーマパーク事業の統括責任者でもあり、数々のアトラクションやイベントに加え、新たなプログラム開発の司令塔を務める。趣味は料理、ゴルフ、山歩き。

企業データ

株式会社オリエンタルランド

〒279-8511
千葉県浦安市舞浜1番地1(本社)
事業概要:テーマパークの経営・運営および、不動産賃貸等
設立:1960年7月
資本金:632億112万7千円
従業者数:正社員・2,399人、テーマパーク社員・763人、準社員・18,788人(2009年4月1日現在)

掲載日:2010年2月 4日

  • googleplus
  • hatena
  • pocket
  • line
  • evernote
Copyright © WizBiz Inc.
このコンテンツの著作権は、WizBiz株式会社に帰属します。著作権の承諾なしに、無断で転用することはできません。
このページの先頭へ
起業するコンテンツ一覧
  • 事業計画作りや実際の起業準備そして開業まで。起業を目指す人の『こんな時どうする?』に応えます。

  • 法律知識や経営診断など、起業準備段階はもちろん、実際に起業・開業してからも使える豊富な情報を掲載。

  • 『国の補助金を活用して創業するには?』についてご説明します。

  • 中小企業や個人投資家にとってのメリットを、その仕組みや優遇措置について詳しくご紹介します。

  • 起業・開業を考えている職種の消費者利用動向がすぐにわかる、職種別データ一覧。

  • 200以上の業種・職種から選べる開業準備手引き書。

  • 最新のビジネストレンドや中小企業が直面する経営課題など、読み物コンテンツをまとめています。

  • 若手起業家にインタビュ—。「社会人起業」と「学生起業」それぞれの選択を対比しながら起業のカタチを探ります。