トップページ  >  起業する  >  コラム・インタビュー  >  闘いつづける経営者たち  >  03.「人を大切にする」、未来工業の企業文化を継承する

闘いつづける経営者たち
未来工業株式会社【瀧川 克弘】

目次

他社の社員なのに、よくおごってもらった

ep-fight-011-7.jpg 未来工業の創業は1965年(昭和40年)。現・相談役の山田昭男が立ち上げた。瀧川克弘が未来工業に入社したのは今から28年前。きっかけは創業者である山田との出会いだった。
 瀧川は高校卒業後、地元・大阪の照明器具の製造販売会社に就職した。営業マンだった瀧川は出張先の北海道で取引先を通じ、同じく北海道へ出張に来ていた未来工業の山田(当時、社長)と出会った。「北海道で会うたびに食事に誘われました。よその社員なのによくおごってくれる人だなと思っていました」と瀧川は当時を振り返る。
 その後、勤めていた会社で取締役にまでなった瀧川は、経営方針でオーナー社長と意見が分かれたことから退職する。
 「大阪で2、3カ月ボーっとしていたら、山田さんから岐阜へ遊びに来いと呼び出されました」(瀧川)
 岐阜市の繁華街・柳ヶ瀬で飲み、山田の自宅に一泊。翌朝、未来工業へ案内されると「この人、ここで働くから」と会社幹部に紹介された。

未来工業の100人目の社員になる

ep-fight-011-8.jpg 「すごい夢がある人」−瀧川が感じた当時の山田の印象だ。未来工業はある意味で、山田が若い頃勤めていた会社の経営者だった父親のやり方に真っ向から異を唱えて築いた会社だ。山田は、機械が壊れても社員には一切触らせず、自分で直していた父親の姿がいまだに忘れられない。
 「おやじは社員に機械を覚えられて独立されることを警戒するような経営者だった。これは間違っていると思った。いったい会社は誰のものなのか。客や仕入れ先、株主というのもその通りだが、なによりもそこで働く社員のものだ」
 そんな信念を持った創業者の姿に瀧川は、「社員を大切にして、会社を大きくしたいという夢がありありと表れていた。その夢を共有したいと思った」という。こうして瀧川は未来工業の100人目の社員となった。81年に入社後、瀧川は自ら願い出て札幌に営業所をつくり、北海道の営業を10年間担当することになった。

変らない3つの企業文化

ep-fight-011-9.jpg 2003年に社長となった瀧川は、今、強烈なカリスマである山田が創り上げた"未来工業の文化"を、いかに継承していくかが自らの使命だと考えている。 「企業が変わるときはその文化も変わる。それは企業の危機であり、逆にチャンスでもある。文化とはそれくらい企業にとって大事なものです」
 瀧川はトップの交代や時代、環境の変化で、企業の文化は少しずつ変わるものと自覚しながらも、これだけは絶対に変えないと誓う3つの"未来工業の文化"を掲げている。
 一、人を大切にする
 二、ケチを貫く=常に考える
 三、経営者が公私混同しない
 景気の後退と国内の住宅着工件数の減少は、同社の業績にもマイナスに影響している。売上高の減少で、これまで2ケタを誇ってきた売上高経常利益率も09年3月期は1ケタ台前半にまで落ち込んだ。それでも瀧川はあわてない。この3つのベースを崩さずにいれば、この不況にもひるまず挑むことができる。そんな確信があるからかもしれない。

瀧川克弘プロフィール

1946年生まれ。66年大阪府立天王寺高校卒業後、地元大阪で照明器具の製造販売メーカーに就職、営業マンとして全国を飛び回る。10年で取締役に昇進したものの、大手商社からの子会社化の提案をオーナー社長が受け入れたため、辞職。そのころ、北海道出張時に出会った未来工業の創業者、山田昭男相談役(当時社長)に声をかけられ、81年に未来工業へ入社。当時、未来工業がまだ拠点を持っていなかった北海道に、自ら志願して札幌営業所を設置し、営業所長として北海道全域の営業を担当した。理由は「都会でもなく田舎でもない」札幌の街が好きだったからだという。91年に取締役に就任。93年、営業部長就任と同時に家族を北海道に残し、本社がある岐阜県輪之内町へ赴任した。2000年に常務、03年に社長に就任。単身赴任生活は16年目になる。

企業データ

未来工業株式会社

〒503−0295
岐阜県安八郡輪之内町楡俣1695−1
TEL:0584−68−0010
事業概要:電気設備資材、給排水設備およびガス設備資材の製造販売
設立:1965年8月
資本金:70億6786万円
売上高:233億円(09年3月期)
従業者数:767人

掲載日:2009年10月19日

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