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闘いつづける経営者たち
株式会社アルビレックス新潟【池田 弘】

目次

夢と目標を持って挑戦する

ep-fight-009-23.jpg 池田による専門学校グループの経営とJリーグ・アルビレックス新潟の経営、つまり「人づくり」と「街おこし」における共通点はどこにあるのか。それは学生やサポーターである県民が「夢を達成する」のを手助けすることにある。

 「いずれの事業も始めた時には、このままでは新潟がダメになるとの危機感がありました。もちろん、それは今も変わっていません」

 人づくりと街おこしは池田のライフワークそのものだ。それゆえに池田のビジネスは決して後付けの思いつき事業が集約されたものではない。地域に対する愛情に裏付けされ、それぞれが連鎖され、シナジー効果をもたらしている。

創業立市を目指した街づくり、人づくり、起業家づくり

ep-fight-009-24.jpg 日本最大級の専門学校グループにおける人づくりの次に池田の頭の中にあるのは、新しい企業や事業を生み出すことのできる人材を育成すること。これもひいては地域活性化につながるもので、その拠点として3年前に「事業創造大学院大学」を設立した。昨年、第1期の卒業生が巣立ち、すでにその中から起業家や起業家の卵が誕生している。

ep-fight-009-25.jpg これに加え、池田は起業家を支援する「異業種交流会501」を創設し、会長を務めている。この組織は、新潟という地域に誇りを持って働ける職場環境を作り出し、人材流入の拡大と人材流出の抑制を狙う。

 501というのは、生涯に500社の設立にかかわった経済人・渋沢栄一を越えることを目標に池田がネーミングした。1社でも多くの起業、さらには上場企業や公開企業レベルの優良企業を生み出すことを目標に支援システムを整備している。

 現在までに約90社がうぶ声を上げ、3社が公開企業として成長している。

 中央集権的な発想が主流のわが国において、地方から全国に発信できる企業が誕生すれば、地域の活性化に直結、新潟が「魅力ある地域」に一歩近づくに違いない。起業家支援の活動がアルビレックス新潟と歩調を合わせて、地方復権に貢献できれば、池田の望むところだ。

「とにかくやってみろ」

ep-fight-009-26.jpg 起業家を目指す意欲のある者に対して、池田は「とにかくやってみることだ」と言い続ける。

 情報収集し、頭で考えて、準備することは大事だ。しかし、考えたことや想定したこと以外のことが起こるのが世の常。それにどう対処するか、その心構えが求められる。

 自分の意志決定で進んでいくという心構えをきちんと作ってチャレンジしていくことを忘れてはならない、ということだ。

 「自分を信じて突き進んでいけば、必ず解決の道は開けます」

 池田の著書に「奇跡を起こす人になれ」がある。奇跡など誰にでも起こせるものではない。しかし、池田は「突き進んで、ものを解決するということは新しい道を開くということ。誰も想定できなかったことを起こす、それはある意味で奇跡ですよ」とさらりと言ってのける。

「新潟の奇跡」は終わっていない

ep-fight-009-27.jpg 十数年前、「アルビレックス新潟」ができるなどということは誰も信じなかった。もちろん想定すらできなかった。それが池田の存在と地域の多くの協力者の出現で実現した。結果として、本拠地ビッグスワンを超満員にする「新潟の奇跡」を起こし、地域の人たちに勇気を与えた。

 いま池田は、サッカーや教育事業を通じた人づくり、町おこしに軸足を置きながら関東ニュービジネス協議会会長、新潟経済同友会代表幹事としても活躍している。また新潟清酒達人検定協会の会長として、同検定を通して新潟清酒の魅力や新潟の食文化の発信を進め、新潟県自体を世界に向けてアピールする取り組みもスタートしている。

 「ベンチャーなり新しいものを作るということは、新しい道を踏みしめていくことになる。過去の経験に基づいた解決ではなく、新しいファクターで解決していく。新しい道を作ることが奇跡に他ならない」

 このように語る池田は、その言葉どおりに生きてきた。そして、この先も新たな発想に基づく何かをやってのけ、ふたたび「新潟の奇跡」として社会の注目を集めることになる、との予感が拭えない。おそらくその時は新潟県民にとどまらず、日本人全体が活力をもらうに違いない。

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池田弘プロフィール

1949年新潟市生まれ。県立新潟南高等学校卒業後、國學院大学にて神職養成講座を受講し、東郷神宮等で実習を重ねる。1974年に実家の神明宮(新潟市鎮座)、そして77年には愛宕神社の宮司となり、同年に従兄弟と新潟総合学院を開校、理事長に就任。2000年に学校法人新潟総合学園(新潟医療福祉大学)理事長、06年には事業創造大学院大学総長と教育業界において数多くの要職に就き、新潟県内を中心に29の専門学校、大学院大学、大学、高等学校、医療法人、社会福祉法人、学習塾、資格取得スクールなどからなるNSGグループを展開。1996年、地元サッカークラブチーム「新潟イレブン」のプロ化に伴い株式会社アルビレックス新潟代表取締役に就任し、観客動員数を国内トップクラスに押し上げる。03年にはJ2リーグ優勝、J1昇格を成し遂げ、地域を巻き込んだ盛り上がりで新潟に新たな活力を生みだしている。

企業データ

株式会社アルビレックス新潟

〒950-0954
新潟市中央区美咲町2-1-10
TEL:025-282-0011(代表)

事業概要:プロサッカーチーム運営、サッカー各種イベントなどの企画運営・管理、競技者の養成、指導
設立:1996年4月
資本金:7億1,275万円(171企業・団体)
売上高:28億円(06年12月期)
従業者数:80人


NSGグループ

〒950-8063
新潟市中央区古町通2-495
TEL:025-224-2650(代表)

事業概要:専門教育事業、高等教育事業、大学教育事業、医療・福祉施設等
設立:1976年11月
従業者数:2,400人

掲載日:2009年1月20日

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