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社長の道場
セールスパワー倍増の実例

各セールスステップのデータを収集することで、商談にもっていくことの上手なセールスマン、クロージングにもっていくことの上手なセールスマン、つまり誰は何が上手で、何に問題があるのかが明確になる。これがセールス活動を科学することなのである。

さかい・よしひさ 坂井義尚(さかい よしひさ)
平成4年、立教大学経済学部卒、ベンチャー・リンク入社。サンマルクをなどFCビジネスの経営指導、全国の中堅・中小企業の経営支援で豊富な実績を積み、現在は年間200本以上の講演を全国で展開する講師として活動

目次

いちばん大切な活動に、どれだけの時間が使われているか

セールスパワーを倍増する視点は3つある。

1.スケジューリング技術の習得

無駄な時間、会議や移動の時間を減らし、お客様と会う時間を増やす。

2.セールスステップの設計技術・改善手法の習得

セールス活動を詳細に観察して、無駄な箇所や改善方法を考える。たとえば訪問をダイレクトメールやテレホンマーケティングに変えるなど、セールスステップを改善する。

3.セールスステップを上る手法・道具の改善・開発

ビデオのようなビジュアルなツールを使うなど、セールス活動を改善する。

セールスパワーを倍増するには、セールスの実態を科学的に分析しなければならない。セールスのいちばん大切な活動に、どれだけの時間が使われているか。どうすればその時間を増やすことができるか。セールスステップをかけ上がるスピードを、どのように短縮していくかを科学していく。

「科学する」とは、現在の事象を観察してデータをとる。データをもとに仮説を立てる。仮説を立てたら検証して、法則を見出すこと。もし法則を見出せなかったら、さらに観察をする。そして、仮説、検証を繰り返しながら、いちばんいい方法を見出していく。

管理指標で誰は何が上手で、何に問題があるのかを明確に

まずはセールスマンの現実をデータ収集すること。データを収集するには、セールスマンを管理するための指標が必要である。例をあげて説明しよう。

A君は100件訪問して、20件の商談ができて、そのうち5件をクロージングできた。B君は100件訪問して、商談が25件、クロージングが5件。C君は100件訪問して、商談が40件、クロージングが5件。この数字には3名それぞれの活動の特徴が出ている。

C君は商談のできるノウハウをもっていて、A君はそのノウハウをC君から学べる。しかしC君はクロージングできる確率が低い。この確率の高いのはA君なので、A君から学べる。

データを収集することで、商談にもっていくことの上手なセールスマン、クロージングにもっていくことの上手なセールスマン、というように特徴が分かれるのだ。誰は何が上手で、何に問題があるのかが明確になる。これが科学することなのだ。

訪問したときに商談ができれば、セールスステップはひとつ上がったことになる。商談によって受注がとれればクロージングとなる。2つのステップで上昇率が倍増すれば、2×2で4倍の受注率になるわけだ。

実際は、セールスステップを7〜8段階に分けて、一人ひとりのデータをとる。そして平均的な水準を算出して、いちばん効率のよいセールスステップのかたちをつくる。各ステップの改善によって、訪問→商談が20%から22%へ、商談→クロージングが25%から27.5%へと引き上げられればどうなるだろうか。できるセールスマンとできないセールスマンの成果は倍も違うのだから、このぐらいの改善ならできる。

たとえば、訪問100件→商談20件(商談率20%)→クロージング5件(クロージング率25%)を商談22件(同22%)→クロージング6件(同27.5%)にアップさせたら、どんな結果になるだろうか。5件のクロージングを6件に増やすとする。クロージング率は20%のアップだが、1カ月の売り上げが20%増えるということは、5000万円の売り上げが6000万円に増えるということである。

自社に優秀なセールスマンや優秀なセールスマネージャーがいるかどうかでなく、個々のセールスマンをレベルアップさせていくシステムをもっていることが大切なのである。

初回訪問から契約までの各ステップを科学する

【事例1】教育サービス会社

教育用の教材を販売している会社が、1つの教材の契約を獲得するために何回の訪問が必要なのか、全セールスマンの平均値のデータをとった。

初回訪問 8.2社 × 1.0回 8.2回
提案 3.1社 × 2.0回 6.2回
折衝 1.5社 × 1.6社 2.4回
契約 1.0社 × 1.1回 1.1回
17.9回

(*提案から契約までの「再訪」は計9.7回)

1社との契約を獲得するために、各ステップで必要な訪問会社数に、ステップを上げるために必要な平均訪問数を掛けて算出している。1社の契約を獲得するのに折衝するのは1.5社。1.5社と折衝するためには3.1社への提案が必要である。3.1社に提案するには8.2社への初回訪問が必要というデータが算出された。

この会社では、1社の契約を獲得するために平均18回の訪問を必要としている。この平均値より低いセールスマンの売り方を改善し、全体の水準を高めることによって売り上げも上がっていく。

【事例2】包装資材卸売会社

業務用の包装資材を扱っている会社の例である。同社の顧客の大半は既存客であり、新規の飛び込みなしのルートセールスが主体となっている。同社では2つの管理指標を活用している。

(1)予定面談に対する実面談率

予定どおりに営業活動が進められているかどうかを管理する指標で、
 <実面談÷予定面談×100>
 で算出する。実面談率の高いセールスマンは、

  • 必ずアポイントメントをとってから訪問する。
  • 面会に応じていただけるような価値のある情報を必ずもっていく。

などのノウハウをもっているので、実面談率の低いセールスマンにそれを学ばせる。

(2)実面談率に対する有効面談率

有効面談とはセールスステップの上がる面談のことで、
 <有効面談÷実面談×100>
 で算出する。雑談にとどまり次のステップに進めないなど、同じステップにとどまっている面談は有効面談ではない。

このようにセールス活動をきちんと分析して、標準化して、各セールスステップにおける指標を設定して、データをとって分析する。セールス活動を科学すると、確実に営業活動のレベルが上がっていくのである。


掲載日:2008年4月 1日

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