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社長の道場
KFSをふまえれば成功する

経営戦略を立案する場合、自社のKFS(KEY FACTOR FOR SUCCESS=成功要因)を見極め、KFSを獲得することが決め手になる。KFSは時代とともに変化するので、たえず検証し、新しいKFSの獲得を取り組むこと。これが成長を持続する鉄則である。

さかい・よしひさ 坂井義尚(さかい よしひさ)
平成4年、立教大学経済学部卒、ベンチャー・リンク入社。サンマルクをなどFCビジネスの経営指導、全国の中堅・中小企業の経営支援で豊富な実績を積み、現在は年間200本以上の講演を全国で展開する講師として活動

目次

鍵はKFS(KEY FACTOR FOR SUCCESS=成功要因)

ある経営コンサルティング会社にコンサルタントとして勤務していた中堅社員が独立し、実家の衣料小売店を継ぎました。彼は事業規模の拡大を考えて、中国への店舗展開をはかろうと試みましたが、準備段階で困難であることが見えてきたので、中止しました。次に彼は、国内での店舗展開に乗り出しましたが、結局は失敗しました。

彼の経営戦略のどこに問題があったのでしょうか?

経営戦略を考えるパターンは大きく4つに分類できます。

  1. 従来と同じ事業の量的拡大をはかる
  2. まったく新しい事業分野に進出する
  3. 従来の事業を改善・改革し、業態の変革、関連分野へ進出する
    1. 同じマーケットに新しい商品・サービス
    2. 同じ商品で新しいマーケット

彼は a にこだわって失敗したわけですが、どのパターンにも成功と失敗があります。あるパターンで成功すると次も同じパターンに走りやすいものです。それで成功する場合もありますが、失敗を招く場合もあります。過去の体験や戦略から、自分の考え方のパターンを自覚し、成功する条件は何かを考えることが不可欠です。

経営戦略を立案するには、それがKFS(KEY FACTOR FOR SUCCESS=成功要因)をふまえているかどうかを見極める必要があります。KFSをきちんとふまえていれば、上記4つのどのパターンをとっても成功します。4つについてKFSのふまえ方を説明していきましょう。

従来と同じ事業か、新しい事業分野か

1.従来と同じ事業の量的拡大をはかる

KFSをふまえていなければ量的拡大をはかれません。先の衣料小売店はKFSをつかめないまま、一般的な町の衣料小売店を多店舗展開して失敗しました。同店のKFSには、思い切った大量生産、ローコストによる低価格販売、デザイナーズブランドなど特徴のある品揃えによって、ターゲットを絞り込んだ店づくりが考えられます。たとえばユニクロのような店です。

従来と同じ事業の量的拡大をはかる戦略で成功した例として、ファミリーレストランを考えてみましょう。1970年代、ファミリーレストランのKFSは「豊富なメニュー」、「スピード」、「安価な客単価」だった。その後、閉鎖する店舗が相次いだのはKFSが変わったからです。

2000年代になると新しいKFSをふまえたファミリーレストランが台頭し始めました。新しいKFSは「ターゲットの絞り込み」、「ローコストな店舗運営」、「メニュー開発力」です。新しいKFSを見極め、それを獲得することが次なる成長の条件となります。

2.まったく新しい事業分野に進出する

たとえば新規事業としてファミリーレストランに進出する場合、前項で述べたKFSがそのまま参考になるでしょう。新規事業のKFSが分からない場合はどのような方法をとればよいのでしょうか。

分からない場合はノウハウをもつ(現在成長中の)フランチャイズへの加盟などによって、解決できます。あるいは、各フランチャイズ本部に出店相談に出向くだけでも、新しいKFSを把握するのに役立ちます。

サービスを改善・改革で成長したクリーニング店

3-a.従来の事業を改善・改革し、業態の変革、関連分野へ進出する
−同じマーケットに新しい商品・サービス−

クリーニング店A社の例を紹介しましょう。20年前、A社は近隣のクリーニング店18社でグループを結成し、現在は1万店の取次店をもつまでに成長しました。この成長過程でA社は市場調査の結果、KFSを「仕上がり」「価格」「利便性」と見極めましたが、すべてを満たすことは不可能と判断して、「価格」と「利便性」の追求に戦略を絞りました。

そして、以下の戦略を実践したのです。

サービス
  • 価格=市価の3割安
  • 利便性=即日仕上げ
施策
  • 共同工場建設と作業工程の効率化
  • 効率的な集配網の整備
  • フランチャイズ展開による取次店の開拓

このようにポイントを押さえることによって、企業は一気に成長できます。A社は、従来のマーケットに対して自社のサービスの在り方を改善・改革して成功したのです。

3-b.従来の事業を改善・改革し、業態の変革、関連分野へ進出する
−同じ商品で新しいマーケット−

技術力はあるものの資金力が乏しく、大きな設備投資が難しかったクリーニング店B社の例です。夫婦2人で開業したB社は、同業者から高度な技術を必要とする作業の請負をはじめ、同業者への営業によって年商15億円にまで成長しました。

しかし以降、売り上げが横ばいになってしまいました。原因は2つありました。1つは、競合先の工場が近くにできたこと。もう1つは、自社の処理能力が限界に近づいてきたこと。職人の育成に時間がかかり、一方でノウハウの流出を防ぐため多くの社員に技術を教えられないという問題に直面していたのです。

そこでB社は、新しいマーケットに自社の技術を提供していく戦略を選びました。あるアパレルメーカーが最後の仕上げであるプレスで困っているという情報を得て、その作業の請け負いに進出したのです。それから3年間で売り上げは倍増して、30億円に到達しました。

KFSを見極め、的確な経営戦略を策定するには6つのステップがあります。このステップをふむことが成功のための戦略となるのです。

  1. 過去の成功要因を分析
  2. 成功要因たりえた時代背景を分析
  3. 現在の時代背景を分析し、成功要因を考察
  4. 成功要因獲得の必要条件を検討
  5. 成功要因獲得にむけた具体的な行動計画の立案
  6. 戦略的中期経営計画の立案


掲載日:2007年10月 2日

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