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社長の道場
社長はプロの経営者でなければならない

自社の現場の状況をタイムリーに把握するスピード感覚。これなくしてプロの経営者とはいえない。そのためには財務の知識が不可欠。さらに経営者には3つのスキルが求められる。

坂井義尚氏 坂井義尚(さかい よしひさ)
平成4年、立教大学経済学部卒、ベンチャー・リンク入社。サンマルクをなどFCビジネスの経営指導、全国の中堅・中小企業の経営支援で豊富な実績を積み、現在は年間200本以上の講演を全国で展開する講師として活動

目次

優秀な経営者は、月次、週次、日次で自社の状況をタイムリーに把握

ある中小企業では、役員の誰一人として月次試算表をきちんと理解していなかった。同社の役員会の資料は、先々月に締めた数字を1カ月もかけて計算したものだった。あってはならない状況である。そもそも損益計算書、貸借対照表などのデータは何のためにあるのだろうか。

着実にデータをとることで、自社の状況を性格に把握し、先月発生したことを速やかに今月の経営に活かす。小売店や飲食店なら、昨日の状況を今日に活かすために日次決算が不可欠である。このスピード感覚をもたない経営者はプロではない。

業種にもよるが、小売店や飲食店、または製造業の場合、1日の中でも大きく原価率の変動が起こりうるビジネスであるため、自社の現場の状況をタイムリーに把握する工夫がとくに必要である。

日々の売り上げや利益の達成率を把握できていれば「この日は予測値に対して○万円ダウンしている。どこで取り戻すか。明日はどんな販売促進を行なうか」と、速やかに対策を打てる。飲食店で時間帯別の数値を把握できれば、次のように仮説を随時立てて、経営改善に活かすことができる。

「ランチの数字が落ちているのは回転率が悪いからではないか。注文から提供までの時間が、かかり過ぎているのではないか」
「ディナーが思わしくないのはメニューの改善が必要ということか」

きめ細かに対応するには、自分が把握したいデータ、自社の経営にとって大事なデータとは何かを考え、確実にデータが収集される仕組みを設計する。この経営管理システムを考えるのは社長である。これがプロの経営者だ。実際、優秀な経営者ほど、月次、週次、日次で自社の状況をタイムリーに把握している。

プロの経営者が身につけるべき3つのスキル

では、プロの経営者が身につけるべき知識とは何だろうか。それは多岐にわたるが、とくに中小企業経営者が身につけるべきことは財務の知識である。財務の数値には自社の経営活動のすべてが現われているからである。

たとえば以下の項目を自問してみよう。

  • 自社の問題点は売上原価、販売費・一般管理費、営業外損益(収益・費用)などのどこにあるのか。
  • 日頃意識している利益とは、粗利益(売上総利益=売上高−売上原価)か、経常利益か、最終利益(当期純利益)か。
  • バランスシートの構成と各項目の動き方を理解しているか。
  • 財務・資本調達や資金調達のほかにも、経営者として必要な財務上の能力は何か。

いうまでもなく、経営者は経営のあらゆる活動において、十分な能力をもっていなければならない。その能力とは、3つある。

1.テクニカル(技術的な)スキル・・・一兵卒としての能力

  • 営業力(ものを売る力)
  • 財務能力(資本調達、資本運用をする能力)
  • 技術力

など

2.ヒューマン(人間的な)スキル・・・管理者としての能力

人間としての魅力。従業員をやる気にさせて育成する能力。

  • 育成能力(人事、教育など)
  • モチベート力(従業員にやる気をもたせる。従業員から相談をもちかけられる)

3.コンセプチュアル(概念を形成する、確信する)スキル・・・経営者としての能力

世の中の技術や競争のなかで、業界の動きについて仮説を立てて、会社を成長させていくために、どんな事業を展開すればいいかを企画する。

  • 企画力、仮説立案力
  • 戦略立案力

上記3つの能力について、自分に必要な能力は何かを考えていただきたい。役職が高くなると(1)よりも(2)、そして(2)よりも(3)のスキルが求められてくる。能力を強化にスケジュールを立てて取り組んでいただきたい。


掲載日:2007年8月17日

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