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第4回 「小平浪平――国産自主技術にこだわり続けた男(4)」
第3回 「小平浪平――国産自主技術にこだわり続けた男(3)」
第2回 「小平浪平――国産自主技術にこだわり続けた男(2)」
第1回 「小平浪平――国産自主技術にこだわり続けた男(1)」

第5回 「森下博――広告宣伝で「仁丹」を世界に広げた男(5)」
第4回 「森下博――広告宣伝で「仁丹」を世界に広げた男(4)」
第3回 「森下博――広告宣伝で「仁丹」を世界に広げた男(3)」
第2回 「森下博――広告宣伝で「仁丹」を世界に広げた男(2)」
第1回 「森下博――広告宣伝で「仁丹」を世界に広げた男(1)」

第5回 「根津嘉一郎――鉄道王国を築き上げた甲州の荒くれ(5)」
第4回 「根津嘉一郎――鉄道王国を築き上げた甲州の荒くれ(4)」
第3回 「根津嘉一郎――鉄道王国を築き上げた甲州の荒くれ(3)」
第2回 「根津嘉一郎――鉄道王国を築き上げた甲州の荒くれ(2)」
第1回 「根津嘉一郎――鉄道王国を築き上げた甲州の荒くれ(1)」

第4回 「松永安左エ門――官に抗し9電力体制を築いた男(4)」
第3回 「松永安左エ門――官に抗し9電力体制を築いた男(3)」
第2回 「松永安左エ門――官に抗し9電力体制を築いた男(2)」
第1回 「松永安左エ門――官に抗し9電力体制を築いた男(1)」

第7回 「五島慶太――強盗と呼ばれた経済人(7)」
第6回 「五島慶太――強盗と呼ばれた経済人(6)」
第5回 「五島慶太――強盗と呼ばれた経済人(5)」
第4回 「五島慶太――強盗と呼ばれた経済人(4)」
第3回 「五島慶太――強盗と呼ばれた経済人(3)」
第2回 「五島慶太――強盗と呼ばれた経済人(2)」
第1回 「五島慶太――強盗と呼ばれた経済人(1)」

第4回 「野口遵――特許をビジネスモデルにした最初の日本人(4)」
第3回 「野口遵――特許をビジネスモデルにした最初の日本人(3)」
第2回 「野口遵――特許をビジネスモデルにした最初の日本人(2)」
第1回 「野口遵――特許をビジネスモデルにした最初の日本人(1)」

第5回 「山本条太郎――情報をカネに替えた草分けの商社マン(5)」
第4回 「山本条太郎――情報をカネに替えた草分けの商社マン(4)」
第3回 「山本条太郎――情報をカネに替えた草分けの商社マン(3)」
第2回 「山本条太郎――情報をカネに替えた草分けの商社マン(2)」
第1回 「山本条太郎――情報をカネに替えた草分けの商社マン(1)」

第4回 「福沢桃助――電力業界の奇才(4)」
第3回 「福沢桃助――電力業界の奇才(3)」
第2回 「福沢桃助――電力業界の奇才(2)」
第1回 「福沢桃助――電力業界の奇才(1)」

第4回 「藤岡市助――我が国最初の大学ベンチャー(4)」
第3回 「藤岡市助――我が国最初の大学ベンチャー(3)」
第2回 「藤岡市助――我が国最初の大学ベンチャー(2)」
第1回 「藤岡市助――我が国最初の大学ベンチャー(1)」

第4回 「三野村利左衛門――情報に通じた目利きの番頭(4)」
第3回 「三野村利左衛門――情報に通じた目利きの番頭(3)」
第2回 「三野村利左衛門――情報に通じた目利きの番頭(2)」
第1回 「三野村利左衛門――情報に通じた目利きの番頭(1)」

第3回 「岩崎弥太郎――維新の政商ベンチャー(3)」
第2回 「岩崎弥太郎――維新の政商ベンチャー(2)」
第1回 「岩崎弥太郎――維新の政商ベンチャー(1)」

第5回 「渋澤栄一――日本資本主義の父(5)」
第4回 「渋澤栄一――日本資本主義の父(4)」
第3回 「渋澤栄一――日本資本主義の父(3)」
第2回 「渋澤栄一――日本資本主義の父(2)」
第1回 「渋澤栄一――日本資本主義の父(1)」

第6回 「中部幾次郎――大洋漁業の創業者(6)」
第5回 「中部幾次郎――大洋漁業の創業者(5)」
第4回 「中部幾次郎――大洋漁業の創業者(4)」
第3回 「中部幾次郎――大洋漁業の創業者(3)」
第2回 「中部幾次郎――大洋漁業の創業者(2)」
第1回 「中部幾次郎――大洋漁業の創業者(1)」

第5回 「金子直吉――鼠と呼ばれた名番頭(5)」
第4回 「金子直吉――鼠と呼ばれた名番頭(4)」
第3回 「金子直吉――鼠と呼ばれた名番頭(3)」
第2回 「金子直吉――鼠と呼ばれた名番頭(2)」
第1回 「金子直吉――鼠と呼ばれた名番頭(1)」

第4回 「岩波茂雄――出版文化の大衆化の功労者(4)」
第3回 「岩波茂雄――出版文化の大衆化の功労者(3)」
第2回 「岩波茂雄――出版文化の大衆化の功労者(2)」
第1回 「岩波茂雄――出版文化の大衆化の功労者(1)」

第6回 「小林一三(いちぞう)――希代の遊び人事業家(6)」
第5回 「小林一三(いちぞう)――希代の遊び人事業家(5)」
第4回 「小林一三(いちぞう)――希代の遊び人事業家(4)」
第3回 「小林一三(いちぞう)――希代の遊び人事業家(3)」
第2回 「小林一三(いちぞう)――希代の遊び人事業家(2)」
第1回 「小林一三(いちぞう)――希代の遊び人事業家(1)」

第5回 「鈴木三郎助――味の素の創業者(5)」
第4回 「鈴木三郎助――味の素の創業者(4)」
第3回 「鈴木三郎助――味の素の創業者(3)」
第2回 「鈴木三郎助――味の素の創業者(2)」
第1回 「鈴木三郎助――味の素の創業者(1)」

 日本はいま未曾有の大混乱の中にある。つまりカオスだ。技術革新の大波は、情報通信のボーダレス化を促し、大企業といえども安閑とはしていられない時代だ。
 新しい産業が次々と登場し、新興勢力が勃興する一方で、旧来勢力は市場から撤退を余儀なくされ、新旧交代が加速する。ビジネス・ルールも変わる。国際標準とか、ディファクトとかが猛威をふるい、いまビジネスマンを驚愕させるのはビジネスモデル特許攻勢だ。会計基準も決算処理も、新しいルールが適用される。

 これは百年に一度あるかどうかの一大変革期といえるだろう。混乱期というのは新しいビジネスを生み出す絶好のチャンスでもある。カオスの世界には、底知れぬエネルギーが秘められている。旧来から墨守されてきた既得権益が崩れ、ベンチャーたちが活躍できるフロンティアが広がるからだ。とはいえ、私たちは羅針盤を持たない難破船に乗っているみたいで、まるで展望が見えてこない。荒波を乗り切ることに失敗すれば、日本丸は確実に沈没する。そうあっては、なるまい。しかし、ほのかの曙光もみえる。振り返ってみれば、明治・大正・昭和という時代は、正しくカオスの時代だった。

 明治・大正・昭和の経済人たちは、実はベンチャーであった。鉄道や道路を建設し、高炉や化学を作り、発電所を建設し、近代日本の基礎を築いた人びとだ。彼らは、無から有を為し、巨大企業を興し、産業といえば農業しかなかった極東の島国を経済大国に見事に設計し直した。彼らベンチャーの果たした役割は、決して過小に評価してはなるまい。軍人でも官僚でもなく彼らベンチャーたちが、近代日本の礎を築いたからである。いまここに「明治・大正・昭和のベンチャーたち」というタイトルで、連載を始めるのは、そうした意味を認めるからである。

杉田 望

プロフィール
杉田 望(すぎた のぞむ)
1943年、山形県生まれ。早稲田大学文学部中退。
市場調査会社、業界紙編集長/社長を経て、1988年から執筆活動に専念。
企業経営、通商問題、中国問題を中心に経済評論を続ける一方、ノンフィクションや経済小説を発表するなど多面的な活動を展開中。主な著書に「プラントビジネス」(講談社)、「管理職の叛旗」(講談社)、「黒幕会社」(立風書房)、「満鉄中央試験所」(講談社)、「大蔵省腐敗官僚」(徳間書店)、「金融崩壊」(徳間書店)、「崩壊商社」(徳間書店)、「金融破地獄」(同朋舎)、「巨悪」(小学館)、「日銀崩壊」(徳間書店)など多数。