A-4.様々な業種・業界を知る
効率的な情報収集方法
市場調査は、社会調査のひとつで、社会調査には国勢調査なども含まれます。とくに企業が行なう市場調査の場合は、任意のものですから、いかに信頼のある回答を多く得ることができるかが目的となりますので、質問の内容などの組み立てには、細部にまで充分な配慮が必要となります。
![]()
市場調査の計画を立てるときには留意すべき点がいくつかあります。
1.調査目的の明確化と系統的な計画の立案
市場調査を行なうにあたりその出発点となるのは、調査の目的を明確にすることです。
当然のように感じられるかもしれませんが、調査を実施すること自体が目的になっている例が少なからず存在します。そのような形式的な調査では、市場に関する有力な情報を入手するのは困難です。したがって、「何のために調査を実施するのか」という点について十分に検討する必要があります。自社がとるべき経営活動を多面的に分析していき、本当に調査が必要になった段階でその実施を考えます。
調査目的が明らかになれば、系統的な調査計画の立案を行ないます。つまり、マーケティング・リサーチの実施においては、調査の目的を達成するために何をすべきか、というように目的からさかのぼって調査計画を立てていく、というステップを踏まなければなりません。
2.仮説の検証がすべてではない
一般的なマーケティング・リサーチは、仮説検証型の調査と呼ばれることがあります。つまり、あらかじめ正しいと判断される仮説を立て、それを検証するためのデータを市場調査から収集し、その結果を確認するというステップを踏みます。
ところで、仮説検証型の調査では、最初に設定される仮説そのものが、きわめて常識的である場合が少なくありません。そして、その常識的な仮説の正しさを立証するために、調査の結果を使用することがあります。このような仮説検証も重要です。直感的に正しい仮説であると判断しても、その裏づけをとるのは意義のあることです。
しかし、仮説の検証がすべてではありません。市場調査によって、予想もしなかった真実を発見する場合もあるものです。したがって、市場調査の実施においては、仮説検証のみならず真実の発見も追求するという積極的な姿勢が要求されます。
それが先に述べた戦略的市場調査です。
3.調査計画に盛り込むべき事項
調査計画に盛り込むべき主要な事項は、表1の通りです。調査の目的が最重要視されますが、それ以外では調査全体に要する時間と費用が重要です。市場調査は比較的小規模のものであっても、かなりの時間・コストが必要となります。その点を再確認したうえで、調査計画を作成します。次章では調査方法についてご紹介します。

![]()
市場調査の方法は大きく、1.質問紙調査法、2.面接調査法、3.観察調査法、4.実験という4つに分類することができます。それぞれの内容を次にみていきます。調査の実施にあたっては、調査目的にもっとも合った形式を選びます。
質問紙調査法
質問紙調査法は、質問事項を用紙に取りまとめ、それを調査対象者に回答してもらうというスタイルをとるものです。これはさらに、留め置き法、郵送法、訪問面接法、その他の方法に分かれます。
(1)留め置き法
留め置き法は、調査員が被調査者を訪ねて調査票の記入を依頼し、一定の期間後にふたたび訪問して調査票の回収を行なうものです。留め置き法の長所は、調査の目的を直接口頭で説明できるため、被調査者の協力を得やすいという点です。さらに、回答者は調査書への記入をはじめる前に疑問点などを調査員に聞くことができます。短所は、調査員を確保するためのコストが大きいことと、被調査者宅を訪問する手間がかかるということです。
(2)郵送法
郵送法では、質問用紙を調査対象者に郵送し、回答後に返送してもらいます。質問事項が少ない場合には、はがきを使用します。郵送法の長所は、調査コストが比較的安く、広い地域を対象に一斉に調査を実施できるところにあります。一方、短所は回収率が低いことです。調査票を送付しても、それを見た人が必要事項を記入して返送してくれる率はどうしても低くなってしまいます。また、回収に時間がかかる点も短所といえます。
(3)訪問面接法
この方法は従来よく行なわれていた方法で、調査員がすでに構成された調査書をもって、あらかじめサンプリング(抽出)された調査対象者を訪問し、質問文を読んで相手の回答をとるものです。多くの場合、回答の選択肢が用意されています。訪問面接法の長所は、被調査者の協力を得やすく、質問に対する回答を確実に記録できる点です。しかし、時間とコストを要し、忙しい現代人の生活を反映して協力率も低く、とくに在宅率の低い若い人たちの回収率が低下してしまうという欠点があります。
(4)その他の方法
電子メールによる調査も実施されています。この方法の長所は、質問票を発送するための実質的なコストがほとんどかからない点にあります。回答者の負担も少なく、回収期間も非常に短くて済みます。しかし、電子メールの環境が整備されている人に調査対象が限定され、また、返信率が低くなりがちな点が短所です。
1 | 2
A-1.自分は本当に「起業」すべきか?
A-2.適性とやりがいを考える
A-3.ビジネスアイデアを形にする
A-4.さまざまな業種・業界を知る
- 効率的な情報収集方法
- 業種別動向・市場規模
- 市場リサーチ
- 人口動態にみるこれからの注目市場
- IT業界を取り巻く環境
- 健康業界の動向
- 世帯変化に応じた業種別商品開発のポイント
- 小売業界を取り巻く環境
- 外食業界の動向
- 起業支援サービスの活用:SOHO支援団体
- 起業支援サービスの活用:中小企業基盤整備機構
- 起業支援サービスの活用:商工会議所
- 起業支援サービスの活用:職業訓練施設
- 企業支援サービスの活用:税理士
- 企業支援サービスの活用:社会保険労務士
- 企業支援サービスの活用:司法書士
- 企業支援サービスの活用:行政書士
- 企業支援サービスの活用:公認会計士
