J-Net21とはメルマガ登録RSS一覧サイトマップブログパーツ
J-Net21 中小企業ビジネス支援サイト
あなたのビジネスを、公的機関がバックアップ!
検索エリア
中小機構 独立行政法人 中小企業基盤整備機構

  • 起業する
  • 事業を広げる
  • 経営をよくする
  • 支援情報・機関を知る
  • 資金を調達する
  • 製品・技術を開発する
  • ニュースを見る

HOME > 起業する > 起業ABC

明日から独立経営者!起業ABC

  • トップページ
  • マニュアル
  • コラム
  • フォーマット
  • 相談窓口

新事業発見!

15年目で400万足のロングセラー

高齢者の転倒事故を防止する目的でつくられた靴「あゆみ」シリーズ。つまずき防止など施されたさまざまな工夫が支持され、販売数が伸びている。

転倒事故の原因は靴にあり―高齢者を守るために製作開始

■商品概要「あゆみ」1575円(税込み)。「パーツオーダーシステム」を選べば、靴底の高さの調整やベルトの開閉方向の変更なども可能
■商品概要「あゆみ」1575円(税込み)。「パーツオーダーシステム」を選べば、靴底の高さの調整やベルトの開閉方向の変更なども可能

反り返り、床から少し浮いたつま先。わずかな段差でもつまずいてしまいがちな高齢者を守るためのアイデアだ。

徳武産業(香川県さぬき市)が開発した靴「あゆみ」シリーズには、こうした工夫が随所に取り入れられている。

同社はもともとスリッパやルームシューズの製造を手掛けていた。高齢者に特化した商品開発のきっかけは、十河孝男社長の友人で老人ホームの経営者の一言だった。「高齢者が転倒してしまう原因は履物にある」

転倒事故を減らすためにはどうしたらよいのか、いろいろと調べた上での一言だった。ちょっとした段差につまずく。自分が履いているスリッパのかかとを、もう一方の足で踏んでしまう。履物を改良すれば転倒事故が減るはずという友人の言葉に、十河氏は開発を決めた。

「老人ホームなどの施設が増えていることから、ニーズはあるだろうと思った」と十河氏は当時の心境を語る。

数百人にアンケート―見えてきた課題を克服

「発売してから3年ほどは反響がなく、こんなにロングセラーになるとは思わなかった」と徳武産業・十河社長は語る「発売してから3年ほどは反響がなく、こんなにロングセラーになるとは思わなかった」と徳武産業・十河社長は語る

同社は外履き用の靴の製造経験がなかったため、まずリサーチを始めた。十河氏は妻であり開発担当の十河ヒロ子専務とともに老人ホームや病院、リハビリ施設を訪れ、数百人の高齢者にアンケートを実施。転倒の原因や履物に対する不満点などを集めた。

その結果を基に試作品をつくり、モニターに実際に履いてもらい問題点を見つける。改善しては、またモニターに履いてもらう。その繰り返しの末、開発開始から2年後の1995年に完成した。

売り出すにあたり、当時としては業界初の画期的な試みとして商品は左右別サイズで買うことができるようにした。アンケートの結果から判明したのだが、年を重ねるにつれて、足が変形し両足のサイズが異なってしまうことがある。歩行に支障があり片足だけすり減りやすい人もいる。そこで、片足だけでも買えるようにしたのだ。

「歩きたくなるような軽さと色」(十河氏)を意識し、カラーバリエーションも豊富に揃えた「歩きたくなるような軽さと色」(十河氏)を意識し、カラーバリエーションも豊富に揃えた

「知り合いのベテランの靴職人からは、左右バラバラに売ったら手間もロスも増えて会社がつぶれるといわれた」(十河氏)が、高齢者の潜在的なニーズに応えることを優先した。

販売を開始してみたものの、当初はほとんど反響がなかった。そこで、老人ホームを中心に十河氏自ら電話をかけて売り込んだところ、50〜60社から一気に反響があった。「反響のあまりの大きさにびっくりした」(十河氏)。その結果、販売から7年後に100万足を突破。2009年10月に400万足に到達した。

購入者の誕生日に贈る、社員手書きのメッセージ

徳武産業の社員が購入者に贈る手紙。季節感が感じられる内容となっている徳武産業の社員が購入者に贈る手紙。季節感が感じられる内容となっている

同社が支持を集めているのは、商品の機能性だけではない。「まごころハガキ」と呼ぶ手紙の存在も大きい。これは全商品に封入して購入者のもとに届くようにしている。また、アンケートハガキを返信した人には、誕生日に必ず社員の手書きの手紙とプレゼントを贈っている。

「老人ホームでヒアリングをしていた時、入居して日が経つと身内の訪問が減るという話を聞いた。何かできないかと考えた時、自分も誕生日を祝ってもらったら嬉しいから思い付いた」と十河氏は開始した理由を話す。

手書きのため、社員の手間は非常に大きい。だが、手紙をもらった高齢者からお礼状が届くことで社内にプラスの効果が生まれているという。「お礼の手紙を読んだ社員のやる気が上がる」(十河氏)

適度に反ったつま先。この工夫が転倒事故防止につながる適度に反ったつま先。この工夫が転倒事故防止につながる

スリッパや室内履きをOEMで生産していた時とは異なり、購入者と直接つながる。そのため、社員の仕事に対するモチベーションが確実に上がったという。

また、購入者から月に1000〜2000通のアンケートハガキが届く。そこに書かれているお礼の言葉は、朝礼時に読んで社員全員に伝える。

「高齢者と直接会っている立場の人だけではなく、工場で縫製を担当している人にも伝えることで、全員のやる気が上がる」(十河氏)

高齢化が進む日本。団塊の世代が「あゆみ」シリーズを必要とする年代になれば、「ニーズももっと多様化する」と十河氏は見ている。手間はかかったとしても一つ一つのニーズに応えるものづくりをしていきたいと抱負を語る。

片足ずつの販売。一通一通手で書く手紙。同社の姿勢は傍から見れば遠回りだ。しかし、遠回りをした分の道のりが確実に商品に反映され、消費者の心を捉えている。

会社概要

企業名 徳武産業株式会社
所在地 香川県さぬき市大川町富田西3007
資本金 1000万円
従業員 44人
電話 0879-43-2167(あゆみ事業部)
URL http://www.tokutake.co.jp/

コラムインデックス

熱戦
ビジネスワイド
こんなときどうする?
新事業発見!
起業しました
今からでも遅くない!
起業に役立つあれこれ
Copyright(c) WizBiz Inc. このコンテンツの著作権は、WizBiz株式会社に帰属します。著作権者の承諾なしに無断で転用することはできません。

このページの先頭へ

  • ホーム
  • リンク集
  • サイト利用条件
  • ご意見・お問い合わせ
  • このサイトは独立行政法人中小企業基盤整備機構が運営しています

Copyright(c) Organization for Small & Medium Enterprises and Regional Innovation, Japan All rights reserved.