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新事業発見!

発売5年で販売数は125万枚に

タオル地でつくられたマフラー「たふら」。東進(大阪府田尻町)のアイデア商品はデザイン性や吸水性に優れた点が中高年を中心に支持され、順調に売り上げを伸ばしている。

価格競争より大事なのは、付加価値のある商品づくり

たふらは無地のため服に合わせやすい。その点も消費者に支持されているというたふらは無地のため服に合わせやすい。その点も消費者に支持されているという

冬場にウォーキングをする際、汗を吸わせるために首元にタオルを巻く。しかし、見た目を考えると、もっとオシャレなものがほしい。

そんな中高年のニーズに応えるべく生まれたのが、タオル地でできたマフラー「たふら」だ。タオル地でつくられているため、吸水性に優れ、洗濯も簡単。マフラーのような見た目なので街中で首に巻いて歩いても恥ずかしくない。

この商品を開発したのはタオルメーカーの東進だ。開発のきっかけはタオルの付加価値について考えたことだった。

安価な中国製の商品が大量に輸入されているタオル業界。そうした中、同社は「価格競争ではなく、付加価値を付ける」ことで消費者に自社の商品を選んでもらおうと考えた。その考えを反映させた新商品の開発を進めることにした。

ターゲット層はウォーキングをする人

「お客さまとの世間話が商品開発につながることもある」と東進の大和谷部長は語る「お客さまとの世間話が商品開発につながることもある」と東進の大和谷部長は語る

同社は商品開発の途中で従来のタオルを改良し、抗菌効果がある繊維を織り込んだ「臭わないタオル」をつくり出した。このタオルを使い何かつくれないか。同社の大和谷進社長は知恵を絞った。

タオルの特徴は洗いやすさ。この特性を生かしてマフラーをつくるというアイデアが大和谷氏の頭に浮かんだ。

ターゲットは冬場にタオルやマフラーを首に巻いてウォーキングをする中高年。汗を吸わせる目的や防寒対策にタオルやマフラーを巻く人は多い。だが、タオルは吸水性に優れているものの、オシャレとは言いがたい。一方、マフラーは吸水性がタオルに比べ劣る。

この臭わないタオルをベースにすれば、汗を吸う上に臭わないマフラーができる。加えてデザイン面も追求すれば、マフラーを巻いている層にも訴求できる、と大和谷社長は確信した。

工夫はそれだけではない。冬場に使ってもらうならば、静電気を防止する効果もあった方がよい。そこで、静電気の防止効果があるルアナ糸をタオルに織り込んだ。

試作品は5、6種類作成。デザイン面でも試行錯誤を繰り返した。柄入りのものや織り方を変えたものも製作。しかし、リサーチをしたところ、柄入りのものは消費者の好き嫌いが分かれやすいことが判明したため、無地のみにした。

ネーミングの工夫でタオルのイメージを払拭

1980年に設立して以来、東進は「たふら」以外にも数多くのタオル製品を世に送り出している
1980年に設立して以来、東進は「たふら」以外にも数多くのタオル製品を世に送り出している

カラーバリエーションは11種類と多めに展開した。柄を入れない代わりに、色の選択肢を増やすことにしたのだ。

ネーミングも工夫した。タオルは「イエロー」「ブルー」といった英語で色を表記することが多い。だが、従来のタオルとは違うイメージを持たせるために、「群青」「紅梅」と日本の“和”を連想させるネーミングにしたのだ。

名前は「タオル」と「マフラー」を合わせて「たふら」と名づけた。企画から1年後の2003年、たふらは完成した。
 インターネットや通販を通じて販売を開始したところ、口コミを中心に広まっていった。

東進・営業部の大和谷篤史部長は「冬向け用として開発した商品だったが、薄手だったため、夏も多く売れた」と語る。
 加えて、カラーが豊富なことで消費者が複数購入するというおまけもついた。夏場は「水浅葱」など薄い色、冬場は濃い色の商品に注文が集まる。「季節関係なく売れている」(大和谷部長)。

色違いの商品を買い求める人が多いため、購入者の半分以上がリピーターだ。
 商品の企画段階ではウォーキングの愛好者をターゲットと考えていたが、ほかにもガーデニングをする人や冷房が効いたオフィスで働く女性などからも注文が来る。購入者の多くは中高年だ。女性の方が若干多いものの、男性からの注文もあるという。これまでの販売枚数は125万枚に達している。

チャレンジ精神が商品開発を後押し

商品概要:たふら 1050円 全11色商品概要:たふら 1050円 全11色

こうした新商品が生まれた背景には「当社のチャレンジを大切にする社風がある」と大和谷部長は語る。

「メーカーは効率的につくることを考えがちだが、本来はお客さまが困っていることを解決するのが営業の仕事」(大和谷部長)だからこそ、タオル地でマフラーをつくるというこれまでにない発想でものづくりができたという。

たふらを発売した後も、「消費者の声を聞く」という姿勢は揺るがない。
 発売当初、たふらの長さは135センチのもののみだったが、販売すると消費者から「いろいろな巻き方をしたい」という声が寄せられた。そこで同社は長さを改良。既存の商品に加えて、186センチの長さのたふらを開発し販売を開始した。現在はこの2種類の長さのたふらを販売している。

「今後もタオルという枠にとらわれず、付加価値のある商品を生み出したい」と大和谷部長は語る。

自由な発想と進取の精神こそがヒット商品を生み出す原動力なのかもしれない。

会社概要

企業名 株式会社東進
所在地 大阪府泉南郡田尻町吉見110
資本金 1500万円
売上高 13億5000万円(2008年2月期)
従業員 43人
電話 0724-65-3338
URL http://www.to-shin.jp/

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