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新事業発見!

原油を回収する特殊素材を使い洗濯物のしつこい脂汚れ落とす

恵川商事は、軍手やタオルなどの日用産業雑貨の卸販売を行なってきた。この事業で培った広範な販路を生かし、地道な販売活動を続けたことがエコ商品「FLOATCLEAR」のヒットへとつながった。

Point!
皮脂による黄ばみや黒ずみが取れやすくなる。
Point!
浴槽用を入れたきれいな残り湯を使い、洗濯用と併用すれば省エネになる。
Point!
約400回繰り返し使用でき、洗剤を節約しつつ、衣類の白さを保てる。
Point!
水分は衣類と一緒に脱水されるので特別な手入れがいらない。

製品の特徴

洗濯をしても落ちにくい頑固な汚れ。特にYシャツの襟えりや袖口(そでぐち)に染み付いた皮脂による黄ばみや黒ずみは取れにくい。恵川商事は衣類の汚れの大半が脂によるものであることに着目し、船舶事故で流出した原油や重油の回収の際に使われる特殊素材のポリプロピレン不織布で吸収するエコ商品「FLOATCLEAR」を企画・販売した。しつこい汚れを落とせると主婦を中心に支持され、ヒットを続けている。

使用方法も洗濯物や洗剤などと一緒に洗濯槽に入れるだけと、非常に簡単だ。汚れはポリプロピレン不織布を包んだ表面のポリプロピレン布に付着し内部に吸収される。洗剤によって落ちた汚れが衣類に再付着するのを防ぎ、特に襟や袖口の汚れが軽減される仕組みだ。水分は衣類と一緒に脱水されるので特別な手入れもいらない。

エコ商品として注目されるのは、使用するポリプロピレン不織布が製品を作り終えたあとの端材を有効利用するうえに、洗剤の使用量も減らせるためだ。専門機関の試験でも、通常の半分の洗剤でより白くなる効果が立証されている。価格は洗濯用が2520円で割高に思われるが、約400回繰り返し使用でき、洗剤の節約量や衣類の白さを保てることなどを思えば、むしろ割安だ。

FLOATCLEARの発売は2007年3月。当時は浴槽に浮かべて皮脂や湯垢(ゆあか)を吸着する風呂用で、洗濯用は08年4月から販売をスタートした。実は、すでに04年から同機能を備えてカッパをデザインした商品「アカパックン」を販売していたが、販路拡大に伴い、従来のカッパのデザインでは好みが分かれるとの声を受けて、新たに格子模様のFLOATCLEARを企画したのである。

ヒットへの道のり

恵川商事は元々、軍手やタオルなどの日用産業雑貨の卸販売を行なってきた。この事業で培った広範な販路を生かし、地道な販売活動を続けたことが今回のヒットへとつながった。

発売当初は、月間販売数が1000個に満たないなど、想定よりも売り上げが伸び悩んだ。そこで安藤孝平社長が自ら販売店舗へ出向き、映像を交えた実演販売を行なった。その際、じかに聞いた消費者の声を改良や販売戦略へと反映。図説付きのパッケージにデザインを変更するなど、中小企業ならではの小回りのよさを発揮してヒットを呼び込んだ。

現在の販売状況

カッパをデザインした類似商品「アカパックン」も根強い人気がある。カッパをデザインした類似商品「アカパックン」も根強い人気がある。

FLOATCLEARの販売代理店は、全国10社程度と“少数精鋭”だ。これには、店舗間の価格競争を避け、販売店とメーカーがともに利益を享受する「win-win」の関係を構築する狙いがある。その結果、各販売代理店の販売意欲向上にもつながり、最近ではFLOATCLEARの売り上げは、アカパックンも加えると月間8000〜1万個までになった。現在では、東急ハンズや三越などの実店舗に加え、カタログやインターネットによる通信販売でも順調に販売数を伸ばしている。

ただ、今後の展開について安藤社長は「品質を確保するためにも、積極的な販路拡大は考えていない」と言う。最終的な目標も月産2万個と控えめだ。一方で、FLOATCLEARの成功を機に、新たな商材を全国から発掘し、第2、第3のヒット商品を送り出していきたいという。

開発秘話

【風呂場の転倒でケガをする高齢者たちを救いたかった】

 開発のきっかけは、浴槽で転倒してケガをする高齢者がいると聞いたことです。「浴槽のぬめりを取れば事故を防げるのでは」と思って調べてみると、湯垢の8割近くが脂分だと分かり、脂を吸着する素材、ポリプロピレン不織布に行き着いたのです。

 このため、発売当初は風呂用のみでしたが、開発工場から「洗濯用としてでも使ってはどうか」と提案されて知人に使ってもらったところ、「洗濯物が白くなった」と言われました。そこで独立行政法人産業技術総合研究所に調査を依頼してみると、通常の洗濯に比べ、同量の洗剤で約1.5倍、半分の洗剤で約1.1倍の白さになることが判明したのです。

 FLOATCLEARの生産は、知的障害者の自立支援施設に委託しています。だから、大幅な増産は目標に掲げていません。急な増産は品質低下につながりますし、彼らの負担になっては社会貢献の意味も薄れますからね。

安藤孝平社長 安藤孝平社長
1967年愛知県生まれ。駒澤大学経済学部経済学科卒業。タオルメーカー勤務の後、中小企業大学校の後継者養成コースを受講し、恵川商事に入社。約10年間にわたり医療・福祉関連の新規開拓に従事し、03年に社長就任。「アカパックン」「FLOATCLEAR」の企画・販売を担当。

会社概要

企業名 恵川商事
所在地 〒464‐0094 愛知県名古屋市千種区赤坂町3-37
設立 1958年11月
資本金 1000万円
売上高 2億4000万円(2009年2月期)
従業員 6人(パート2人を含む)
事業内容 日用雑貨・日用産業雑貨・消耗品の卸売、機能商品の企画・製造
URL http://www.egawa-business.co.jp/

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