新素材ではきごこち抜群 男性用下着ヒット商品
快適な履き心地とファッション性の高さから、2007年11月の発売以来、男性用下着では珍しいヒット商品となった「包帯パンツ」。衣料品企画会社ログインの野木志郎社長は、動きやすいデザインを追求し、蒸れない新素材を開発。若者をターゲットに販売店を絞り込み、その心地よさから中高年の支持も獲得している。
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野木志郎代表取締役 1983年立命館大学法学部卒、光陽社に入社。86年に退社し、千趣会に入社。購買部購買課、新規事業開発部でキャリアを積む。02年に退社し、ユニオン野木に入社。06年に独立しログインを設立。 |
3000円以上と高価でも
高品質志向の客が熱烈支持
評判がいいおしゃれなパッケージ今年の夏も猛暑に見舞われた。炎天下の道を10分も歩けば、噴き出る汗でびっしょりと濡れた下着がベトベトと肌にまつわりついて、とても気持ち悪い。ある日、通気性抜群といわれるこの包帯パンツを履いて街に出てみた。すると、まず軽いので履いていることを忘れるほど快適。
汗をかいてもパンツは常にサラリとしてとても気持ちよく過ごせるではないか。この“さわやか効果”が話題を呼び、伊勢丹新宿店(東京都新宿区)では、1週間で約300枚が売れるヒットとなった。「包帯パンツ」の商品名の通り、包帯のようにやわらかくて伸び縮みするのが特徴で、衣料品ベンチャー企業のログイン(東京都品川区)が5年以上の歳月をかけて開発、独自の下着ブランド「志道(SIDO)」の第1弾として2007年11月に発売した。
ボクサータイプで1枚3465〜3990円と高額であるにもかかわらず、男性用下着としては異例のヒットとなった。「発売以来、累計で1万枚以上を出荷しています」と同社の野木志郎社長が手応えを熱く語る。
伸縮性があり、やわらかく肌にやさしい「包帯パンツ」。発売以来、累計で1万枚以上を出荷した。これだけ売れる理由は、何といっても通常の下着では得られない快適な着用感にある。生地に無数に開いた細かな穴が通気性を格段に高め、発汗による湿気の大部分を外に逃がす仕組みだ。手で引っ張ると向こう側が透けて見えるほど薄くなる生地は、医療用の包帯をベースに編まれた新素材で、「ブレスバンテージ」(商標登録)と名づけられている。同社の実験では、男性用下着で多く使われる生地の約10倍の通気性が確認された。
流行を取り入れ洗練されたデザインでありながら、「包帯パンツ」とおしゃれを連想させない商品名であることも、店頭で手に取った消費者に強烈な印象を与えて販促効果を上げている。ボクサータイプで短めと長めの丈のタイプがあり、色もベージュ、赤、カーキのほか、黒やグレー、茶などのボーダー柄などを取りそろえ、好みに応じて選ぶことができる。
着用感と機能性にファッション性が加わることで、包帯パンツは若者と中高年の間で急速に需要を伸ばした。野木社長によると、成功要因は次の3点に集約される。(1)男性用下着で既存商品への不満を洗い出してニーズを明確化し、商品開発のポイントを“蒸れの解消”に絞った。(2)独自のデザインによる型紙を使って動きやすさと機能性を確保した。(3)それらを製品化するのに必要不可欠な素材(包帯のような生地)を開発することに成功した。
新素材開発のきっかけは 父の机で眠っていた包帯
父親が机の引き出しに入れたままだった包帯が素材開発の条件にぴったりと合い、包帯パンツが誕生した。野木社長はアパレル業界の出身ではなく、「衣料品のイロハなど、何も知らなかった」。ただ、過去に勤めていた通販会社の業務を通じて、商品企画の経験はあった。
男性下着の傾向を調べてみたところ、国内の下着業界では、スポーティーな男性用下着はあまり競合がなく、新規参入しやすい分野であることも分かった。ビジネスチャンスを感じ取った野木社長は海外ブランドを含めた商品を買い集め、500枚以上は自分で試着したという。
こうして理想のパンツを求めてたどり着いた答えは、蒸れの解消だった。そこからは試行錯誤の日々である。「従来型のパンツと大きく異なる点は、股間の形状です」(野木社長)。
不快な蒸れをなくすために最適な形を見つけ、さらに生地が伸びる方向を考えて、身体の動きに合わせて縦と横の両方に向かって伸縮するように、独自のデザインと型紙を考案した。すでに登場していたボクサータイプやブリーフ、トランクスにも見られないものだ。
関門となったのは素材探しだった。条件を満たす素材が見つからず、悩み抜いた野木社長は、長年にわたり下着の生産に携わってきた父親に相談した。「その時、父が机から取り出したのが、何十年も引き出しに入れたままだった包帯でした。過去に取引先が生地見本として持ってきたものが、今回の素材開発の条件に合うのではと思いついて持ち出してきてくれたものです」(同)
軽くてサラリとした履き心地。新素材ならではの伸縮性とやわらかさで自然なフィット感がある。包帯は目が粗く耐久性に欠けるが、伸縮性とやわらかさが肌にやさしい。製品コンセプトにもぴったりだった。この発想に活路を見出した野木社長は、包帯のようなフィット感があるオリジナル素材の開発に没頭し、07年に包帯パンツを完成させた。販売戦略はあらかじめ決めていた。
「ファッションといえば、高級専門店のユナイテッドアローズと百貨店の伊勢丹」(同)と販売ルートを定め、体当たりで営業をかけた。特にユナイテッドアローズは同社の重松理会長の肝入りとして、本人から多角的なアドバイスをもらったうえでの先行発売となり、最初の2カ月間で600枚以上が売れた。さらに伊勢丹でも販売が決まると、商品の知名度がすぐに高まった。
売り場担当者の要望などから、すでに同素材を使った女性用包帯ショーツも市場に投入し、順調な滑り出しを見せている。「今後は、介護用や敏感肌用の下着など、商品のカテゴリーを広げていきたい」と野木社長は展望を語る。
| 企業名 | ログイン |
|---|---|
| 本社 | 〒141‐0021 東京都品川区上大崎3‐1‐4 RE‐KNOW目黒801 |
| 設立 | 2006年8月 |
| 資本金 | 2000万円 |
| 売上高 | 非公開 |
| 従業員 | 4名 |
| 事業内容 | メンズ・レディースインナーウェア・ルームウェア・軽衣装・ファッション雑貨等の企画・制作・製造、通販コンサルティング、マーケティングリサーチ |
| URL | http://www.rogin.co.jp/ |
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