苦手克服から受験対策まで体育の家庭教師が人気
| 子どもの体力や運動能力の低下が進んでいる。20年前にくらべ、身長・体重は向上しているが、基礎的運動能力は低下しているという。子どもの肥満も問題化するいま、受験対策ばかりではない体育の家庭教師が人気だ。 |
専門会社ほか、スポーツジムや家庭教師派遣会社の参入も
体育が苦手な子どもから、将来アスリートを目指す子どもまで、幅広い層に利用される体育の家庭教師2006年度の文部科学省の「体力・運動能力調査」によれば、小学生(11歳)、中学生(13歳)、高校生(16歳)とも、20年前に比べ「身長」、「体重」は向上しているが、基礎的運動能力(「50メートル走」、「ソフトボール投げ」)は低下しているという。また、厚生労働省の調査によれば、93年に10%だった男子小中学生の「太りすぎ」が、05年には14%に増えるなど、子どもの肥満も問題になっている。こうした状況を背景に、近年増えているのが、「体育の家庭教師」だ。
「体育の家庭教師」とは、文字どおり体育を教える家庭教師で、生徒のもとに出向き、逆上がりやかけっこ、野球といった運動をマンツーマンで教えるというもの。
個人で取り組んでいるところもあるが、多くは、企業や団体が、「教える内容」や「派遣する地域」など、生徒の希望に基づき、登録者の中から選んで派遣するスタイルだ。
派遣する家庭教師の多くは、体育大学や専門学校の学生、もしくは卒業生だが、なかには、元プロ選手など、一流のアスリートもいる。
派遣サービスを行なう企業や団体の具体的な数は不明だが、インターネットで検索しただけでも、約30の組織が見つかった。その多くは専業の企業だが、スポーツジムや勉強の家庭教師派遣会社がサービスの一環として行なうケースもあるようだ。
利用者は、小学生が中心。年間で、300人以上が利用
ベスト幸では、2004年から「体育家庭教師派遣センター」の名前で、大阪・京都・奈良・兵庫などに体育家庭教師を派遣している大阪市のベスト幸もこうした体育教師派遣の専門企業だ。
同社は、2004年に「体育家庭教師派遣センター」の名称で体育家庭教師の派遣サービスを開始、現在、体育大学の学生や卒業生などを中心に約100人の登録者を、大阪・京都・兵庫・奈良の各県に派遣している。
同社の中島正純社長によれば、サービスの利用者は、3歳から57歳までと幅広いが、中心は、入学前の幼児から小学生で、ボリュームゾーンは、小学2年生から4年生だという。また、年間の延べ利用者数は、300〜350人程度。教える内容でもっとも希望が多いのは、「鉄棒の逆上がり」で、次いで「かけっこ」「野球・サッカー」「水泳」が続いている。
利用頻度は、週1回程度がもっとも多く、目標を達成するまで利用するケースがほとんどだが、なかには、「先生との信頼関係ができ、目標を達成した後も続けている子もある」(中島正純社長)という。
授業料は、60分/回が3150円(消費税込み)で、延長は、30分につき1050円(消費税込み)。このほか、傷害保険料が、1300円(消費税込み、1カ月)別途必要になる。ちなみに、毎週1回、1時間利用した場合の保険料込みの月額料金は、14000円程度(月4回の場合)になる。
苦手意識の克服から“お受験”対策まで
これまで、「運動を習う」といえば、水泳教室などのスポーツ教室に入るか、地元の野球チームなど、スポーツクラブのメンバーになったりするのがもっぱらだった。費用面でも、こうしたところは、月額数千円程度なので、体育の家庭教師に比べれば、手ごろだ。
にもかかわらず、あえて体育の家庭教師を利用する人が増えている背景には、少子化による教育熱の高まりが考えられる。
たとえば、体育の家庭教師利用の目的のひとつに“お受験”対策がある。
私立の小学校・中学校のなかには、受験科目に体育や体操を挙げるところも多くなっており、そうした学校の受験対策として体育の家庭教師を利用する家庭が増えているのだ。
一方、受験に関係ない家庭でも「人並みに運動ができるようにさせてやりたい」という親心から、体育の家庭教師を利用するケースも増えている。
最近は、運動能力が著しく低く、スポーツ教室などでほかの子についていけない子どもも多い。そうした子どもの保護者が、自分のペースで取り組める家庭教師を選ぶケースが多いという。
また、一度に何人もが受講するスポーツ教室では、時間内にひとりが受けられる指導も限られているため、「効果的な指導を期待して家庭教師を希望する保護者も多い」(中島社長)そうだ。
運動が得意な子どもが利用するケースもある。
「スポーツのクラブチームに入っている子が、試合前の強化策として家庭教師を利用したりする場合もある」(中島社長)というとおり、スポーツエリートを目指す子どもも利用しているのだ。
このように、体育の家庭教師を利用する目的はさまざまだが、体育家庭教師の需要拡大の背景には、少子化により、ひとりの子どもに向ける関心や金銭的な余裕が拡大したことも大きいといえそうだ。
| 企業名 | 株式会社ベスト幸 |
|---|---|
| 所在地 | 大阪市淀川区東三国2-29-16 |
| 電話 | 06-6393-3456 |
| URL | http://www18.ocn.ne.jp/~bestkou/T1.htm |
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