東村山発「無添加」を貫くソース
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トンカツに何をかけて食べるだろう。ステーキは? コロッケには? 幼少時を思い返せば、カレーにもソースをかけていたように思う。どうも近頃は、ソースをかける場面が少ない。データをみると、ドレッシング、ポン酢の売り上げの伸びに反比例するかのように、ソース市場は毎年1〜2%程度の縮小を続け、ここ10年で15%減となっている(富士経済食品マーケティング便覧2006年)。 こだわりの無添加ソースを作るポールスタアの桜井社長にソースの魅力を聞いてみた。 |
突破口は生協との取り引き

会社設立から30年、私の計画の3分の1程度の展開です。わが社は商品は良いので、あとは営業です」と桜井憲一社長
調味料メーカーと言えば、2代目3代目のイメージがあるが、ポールスタアの設立は、1977年。現在60才の桜井社長が30才のときに設立した会社である。
「うちは醤油醸造だったんですが、醤油はキッコーマンとヤマサが圧倒的に強くて、勝ち目がありません。また、醤油醸造では家業から脱却できません。私は、家業ではなく事業にしたかったんです」と桜井憲一社長は言う。しかし、1850(嘉永3)年創業の家業ゆえ、元社長(現桜井社長の父)が、そうやすやすと応じるはずもなかった。
「ちょうどその頃、父が亡くなったので、いまだ、とポールスタアを設立しました。ポールスタア(=北極星)には、先駆者、先駆けという意味もあります。食文化の先駆者になれるといいなと思って付けました」。
醤油醸造のときには、町の小売りへルートセールスしていたが、ソースは食品問屋を通して販売する形に切り換えた。最初に取り引きが決まったのは、信州ハムだった。 あるときは信州ハムに同行し、雪の長岡で、35kgもあるブタの半身を運んだ。ブタの脂でベタベタになりながら泣けてきた。今思い返せば笑い話だが、そのときはとにかく売り上げをあげるためなら何でもした。平均して月に7,000km走っていた。タクシーの運転手と同程度である。
そんな中で、突破口になったのが生協だった。生協は企業規模や経験とは関係なく、無名でもちゃんとしたものを作っていれば買ってくれた。
そもそもソースと言えば、黒だが、なぜ黒いのかはあまり知られていない。
「黒は、カラメルソースの色です。また、砂糖を作るときに出る『廃糖蜜(ハイトウミツ)』、これを原料に使うと、黒くなります。うちのソースには、カラメルソースはもちろん、廃糖蜜も使っていません。最低でも上白糖です。だから、かなり明るめの茶褐色になるので、黒糖で黒い色を出しています」
あくまでも「無添加」、身体にいいものを提供したい
生協に商品を入れるさい、大手メーカーにならってポリのボトルにした。冬は問題なかったが、夏になると、「容器がパンパンに膨らんでいる」というクレームが200件も入った。中味のソースが発酵したせいだった。
ポリボトルだと85℃以下でしか詰められないが、ガラスでやればもっと高温充てんできる。この問題はそれで解決したが、200件には1件ずつお詫びのお電話を入れ、返品してもらった。
「ソースでいうとブルドッグさん、焼き肉のたれでいうとエバラさんと正面対決をしても勝ち目はありません。そうではなくて、当社はあくまでも『無添加』を貫きたい。少子高齢化で人口が減少傾向にあるなか、市場は縮小していくと考えるのが一般的ですが、家庭の目線で見れば、人数が減った分、『少しでも身体にいいものを食べたい、食べさせたい』という傾向はますます強まるだろうと思います。
そこで、わが社の存在意義を確立していきたい。これからはアレルギー対応商品も考えていきたいと思っています」
あまり知られていないことだが、ソースの味はメーカーによりかなり異なる。あるとき、社長がたまたま見ていた日経新聞のウイークエンド版で、ソース番付が載っていた。
「たくさんの商品が並ぶ中、有名なシェフたちが審査した結果、わが社のソースだけが5つ星を獲得していました。あれはうれしかった。わが社の商品は、味が自慢です。原材料を厳選しているので少々高めですが、一度試してもらったらその良さは十分わかってもらえると確信しています」
ソースが身体にいいことを伝える

昨年発売し、人気の「ステーキソース」シリーズ
「ソースの良さがまだまだ知られていないと思うんです。調味料はお醤油のように、テーブルに置きっぱなしにしてもらわないといけません。下げられてはいけない。弊社でもテーブルにおいてもらえる商品づくり、デザインや容量にも気を配っています。
ソースは身体にもとてもいいんです。お酢もたくさんとれるし、入っているのはリンゴ、セロリ、スパイスなど、すべて身体にいいものです。油は入っていないので、ローカロリーです。でもソースが身体にいいことを理解している人はほとんどいません。これはメーカーの怠慢だったと思います。
ソースのことをもっと知ってもらいたいと思い、まずは地元東村山から始めています。
早い時期に生協と取り引きがあったので、全国展開できたこともあり、地元に目を向けることを忘れていました。
中学生の研修を受け入れたり、地元の交流会やフェア、お祭りでも必ず模擬店を出すようにしています。そのようなところから、お取り引きにつながりそうな話がでたり、将来的には良い人材の獲得にもつながるのではないかと期待しています。
今度工場をつくるさいには、最後のラインはガラス張りで見学できるようにしたい。もっと欲を言えば、ファクトリーレストランも作って、ソースを使った料理を出したい。
ポールスタア設立当時は、明治製菓が商標登録していたために、商品に社名を冠することができなかったのですが、最近使えるようになったので、今後は社名を覚えてもらえるようにアピールしていきたいと考えています」
| 社名 | 株式会社ポールスタア |
|---|---|
| 設立 | 1977年(昭和52年)5月 |
| 創業 | 1850年(嘉永3年) |
| 資本金 | 7,500万円 |
| 代表 | 桜井憲一 |
| 従業員数 | 78名(男性23名・女性55名) |
| 事業内容 | ソース、たれ、その他調味料の開発・製造・販売 |
| 電話 | 042-395-0554 |
| 所在地 | 〒189-0003 東京都東村山市久米川町3丁目28-2(JAS認定工場) |
| URL | http://www.pole-star.co.jp/ |
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