社員研修と就活サポートを結びつけ事業展開【カース・キャリアセンター】
起業して自分らしい仕事をしたいと考えるシニアにエールを送るコーナーです。
長く社員の教育訓練に携わってきた村上さんは、会社のリストラで人が辞めていくのを見て、自分が身につけたものを若い人たちにアウトプットする時期が来たと感じ、起業を決意しました。
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株式会社カース・キャリアセンター 代表取締役社長 村上文雄(むらかみ・ふみお) 昭和24年生まれ。百貨店で21年間社員教育に携わるが、リストラで職場を去る派遣社員を見て寂しさを感じ、起業を決意。平成16年、カース・キャリアセンターを立ち上げ、翌年法人化。大学生と企業・大学を繋ぐ情報誌制作をはじめ、インターンシップやイベントなどで大学生に多彩な社会経験の場を提供。 |
キャリアの意味を“人生の役割”と解釈
- ――どのような事業をしておられますか。
- 柱は3つ。1つは、企業の内定者・新入社員・管理者を対象に各種社員研修や社員育成コンサルティングなどを行なう『わーくわく研修部』、2つ目は大学生の就職活動サポートや春・夏のインターンシップ受け入れ、企業の新卒採用コンサルティングなどを行なう『わーくわく就勝部』、3つ目が各種情報誌請負・フリーペーパー発行事業の『わーくわくFP(フリーペーパー)部』です。
- ――キャリアという言葉の意味を広い概念で捉えたところに御社の特徴がありますね。
- キャリアを仕事に限定せず、“人生の役割”(career)と広義に解釈、高校生から入社5年目までの若年者の役割をより輝かしいものにすべく支援(suport)しています。例えば学生さんは社会で学生さんという役割を果たしているし、泣いたり笑ったりしかできない赤ちゃんも笑うことで夫婦のかすがいという役割を果たしていると考えます。
就活情報誌から企業のブランド・コミュニティ誌へと展開
- ――元々御社は中小企業の社員研修事業で起業されたと伺いましたが。
- ところが研修事業のような経費対効果の不明確なビジネスは企業のブランド力が勝負な面があって、起業したばかりの無名の当社に研修を依頼してくれる企業はありません。どうすれば私がターゲットとする中小企業に依頼してもらえるかと考え、まず大手企業で研修実績を積んで当社のブランド力をあげようと思ったんです。
- ――大手に売り込むのは中小企業よりももっと大変そうですが。
- もちろん、単に「社員研修ありませんか?」と言っても相手にしてもらえません。そこでうちのコンセプトの対象のひとつである大学生に着目し、彼らと企業とをうまく結びつけるような仕組みを作ったら大企業でも入れるんじゃないかと考えました。その仕組みが、『わーくわく(WorkWaku)』という大学生と企業・大学をつなぐ就活情報誌です。
- ――それはどのような情報誌ですか。
- 大学生が企画・取材して記事を書き、編集とデザインをうちがして1万部を制作、各大学の就職課に配布しています。大学が実施するキャリアガイダンスで活用してもらうのが狙いで、当初は年4回発行していましたが、今は春・秋の年2回。今号の企画に携わったのは2008年のサマー・インターンシップに参加した関西の23大学36名の大学生です。
- ――雑誌を作るとなると学生さんも興味ある企業を堂々と訪問できますね。
- まさに狙いはそこにあるんですよ。近頃は個人情報保護法の影響で大学に卒業生の情報が集まらず、大学生がOB・OG訪問できる機会が非常に少なくなっています。ところが当社で雑誌作りに参加すると企業を知る機会がもてるし、他大学の学生さんともネットワークができるし、それらが自然な形で彼らに社会参加の機会を与えるというわけです。
- ――しかし企業に研修を売るという本来の目的からはかなり遠回りになるのではないですか?
- 一見遠回りですが、情報誌の取材や校正を通してこれらの企業と馴染みができ、情報誌ができると必ず手配りするので大学の就職課とも親しくなれます。すると必ず「ところでお宅は何の会社ですか?」と聞かれるので、すかさず研修を売り込むというわけです。大学でもクチコミで他大学を次々に紹介していただき、情報誌に関わりたい学生さんやインターンシップに参加したい学生さんが多く集まってくれました。これらが結果的に本来の目的であった研修事業をしっかり引き寄せてくれた格好です。
- ――就活情報誌から企業のブランド・コミュニティ誌まで発行媒体も多彩ですね。
- 大学生が誌面作りに参加するという今までなかった手法を応用すると、今度は保護者向けの就職読本という新ジャンルができた。また、企業と顧客のみならず、顧客と顧客、顧客と従業員、従業員と従業員といった企業を取り巻く人たちを誌面で繋ぐことでブランド・コミュニティを創造する情報誌発行のノウハウも確立しました。現在、後者ではブライダルハウスや呉服屋さん、NPO法人などと情報誌発行を年間契約で請負っています。
- ――最後に、今後の目標などについて教えてください。
- 情報誌としては横の広がりと縦の広がりを考えています。横は今後は岡山や広島、名古屋へ広げていくことも計画中で、縦のほうは高校生の就活情報誌『わーくわくジュニア』を出すのが目標ですね。売り上げは3期目で初めて70万円ほどの黒字がでる予定で、来期は200〜300万円ほど黒字予定です。小さな会社なので急成長はないと思いますが、自分で研修をやっているかぎり売り上げ規模には限界があるので、規模拡大のためには社長として経営を考えていく必要があり、まさにその時期に来たなと思っているところです。

インターン中の学生さんと。学生さんは企業訪問への同行で挨拶や名刺交換、打合せなどを実際に体験する
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