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アイデアを刺激する 最新科学技術キーワード


スマートグリッド

ITを駆使し、効率的な送配電網を構築する次世代送電網「スマートグリッド」が注目を集めるようになってきた。景気浮揚策の一環と位置づける米国のみならず、停電事故の発生件数が極めて少ない日本でも産業界と政府がタッグを組み、新需要の創出に向けた戦略構想の立案に乗り出している。今後20年間、スマートグリッドに関連したインフラ投資は日米欧合計で約1兆2500億ドル(約112兆5000億円)との試算もあり、巨大市場での主導権を握るべく、メーカー間の開発競争が熱を帯びつつある。

【制御技術カギに】

電力インフラを大きく分けると、火力発電所や原子力発電所などで電気をつくる「発電」と電力を各地域に届ける「送電」、地域内で需要先に電気を振り分ける「配電」の三つに分けられる。従来の送電システムとは別に、スマートグリッドの姿を把握する上で重要なのは、太陽光や風力発電システムをいかに安定的な発電システムとして有効活用するかという点だ。天候に左右されやすく、不安定な発電システムを有効活用するためには、地域内の電力の使用状況を詳細に検知するシステムや、需要動向に応じて電力を柔軟に振り分ける制御技術が不可欠となる。

既存の発電システムを用いながら、太陽光などの新たな発電システムを「配電」部分に組み込もうとするのが、具体的なスマートグリッドとなりそうだ。

【スマートメーター】

沖縄電力と東芝が取り組む宮古島系統実証試験設備(太陽光発電部分)の完成予想図

沖縄電力と東芝が取り組む宮古島系統実証試験設備(太陽光発電部分)の完成予想図

配電部分で重要な役割を担う機器として「スマートメーター」と「蓄電池」「パワーコンディショナー」が挙げられる。
 スマートメーターは工場やビル、家庭に設置した太陽光発電パネルなどの発電状況と、使用される電力の消費量の二種類のデータを検知。ネットワークを通じ常時、監視制御装置にデータを送信する。
 監視制御装置ではスマートメーターから逐次、更新される情報をもとに、電力経路を最適化。同時に、地域内での発電量が消費量を上回った場合には、蓄電池に電力を供給。逆に消費量が発電量を超えた際には、蓄電池から電力を引き出す制御機能も併せ持つ。こうした機器を導入することで、自然エネルギー発電システムの供給安定化が可能になる。高精度な制御に向け電子部品や半導体の需要拡大も見込まれる。

さらに各家庭、ビルに備えつけた太陽光や風力発電システムの周辺には、直流を交流に変換するパワーコンディショナーの導入が必要となる。すでに東芝のほか、シャープや京セラといった太陽光発電パネル関連メーカーが市場投入、変換効率の向上に向けた研究開発競争も続いている。
 長期的には電気抵抗を限りなくゼロにできる超電導技術との融合も期待されている。超電導ケーブルは直流方式で送電するため、太陽光発電システムとの併用が容易。国内では近く超電導線材を送電網に活用する実証実験が始まる見通しで、住友電気工業などが参画する。ただし「送電線としての実用化にはさらなるコスト低減が不可欠」(住友電工)なのが課題。

【実証実験始動】

沖縄電力と東芝は、スマートグリッドの運用に向けた実証実験を沖縄県宮古島で2011年1月に始める。離島の独立した電力系統で、容量3メガワットの太陽光発電システムと、同4メガワットの蓄電池を設置。また住宅での発電を想定し、同1メガワットの太陽光発電システムと同200キロワットの蓄電池を模擬施設内に設ける。監視制御装置が発電状況を検知、制御するとともに、東芝のリチウムイオン二次電池「SCiB」により余剰電力を備蓄する仕組みだ。同社は「実際の運用までは2-3年の試験期間が必要」(竹中章二電力流通・産業システム社統括技師長)とし、安定運用に向けた実証試験を重ねた上で、15年にスマートグリッド関連で約1000億円の売り上げを見込んでいる。
 米ニューメキシコ州でも11年中に、日米によるスマートグリッド共同実証実験が始まる。新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)がニューメキシコ州政府、米国立研究所と組んで実施。日立製作所やパナソニックなど、国内数十社が参画する見込みだ。日本政府は国際的に優位に立つとされる蓄電池技術などの海外展開を後押ししていく方針だ。

展望・この技術

国際標準のカギは通信技術

スマートグリッドの導入、普及には各国の電力関連の法規制の問題や周辺技術の国際標準化などさまざまな課題が横たわる。日本勢が今後、次世代送電網分野の海外展開で最もカギとなりそうなのが通信技術。現在、米国電気電子技術者協会(IEEE)で、スマートグリッドで用いる無線通信方式「SUN(スマートユニティーネットワーク)」の標準化に向けた活動が展開されており、日本からは情報通信研究機構(NICT)などが参画している。  その中でもスマートメーターが家電ごとの消費電力を自動検知するには、無線通信が適用されるとの見方が強い。SUNは日本メーカーが規格化してきた家電機器向け短距離無線方式ZigBee(ジグビー)との親和性が高いとされており、今後の議論の動向に注目が集まりそうだ。


掲載日:2010年5月27日

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