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アイデアを刺激する 最新科学技術キーワード


パーソナルモビリティー

乗り物には役割がある。海を越えた移動には船か飛行機。陸続きなら鉄道や自動車…。最近、これらの乗り物より近い距離、かつ個人用の「パーソナルモビリティー」と呼ばれる小型の移動機器が注目されている。高齢者の移動をサポートするだけでなく、体重を移せばその方向に動いていけることなどから、バイクやクルマとはまったく違った運転の楽しさを味わえるのも人気の秘密。情報通信技術(ICT)と組み合わせて観光地や街中での移動ツールという利用法も考えられ、未来の乗り物としての発展が期待されている。

【1輪、2輪に歩行式】

東京大学やトヨタ自動車などが参加し、情報通信を使い高齢者などに役立つロボット技術を研究する東京大学IRT研究機構。情報通信を有効活用して高齢者の電動車いすの機能を高めたパーソナルモビリティー「PMR」の屋内外向け2機種を開発した。

屋外移動型は2輪でバランスを取りながら移動する。高度な姿勢制御と機構で、片側の車輪が段差に乗ってもシートは水平を保つ。通信機能と組み合わせ、リアルタイムに地図情報や信号とリンクすれば、障害物や人を避けて円滑に走行できる。IRT機構長の下山勲さんは「高齢者は自動車の運転ができなくなると移動手段がなくなる。免許がなくても生活範囲を維持できるパーソナルモビリティーは、将来不可欠なツールになる」と説く。10年後に100万円程度で入手できるようにするのが目標だという。

早大藤江研究室の「トレッドウォーク」。歩く動作を増幅して早く移動できる

早大藤江研究室の「トレッドウォーク」。歩く動作を増幅して早く移動できる

福祉ロボットなどを研究する早稲田大学教授の藤江正克さんの研究室が開発した「トレッドウォーク」は、ルームランナーに乗って歩くと、その力が増幅されて移動する仕組み。ベルト上で一歩分動くと、機構の助けを得て約2倍の距離を移動できる。実際に立って歩行できるのが、ほかにない特徴だ。同研究室で研究助手を務める安藤健さんは「自立した動きを手助けするのがロボットの役目、という考えを反映した」と話す。

車いすの利用者にアンケートすると「本当は車いすを使いたくない」という意見が多数を占めた。歩けない人という印象や立っている人から見下された感じがするという。そのため、立って歩く形にした。実証試験では「大きい」、「危ない」という意見も。小型化や機械の印象が和らぐデザインなどが課題だ。

【「アシモ」の技術応用】

ホンダの一輪車仕様の「U3−X」に乗る同社の伊東孝紳社長

ホンダの一輪車仕様の「U3−X」に乗る同社の伊東孝紳社長

移動する楽しみを与えてくれそうなのは、ホンダが開発した一輪車型の「U3−X」だ。車輪が一つで人が乗ってもバランスを保ち、身体を傾けた方向へ、前後左右や斜めに移動する。二足歩行ロボット「アシモ」のバランス制御を応用した。

重量はわずか10キログラム。開発責任者の本田技術研究所研究員の小橋慎一郎さんによると、安全性などの課題から商品化の予定はないが「買いたい」という声が多いという。

【道交法が課題】

一方、パーソナルモビリティーの"元祖"のセグウェイ。販売するセグウェイジャパン(横浜市中区)は業務用のB to Bに的を絞り、街づくりや観光のツールにセグウェイを活用する戦略を打ち出している。

例えば、市街地の拠点に充電スポットを設置。ICTを使ってセグウェイをレンタルできれば、街の拠点移動にうってつけだ。携帯端末から周辺情報や拠点の情報を受ければさらに利便性が高まる。

また、長崎のハウステンボスや北海道の十勝千年の森で始めた、セグウェイに乗って自然を巡るガイドツアーも人気だ。「ガイド付きで自然を楽しみながら乗る付加価値が認められた」(セグウェイジャパン社長の大塚寛さん)ためかリピーターが多い。こうした地道な活動で理解促進を進め、普及期に備える考えだ。

パーソナルモビリティーは現状、道路交通法などの法的な規制があり、公道では電動車いすと同じ時速6キロメートルが上限。それ以上のスピードを出そうとすると法改正が必要だ。警察庁や国土交通省など関係省庁の理解が不可欠だが、時間がかかりそう。どの研究者も「法改正からが普及期」と静観している。

国交省のある部署は、重要性を強調しつつも無理強いは禁物という姿勢。関係者の合意には「実証実験を繰り返し、5年ぐらいで法改正が必要という風潮を作るのが早道」としている。

展望・この技術

【新たな移動ツールとしての可能性も】

取材にかこつけて、いくつかのパーソナルモビリティー(PMR)を体験してみた。屋外用は、段差に乗り上げても水平バランスを保ってくれるのが頼もしい。最初は動き出しと停止のタイミングが思ったより遅いため、若干の不安を抱く。だが、慣れるのも早く、1回の試乗でもある程度自由に動かせた。見た目だけでなく、乗り心地も自動車や自転車とはまったく違う。健常者の移動ツールとしても十分楽しめるのでは。

ユニークさならホンダのU3−Xが一番か。ひょうたん型の物体がキチンと立つ姿は何とも不思議だ。関係者から「乗るときは力を入れずに」とのアドバイス。実際、簡単に乗れるが、自在に乗りこなすには慣れが必要かも。記者は姿勢が悪いためか、座るといきなりあらぬ方向に動きだした。身体バランス診断ツールに良いかもしれない。


掲載日:2010年1月21日

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