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アイデアを刺激する 最新科学技術キーワード


発毛剤

髪が細くなってきた、抜け毛が目立つなど、髪に関する悩みは加齢とともに深刻さを増すもの。世の中には育毛をうたった製品は数多くあるが、一般用医薬品(大衆薬)で発毛を効能効果にあげているのはミノキシジルを主成分とする大正製薬の「リアップ」シリーズだけ。一方、医療用医薬品では世界初の経口剤(飲み薬)である万有製薬の「プロペシア」が、男性型脱毛症(AGA)治療薬として世界中で販売されている。髪はなぜ抜けるのか、薬による発毛は永遠か―。毛髪のナゾに迫る。

【脱毛あれこれ】

人の毛髪は約10万本あり、1日に約0.35ミリメートル、1カ月に約1センチメートル成長するといわれている。

毛髪の構造は、皮膚から外に出ている毛幹部と皮膚の中にある毛根部に分けられる。毛髪の根元は毛乳頭と呼ばれ、これが肥大しながら毛母細胞を活性化させ、大きな毛球部に成長し発毛が始まる。肥大した毛乳頭は血液が運んでくる酸素や栄養分をエネルギーとして毛母細胞を増殖させ、毛髪の根元の部分を生成する。これを1日約0.35ミリメートル程度押し上げ、頭皮の外に出てくる。

発毛剤

毛髪には一定の寿命があり、成長したあと自然に抜け、再び同じ毛穴から新しい毛髪が生える。この繰り返しをヘアサイクルといい、ヘアサイクルは成長期、退行期、休止期の三つに分かれる。通常、成長期は2−6年間続き、成長期から休止期に移行する退行期は約2週間、休止期は3、4カ月で、このサイクルを繰り返す。

図:ヘアサイクル

図:ヘアサイクル(クリックすると大きな画像が表示されます)

脱毛の原因には年齢や生活習慣、ストレス、遺伝などさまざまな要因あるが、脱毛症は大きく2種類に分けることができる。

一つは毛髪が成長している途中で突然抜ける成長期脱毛で、代表的なものに円形脱毛症がある。これに対し、多くの成長期にある毛髪が休止期に移行して毛髪が抜けるのが休止期脱毛で、これが男性型脱毛症(AGA)や壮年性脱毛症と呼ばれる。

【休止部分に直接作用】

大正製薬が発売した発毛剤「リアップX5」

大正製薬が発売した発毛剤「リアップX5」

ミノキシジルは米国で血管拡張作用から経口の高血圧治療薬として開発された。しかし、治療中の患者に多毛症が認められたことから、医療用の外用毛髪剤として改めて開発された。日本では医療用医薬品としての販売を経ずに、大正製薬が一般用医薬品「リアップ」の製造販売承認を取得。1999年にヘアサイクルの成長期が短くなって起こる壮年性脱毛症治療薬として発売した。

ミノキシジルには二つの効果があり、休止期の毛包に直接作用して、毛包を活性化させ、新しい毛の発毛を促進させるとともに、小さくなった毛包を大きく成長させ、毛髪の成長を促進する。

短くなったヘアサイクルを元に戻すことで発毛を促進させるため、女性でも使用できる。またミノキシジルを5%配合し、2009年6月に発売した「リアップX5」は毛髪数や太さで、ミノキシジル1%配合の「リアップ」以上の効果を確認している。

【原因物質を阻害】

万有製薬が医療用医薬品として販売するAGA治療薬「プロペシア」(一般名フィナステリド)は、初の経口治療薬。

AGAの主な要因はジヒドロテストステロン(DHT)であるということが判明している。DHTは男性ホルモン(テストステロン)から5α−還元酵素によって作られる。DHTは脱毛シグナルを出し、これにより毛母細胞の成長が抑制され、毛髪が長く、太くなる前に抜け、細くて短い毛髪が多くなり、全体的に薄毛が目立つようになる。

「プロペシア」は、テストステロンをDHTに変換する5α−還元酵素II型を阻害する。これによって脱毛シグナルを遮断する。

ミノキシジル、フィナステリドとも、ヘアサイクルを正常に戻し、発毛を促進するため、使用を止めればまたヘアサイクルが短くなり抜け毛が始まる。ヘアサイクルを正常に戻し、発毛を促進するには毛根部が生きていることが大原則。脱毛期間が長くなればなるほど、毛根部内にある毛乳頭細胞などの機能が低下し、発毛機能も低下する。治療開始は早いほど良く、速やかな行動こそ脱毛症治療の第一歩といえる。

展望・この技術

科学的根拠の確立で新展開も

抜け毛が気になり出すと洗髪を控える人がいる。1日活動すると、頭皮は皮脂腺から分泌される皮脂や汗、汚れなどがたまった状態となり、放置すると、遊離脂肪酸や過酸化脂質がつくり出され、頭皮を刺激して抜け毛が促進される。洗髪は毎日して、頭皮と毛髪を清潔に保つことが大切だ。

毛髪に十分な栄養を与えるため、栄養バランスのとれた食事も重要。毛髪の材料であるたんぱく質はもちろん、毛髪の成長を促し、健康に保つ働きのあるミネラルの摂取は欠かせない。特に亜鉛や銅、鉄を多く含む食品を積極的に摂ることが進められている。

両製品とも発売から数年を経てエビデンス(科学的根拠)が確立されたといえ、医療機関による脱毛症治療の扉が大きく開き始めた。脱毛抑制と発毛促進に対する潜在ニーズは非常に高いことから、今後はさらなる発毛技術の展開も期待できそうだ。


掲載日:2009年8月20日

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