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アイデアを刺激する 最新科学技術キーワード


情報大航海プロジェクト

情報検索というと、インターネットを使った「検索サービス」がまず思い浮かぶ。だが我々の身の回りにはネットだけでなく、携帯電話や携帯情報端末(PDA)、電子マネー、さらにはIC乗車券も含め、情報があふれている。こうした生活空間とネット空間の両方で爆発的に増え続ける情報を、新たな解析と検索技術によって効果的に結びつけ、ビジネスにつなげる試みが「情報大航海プロジェクト」。単なる検索サービスの枠を超え、新たなフロンティアに乗り出した“大航海”の行方を追った。

【生活パターン推測】

経済産業省の進める情報大航海プロジェクト。2007年から後押している実証実験の一つに、NTTドコモの「マイ・ライフ・アシストサービス」がある。

これは全地球測位システム(GPS)機能付きの携帯電話やIC乗車券の「パスモ」、自家用車の使用状況を元に生活パターンを推測し、セールやイベントなどの情報を携帯電話に配信するもの。例えば、GPSで位置を正確に把握し、位置情報をつないだ行動情報を元に生活パターンを把握。普段とは違うルートを通った時(寄り道をした時など)に、付近の飲食店や衣料品店などの店舗情報や街のイベント情報を配信する。

情報大航海プロジェクト

また、パスモでも同様に生活パターンを把握し、普段より早い時間に最寄り駅を下車した場合に該当地域の情報を配信する。09年度はこれらと併せ、自家用車の使用状況を元に生活パターンを把握。平日は電車で通勤し週末には車で買い物に出掛けるビジネスマンに対して、運転する少し前や週末予定を決めることの多い曜日に、同様に情報を配信する実証実験の実施が決まっている。

PDAに「エレベータを利用しましたね。帰りは階段を利用しましょう」と表示されるシーン

PDAに「エレベータを利用しましたね。帰りは階段を利用しましょう」と表示されるシーン

九州電力の100%子会社キューデンインフォコム(福岡市中央区)などが手がけるのが、糖尿病など生活習慣病患者の血糖値や体重、血圧などを測定しサーバに送って、データを元に自動解析または医師が対策を指示するサービス。患者には体の上下・左右・前後の動きを把握する3軸加速度センサーを付け、数秒で「ジャンプした」「横になった」「走っている」など約40種類の行動パターンに分析する。血糖測定器や血圧計も使って患者が運動不足だと階段を使うよう指示したり、糖尿病患者の血糖値が高くなった時にインスリンの打ち忘れがないかを通知したりする。

【カナダで実証実験】

日本ではすでに実証実験が行われているほか、カナダのアルバータ州でも先住民族は糖尿病になりやすい体質のために患者が多く、関心が高い。年内には実証実験に入る予定だ。

情報を元に予防措置を講じて広く浅く対策を取り、本格的に治療の必要な患者には病院で集中的に治療するなど、一種の選択と集中により、生活習慣病治療に役立てようとしている。

情報大航海プロジェクトは当初、グーグルなどに対抗する"日の丸検索エンジン"計画として、頻繁にマスコミに取り上げられたが、実際の位置づけはだいぶ違う。

Microsoftの新しい検索エンジン「Bing(ビング)」のトップページ(ベータ版)

Microsoftの新しい検索エンジン「Bing(ビング)」のトップページ(ベータ版)

ちなみに、検索サービス市場はGoogle、Yahoo、Microsoft(MS)の海外3強がしのぎを削る激戦区。Googleの世界シェアは6割で断トツ。これを追うのがMS。一方で、MSは6月に検索エンジンの最新版を米国とカナダで先行投入し、ブランドを「Bing(ビング)」に改めた。ビングの目玉は意思決定に役立つ機能だが、日本を含むその他の地域では現在、ベータ版にとどまっている。

Googleはアプライアンス(用途に特化した製品)を切り口に企業向けの検索サービス市場にも触手を伸ばすが、ライセンスが中心の企業内イントラネット市場ではオラクルやIBMなどの強豪ベンダーが数多く、Googleは新規参入者の一つに過ぎない。検索サービスは情報活用の手段のひとつであり、広告連動型の検索サービスのようにそれだけで爆発的にもうかるものではない。

だがGoogleもMSも検索サービス一辺倒ではなく、日々の収益を再投資しながら、次から次へと新市場をにらんだ技術革新を生み出しているのが強み。

【日本独自の技術付加】

これに対して、オールジャパンの"日の丸検索エンジン"という方向性については、国内の産業界から「どうせやるならGoogleと手を組み、日本独自の技術を付加するくらいの覚悟がなければ、革新的なイノベーションは実現しない」との指摘もある。

世の中に技術を広めていくには、技術そのものに加え、ビジネスモデルがカギを握る。日本ではITが生活のさまざまな場面に応用され、浸透してきている。情報大航海プロジェクトはこうした可能性をさらに押し広げるもの。実証実験が成功すれば、世界に類のない、きめ細かなサービスの実現も夢ではない。

展望・この技術

パーソナル情報の扱い方が焦点に

NTTドコモが進める実証実験のデモを見ての感想は「人間の行動は大体決まっているものなのだなあ」だった。人間の一週間の行動経路はほとんど同じ。だが時々そこから外れることがあり、それがビジネスチャンスにつながる。

もっとも個人の生活情報(パーソナル情報)をどこまで扱えるかについては本格的な議論が始まったばかり。生活パターンなどを元に利用者が強い関心を持つ情報を配信するサービスを実用化するには、まだ法整備が追いついていない。

同社は「パーソナル情報の主権はあくまで利用者にある」(モバイルデザイン推進室第一推進担当部長の佐藤一夫さん)として、利用者が自ら判断して消したり、情報提供を一時停止したりできるような工夫や、時間や空間をぼかす匿名化技術も研究している。


掲載日:2009年7月30日

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