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アイデアを刺激する 最新科学技術キーワード


デジタルシネマ

ジョージ・ルーカス監督が長編映画で初めてデジタル撮影した「スター・ウォーズエピソード2」の公開が7年前。当時は撮影のみデジタルだったが、最近では上映もデジタル化され、映画をネットワーク経由で劇場スクリーンに映すようになってきた。配給会社のTOHOシネマズ(東京都中央区)、角川シネプレックス(同千代田区)は2012年春までに全スクリーンにデジタルシネマ機器を導入する計画だ。アナログの最後のとりで、映画にもデジタルの波が押し寄せている。

【時代の流れ】

「アナログからデジタル、デジタルからネットワークという流れには逆らえない」。

こう説明するのは、映画の配給会社や映画館に対し、デジタルシネマの通信インフラを提供するNTT西日本サービスクリエーション部新ビジネス部門担当課長の山根啓史さんだ。

デジタルシネマ

レコードからCDに、CDからインターネットでダウンロードする形に変わったのと同じ流れが映画産業にも到来しつつある。デジタルシネマの仕組みも音楽や動画と同様。サーバからネットワークを介して各劇場に決められた日時に映画を配信する。

メリットは多い。上映を重ねるにつれ劣化、損傷し、画像が汚くなるフィルムに対し、デジタルでは上映期間の最初から最後まで高画質を維持する。35ミリフィルムは不要となり、各劇場にフィルムを輸送する手間も省ける。使用後のフィルムを廃棄する必要もなく、コスト削減に加え、二酸化炭素(CO2)排出量の大幅削減にもつながる。

【海賊版撲滅にも】

4Kを映写するプロジェクター

4Kを映写するプロジェクター

デジタルシネマの国際規格は、ハリウッドの大手映画スタジオ7社で構成されるデジタル・シネマ・イニシアティブズ(DCI)が策定した。

画質は35ミリフィルムと同等の解像度4K(4096×2160画素)と、同2K(2048×1080画素)に対応。場合によって10テラバイトにもなる画像、音声などのデータをJPEG2000という方式で圧縮し、毎秒300-800メガビットで再生する。配信の際には米商務省標準技術研究所(NIST)が選定した秘密暗号鍵「AES-CBC」を使ってコンテンツを保護する。

不正アクセスや盗難に備え、配信にも細心の注意を払っている。たとえば、暗号化、データ圧縮の処理が終わった配信用のパッケージデータと暗号鍵は配信業者のサーバに預けておく。また、暗号鍵や上映条件といった情報と、パッケージデータは別ルートで配信

劇場側のサーバで両方のデータを合わせるが、その際には上映装置の製造番号IDによる認証が必要となる。パッケージデータと暗号鍵、上映装置の三つがそろって初めて上映が可能となる仕組み。さらに画像には電子すかし技術を組み込み、上映中に盗撮されても、いつ、どの劇場で上映されたものか、といった出所まで突きとめられる念の入れようだ。

【完全地デジ契機に】

NTT西日本の山根さんによれば、デジタルシネマの進展は、「2011年のテレビ地上波の完全デジタル化が契機となる」という。放送のデジタル化でデジタルコンテンツの量は一気に増える。デジタルであればテレビ、パソコン、携帯電話と媒体を気にすることなくコンテンツを使い回せる。「情報=デジタル」となった今、劇場はコンテンツを流すひとつのメディアとなる。

劇場側でも、映画以外のコンテンツを上映することで新たな集客、収入源につなげようと考えている。NTT西日本、TOHOシネマズなどは07年、トライアルで宝塚歌劇を映画館にライブ配信した。同じやり方で劇場あいさつやコンサートを劇場にリアルタイム配信することも可能だ。

中には、デジタル撮影した映画でも劇場側の設備が対応しておらず、35ミリフィルムに戻すという作業も行われている。逆に劇場側だけデジタル化を進めても、流すコンテンツがなくては意味がない。デジタルシネマはメリットの半面、課題も多く、各社が連携してデジタル化を進めることが普及のカギを握る。

展望・この技術

普及遅れるが、可能性の高い日本市場

米DCinemaToday(http://dcinema.com)によれば、4月時点での商業ベースでのデジタルシネマの国別導入数(スクリーン数)は、米国がトップで5243カ所。以下、2位中国(623)、3位英国(298)、4位フランス(192)、5位韓国(180)と続き、日本(100)は9位。

コストとの見合いもあり国内での普及はまさにこれからだが、それでも「スパイゾルゲ」「男たちの大和/YAMATO」のようにフルデジタルの邦画も増えてきている。一方でソニー、NECのようにデジタルシネマ機材を扱うメーカーも多い。次世代情報通信ネットワークのNGNはじめブロードバンドの発達する日本では、実際にはデジタルコンテンツの配信に適した環境にあると言える。


掲載日:2009年5月29日

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