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ロボ・ステーション


新たなロボット像を示す 最新!システムインテグレート
細かな組立作業ができる上体ヒューマノイドを開発、新規性に富むデモを披露【川田工業】

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写真:2011国際ロボット展で公開した、3体のNEXTAGEの協調作業による組立デモ

川田工業
代表取締役社長 川田 忠裕

富山本社:〒939-1593 富山県南砺市苗島4610番地
東京本社:〒114-8562 東京都北区滝野川1丁目3番11号
http://www.kawada.co.jp/
http://nextage.kawada.jp/index.html(上体ヒューマノイド「NEXTAGE」)

産業用ロボットは、その導入により作業者を単純な繰り返し作業から解放し、工程管理やカイゼン活動などに従事できることに期待を寄せられてきた。現在も、こうした期待は変わっておらず、作業者に代わって「早く」「正確に」「力強く」作業を遂行し、価値ある生産財として認められている。しかしながら、「巧緻さ」では作業者に及ばず、複雑かつ微細な組立作業の多くを人手作業にいまだに依存している。より一層価値ある生産財としての進化が、産業用ロボットには求められている。

その解の1つとして、数年前より人と同等サイズの双腕ロボットが提案され、作業者との代替が容易であることが訴求されている。ただし、作業者と同等の巧緻性を望む場合、画像処理システムなどを組み合わせなければならないため、結果的に、導入システムが複雑かつ高度になる。また、あるサブ工程の置き換え(代替)を図ろうとした場合、安全柵を設置しなければならないため、効率的なライン設計を妨げる場合がある。

川田工業は2009年に、こうした課題に対し上体ヒューマノイド「NEXTAGE(ネクステージ)」を提案している(出荷開始は2010年11月)。昨年開催の「2011国際ロボット展(iREX2011)」では、電気デバイスの組立作業が行えるデモ(写真1)を披露するなど、細かな組立作業に対応する産業用ロボットとして注目されつつある。


写真1:2011国際ロボット展で公開した、3体のNEXTAGEの協調作業による組立デモ

写真1:2011国際ロボット展で公開した、3体のNEXTAGEの協調作業による組立デモ


協調動作により細かな作業が可能

NEXTAGEは、サイズが高さ730mm×肩幅576mm×奥行き250mm、重量20kgと、人の上半身と同等サイズの上体ヒューマノイド。片腕6軸、首部2軸、腰部1軸の計15軸を有しており、最大可搬重量は片腕1.5kg、両腕で3.0kg。

頭部にステレオカメラを、両腕にハンドカメラをそれぞれ備えており、作業台などに配置したマーカをもとに、頭部のステレオカメラで自己位置推定および作業環境の3次元認識をし、両腕のハンドカメラでワークを視認しつつ細かな作業が行える。また、把持対象に応じてエンドエフェクタや各種工具を自動交換することもできる。

出力80Wの低出力モータを採用することも特徴にあげられ、これにより産業用ロボットの適用除外(労働安全衛生規則)となるため、リスクアセスメントの実施により作業者と隣り合わせて運用することができる。人の上半身のサイズに画像処理システムなどが一体化されているうえ、効率的なライン設計を可能にする点で、他の産業用ロボットと大きく異なる。

安全性の確保に向けては、背面に設置したレーザレンジファインダー(LRF)により作業者の接近を検知し、NEXTAGEとの相対距離に応じて減速したり停止したりするようにしている。

2011国際ロボットでは、3体のNEXTAGEが協調して、配線の端末処理を含む電気デバイスの組立作業が行える様子を披露した。一例を紹介すると、中央のNEXTAGEが端末処理をした配線を両腕で把持している際に、右側のNEXTAGEがハンドカメラで端子(ターミナル)のカシメ不良を検査したり、同時に、その位置姿勢の情報を伝えて中央のNEXTAGEが端子の位置を補正したりする動きをした(動画1、動画2)。

双腕ロボットによる協調作業ならではの細かな作業といえ、特に組立作業での導入効果が期待されることから、グローリーの入金機や日立製作所のハードディスクドライブ(HDD)での組立作業で運用が始まっている。


動画1:3体のNEXTAGEが協調して、配線の端末処理を含む電気デバイスの組立作業を行っている(前半)

動画2:3体のNEXTAGEが協調して、配線の端末処理を含む電気デバイスの組立作業を行っている(後半)

写真2:日立のストレージ工場でHDDの組立作業を行うNEXTAGE

写真2:日立のストレージ工場でHDDの組立作業を行うNEXTAGE


今後の普及を見越したデモ

NEXTAGEのような双腕ロボットは、他社からも提供されているが、現段階では普及しているとは言い難い。また、披露したデモのように、このようなロボットが複数体で協調作業している導入事例も限られる。これからの発展が望まれる状況であるが、今後の普及を見越し、披露した組立作業には新規性(特許)を伴う動作を込めている。

例えば、上述の作業がそうであるし、また、右側のNEXTAGEが端子をランダム・ビン・ピッキングする際、複数の角度からハンドカメラで捉えてピッキング可能な端子を認識し、さらに、もう一方のカメラで端子の表裏などを再確認してカシメ機に設置する作業もそうである(動画1)。

さらに、これは安全性確保のためのデモだが、組立作業を始める前に、マーカの認識などを終えた後に3台のNEXTAGEが手をあげたり、アイコンタクトをしたりして準備が整ったことを知らせていた動作もあげられる(動画1)。これなら、仮に中央のNEXTAGEが作業者に入れ替わったとしても、作業者と協調しながら安全に運用できる。

双腕ロボットによるシステム構築をする際、これらとは異なるアイデアでの運用が求められることになるだろう。

ただ、これほどの複雑かつ高度な作業ができるがゆえ、教示(ティーチング)作業をはじめシステム構築にかかる負担は大きい。また、作業者との協調作業を前提としたライン設計やタスクの事前検討が求められるため、コンサルテーションも必要になり、双腕ロボットの普及を妨げる大きな要因となっている。

川田工業では、NEXTAGEのソフトウエアのバージョンアップを図っており、連続的なティーチングポイントの指定に加え、速度パラメータの計算方法の改良により、指定ポイントの近傍を通過する滑らかなパスの生成などを可能にしている。利便性が向上しており、今後の展開が期待される。


掲載日:2012年3月27日

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