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ロボ・ステーション


新たなロボット像を示す 最新!システムインテグレート
梱包資材の開封、中身の取り出しができるロボシステム【安川電機】

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写真:梱包資材を開封し、ハンドで把持して原材料を取り出すことができる双腕ロボット。

安川電機
取締役社長 津田純嗣

〒806-0004
北九州市八幡西区黒崎城石2-1
http://www.yaskawa.co.jp/

本連載では、これまで産業用ロボットを活用したシステム構築例を紹介しており、従来、人手作業に依存していた組立工程にもロボットの導入ならびに自動化が進展しつつあることを感じてもらえたと思う。ところが、品質をはじめ製品価値につながらないような工程に目を向けると、まだまだ人手作業に依存している。例えば、段ボールなどの梱包資材の開封および原材料の取り出し、梱包資材の解体などは、その代表である。

安川電機は鹿島建設と共同で、段ボールや紙袋などを開封して中身(原材料)を取り出すロボットシステムを開発した(写真)。双腕ロボットが専用工具を用いて梱包資材を開封し、ハンドで把持して原材料を取り出すことができる。また、取り出した後は専用工具で梱包資材を解体し、畳んだ後に所定の場所に移動することもできる。医薬品や食品工場などの無菌エリアや高活性エリアに提案しており、すでにニプロファーマの伊勢工場(三重県伊勢市)が運用を始めている。


写真:梱包資材を開封し、ハンドで把持して原材料を取り出すことができる双腕ロボット。段ボール(写真左)や紙袋(写真右)など異なる形状の対象物にも対応することができる

位置制御のみで梱包から解体まで行う

開発したシステムは、食品工場や医薬品工場などで製造室に原材料や資材を持ち込む前に行う「開梱作業」での利用を想定している。開梱とは、段ボールや紙袋などの梱包資材を剥離する作業を指す。

システムは、おもに片腕20kg可搬タイプの7軸構成の双腕ロボット「MOTOMAN-SDA20D」と、原材料の供給や搬送、梱包の回収を行う複数のコンベヤから構成。アーム先端にはチャック・グリッパー式のハンドを備えており、カッターナイフを搭載した専用工具を把持して開梱作業を行う。梱包資材の位置決めからカッターナイフによる梱包資材の切断・開梱、原材料の取り出し、梱包資材を解体・回収まで一連の作業が行える(図)。  解体・回収作業では、例えば段ボールでは箱をひっくり返し、カッターナイフで切断、畳んで解体するという高度な作業を行っているが、1種類のハンドと専用工具のみで対応している。

図:開発したシステムのイメージ。双腕ロボットが梱包資材の開封から解体までを行う

図:開発したシステムのイメージ。双腕ロボットが梱包資材の開封から解体までを行う

ロボットの動作は、梱包資材の種別ごとにティーチング(教示)しており、上位システムで種別を判定し、専用テーブルで位置決めをした後に、それに応じた動作を実行している。梱包資材の形状データを事前に登録しておけば、段ボール(上の写真左)や紙袋(同右)など異なる形状の梱包資材にも対応することが可能。また、段ボールには微妙な潰れなどが存在することから、距離センサでその度合いを検出し、切断時のカッターナイフの軌道を補正している。

段ボールのような梱包資材は、たとえ中味となる原材料が入った状態でも、双腕ロボットが両側から把持すれば形状を維持するのが難しい。落下してしまうことが懸念される。的確に把持したいのであればハンド部に力覚センサを搭載し、力覚フィードバックして力制御する方がよいと思われる。しかしながら力センサは破損しやすく、システムとしてのロバスト性および安定性を考慮して位置制御のみで一連の作業を行うようにした。位置制御のみでこれほどの高度なタスクをこなしているのは、なかなかお目にかかることはできず、システムとして相当なつくり込みをしたことが伺い知れる。

なお、梱包資材など対象物の位置の認識や、ロボットの動作の完了を確認するための各種センサを設置しており、これらにより作業ミスを検出し、作業をリトライできるようにしているという。

力覚センサの内蔵で様々な梱包資材に対応

安川電機は、昨年開催の「2011国際ロボット展(iREX2011)」で、力覚センサを内蔵した双腕ロボットにより段ボール箱の製函および封函が行える様子を披露した(動画)。上腕軸に内蔵しており、製函および封函時の反力を計測しながら専用工具を用いて作業を行う。専用工具は折り畳んだり把持したりするための治工具や吸着パッド、粘着テープなどが一体となっており、工程に合わせて手先の位置姿勢を変更する。

動画:2011国際ロボット展で披露した段ボール箱の製函・封函作業

前節で紹介した作業内容とほぼ同じであり、本来は、力覚センサを内蔵しなくても位置制御のみで対応することができる。物流工程を中心に広く提案することを予定しており、わかりやすい例として、梱包資材の開梱から解体・回収までの一連の作業を、人と同等の時間で行えることを示すために披露した。開発したシステムはコンパクトかつ独立しているため既存施設への導入が容易としており、また、力覚センサの内蔵により様々な梱包資材に対応できるため、多くの現場で利用されると見込まれる。

安川電機は、より人に近い分野で人と共存できるロボットを目指す「ロボティクスヒューマンアシスト」を提案しており、製造現場ではロボットによる作業代行および支援により労働環境の改善や生産性向上を目指している。先に紹介したシステムはその一環であり、2009年から鹿島建設と共同開発を進めてきた。


掲載日:2012年2月28日

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