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ロボ・ステーション


新たなロボット像を示す 最新!システムインテグレート
ランダム・ビン・ピッキングを可能にしたロボットシステム【三菱電機】

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ランダム・ビン・ピッキングを可能にしたロボットシステム

三菱電機
執行役社長 山西健一郎

〒100-8310
東京都千代田区丸の内2-7-3
http://wwwf2.mitsubishielectric.co.jp/melfansweb/
robot/index.html
(FA機器 MELFANSweb)

ロボットの研究開発おいて、乱雑に積まれた部品箱からワークを掴み取る「ランダム・ビン・ピッキング」は古典的な難題として知られている。ところが、ピッキング時にハンドが他のワーク(対象物)に衝突して把持できなかったり、仮に把持できたとしてもワークの表裏を反転できず、安定した位置姿勢にできなかったりするなど、まだまだ課題は多い。現状では単純形状のワークや、内掴みや吸着パッドなどで把持できるワークに限定されている。複雑形状で、かつ外から把持するワークには対応できていない。

三菱電機は、複数ロボットの連携・協調により、このようなワークのランダム・ビン・ピッキングならびにパレット上への整列ができるシステムを開発した(写真1)。1台目のロボットがバラ積みされた1つのワークをいったん平面上に取り出し、2台目以降のロボットが部品形状および姿勢を認識して把持し、部品の位置姿勢を調整(写真2)したうえでパレット上に並べることができる。ロボットセル(ロボットによるセル生産)の部品供給に適用すれば専用治具やパーツフィーダが不要となり、変種変量生産に対応することができる。

写真1:ランダム・ビン・ピッキングを可能にしたロボットシステム 写真2:複数ロボットによるワークの持ち替え作業を連鎖させることで、次のロボットがハンドリングしやすい位置姿勢に変更する。

(左)写真1:ランダム・ビン・ピッキングを可能にしたロボットシステム (右)写真2:複数ロボットによるワークの持ち替え作業を連鎖させることで、次のロボットがハンドリングしやすい位置姿勢に変更する。

ワークを仮置きするのがポイント

開発したシステムは、天吊りにした4台の6軸垂直多関節ロボットから構成され、1台目のロボットは3次元距離センサをハンドカメラとして備える。天井には2次元カメラを設置しており、平面上に取り出したワークの位置姿勢を認識する。

作業の流れは、まず1台目のロボットが部品箱から1つのワークを取り出し、平面上にいったん仮置きする。次に、仮置きしたワークの位置姿勢を2次元カメラで認識して2台目のロボットが把持。そして、3台目のロボットに手渡してハンドリングしやすい位置姿勢に変更した後、4台目のロボットがパレット上に配列する。ワークが単純形状の場合は、2台目のロボットがパレット上に並べる。

図3:ランダム・ビン・ピッキングからパレット上に配列するまでの流れ

図3:ランダム・ビン・ピッキングからパレット上に配列するまでの流れ

3次元距離センサでは、バラ積みされたワークの距離画像を取得し、ある高さ(Z軸方向)でセグメンテーションを行う。抽出したセグメントからハンドが挿入可能な隙間を探し出し、1台目のロボットが把持する位置を決定する。2次元カメラでは、事前に登録した部品情報をもとにワークをシルエットで認識し、位置姿勢を確認して2台目のロボットが把持する。

ランダム・ビン・ピッキングを可能にしたポイントは、ワークをいったん平面上に仮置きすることにある。
 複雑形状のワークでも、いったん仮置きすることで、いくつか存在する安定した姿勢で静止することができる。また、仮置きした場所の高さ方向は既知であるため、より高精度なワークの位置姿勢の推定につながる。この状態で2次元センサで計測すれば、安定した姿勢のうちのいずれかの状態であるかを認識することができ、さらに、複数ロボットで持ち替えることでハンドリングしやすい位置姿勢にできる。このような何でもないような作業によりランダム・ビン・ピッキングの課題を克服したのである。また同時に、ワークの位置姿勢の認識にかかる計算量の圧縮にもつながっている(図4)。

図4:ランダム・ビン・ピッキングの実現に向け克服したおもな課題

図4:ランダム・ビン・ピッキングの実現に向け克服したおもな課題

部品点数が10点以上なら低コストに

開発したシステムは4台のロボットに加え、3次元距離センサなど複数の視覚センサを利用するため、導入コストがかかると思われがちである。確かに1,000万円以上を要するため低コストとは言い難い。しかし、把持対象を変更(品種変更)したい場合は、動作ソフトの書き換えのみで対応することができ、ワークに合わせて専用治具やパーツフィーダを用意しなくて済み、また、専用治具の再設計や製作にかかる手間も不要になる。部位点数が10点以上になれば、部品点数に比例して設置台数が増えるパーツフィーダを利用するよりも低コストで済み、ゆえに、ほとんどの部品供給作業において同システムの運用は有利になるといえる。

三菱電機では、すでに自動復帰機能など知能化技術を実装したロボットセルならびに柔軟物を扱えるロボットセルを開発している。同システムを組み合わせることで多品種かつ変種・変量生産に対応可能なロボットセルを実現することができる。2012年度には、これらのシステムを構成する垂直多関節ロボットや視覚センサ、制御のためのソフトウエア・コンポーネント(部品)の外販を予定しており、任意に組み合わせることで、自社の生産要件に対応したロボットセルが構築できる。


掲載日:2011年11月 1日

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