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ロボ・ステーション


新たなロボット像を示す 最新!システムインテグレート
タッチパネルで操作する手術支援システム【スキューズ】

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タッチパネルを操作するだけでロボットを制御できる遠隔操作システム

スキューズ(株)
代表取締役社長 清水 三希夫

〒604-8381
京都市中京区西ノ京職司町67-21
http://www.squse.co.jp/

ここ数年、手術支援を目的にロボット技術が活用される例が増えている。ただし、米Intuitive Surgical,Inc(IS社)「da vinch(ダヴィンチ)」のような大規模システムが提案されがちで、その取り扱いに相当なトレーニングが要求されそうなものが目立つ。

スキューズと京都府立医科大学は各種手術支援を目的に、タッチパネル画面を操作するだけでロボットアームを制御できる遠隔操作システム(写真1)を開発した。タッチパネルを見て処置したい個所を画面上で指示する(なぞる)だけで、ロボットアームが手術器具の先端部を目標位置に動かす(追随させる)ことができる(写真2)。経験が浅い若手の医師でも内視鏡手術を適切かつ安全に行える。内視鏡手術支援システムとして実用化を目指すほか、開発した操作系を応用して遠隔手術などにも展開する。

写真1:タッチパネルを操作するだけでロボットを制御できる遠隔操作システム 写真2:タッチパネル上で手術危惧(凝固装置)が操作できる

写真1:タッチパネルを操作するだけでロボットを制御できる遠隔操作システム
写真2:タッチパネル上で手術危惧(凝固装置)が操作できる

ビジュアルサーボを応用

内視鏡手術は、内視鏡の映像をモニター画面で見ながら手術器具を操作して行う。モニター画面と手元との距離感がつかみにくく、周辺臓器との位置関係を把握しづらいことから、通常の開腹手術に比べて術者にかかる負担は大きい。また、適切かつ安全に手術を行うためには高度な技能と経験が要求される。その支援を目的に、まずは止血処理に向けて開発した。

システムは、おもに内視鏡(CCDカメラ)と4軸構成のロボットアーム、先端にレーザポインタ付きの手術器具(アルゴンプラズマ凝固装置)、モニターとなるタッチパネル、ロボット制御および画像処理PCから構成。手術器具の先端部には3点のマーカを直線上に付加している(写真3)。

制御にはビジュアルサーボを利用しており、画像中の特徴点となるレーザスポット光をタッチパネル画面上で指示した目標点に一致させるように制御している。つまり、特徴点の動きから非線形行列(イメージヤコビアン)によりロボットの制御量を算出し、位置決めを行っている。同時に、既知である3点のマーカの位置情報から手術器具の先端部と目標点との空間上の距離を推定して、適切な距離まで手術器具を挿入させている。これらによりロボットアームが手術器具の先端部を目標位置に3次元で、かつ安全に位置決めすることを可能にしている。

写真3:手術危惧の先端部に3点のマーカが直線上に付加されている

写真3:手術危惧の先端部に3点のマーカが直線上に付加されている

一般に、ビジュアルサーボは外乱やキャリブレーション(校正)エラーに強いという特徴があり、状況が変化しやすい手術環境での利用に適している。加えて、カメラのパラメータに依存しないイメージヤコビアンの導出方法を開発、実装しており、カメラの配置を変更しても手術器具の先端部を目標位置に追随できる特徴も備える。
 すでに開発したシステムを用いて、豚を使った止血手術を適切かつ安全に行えることを実証している。

産業用ロボの教示に応用も

開発したシステムは、ロボット制御部と画像処理部とを分けて構成しており、これらの接続をインターネント回線にすれば遠隔地からも操作することができる。内視鏡手術支援システムのほか、遠隔手術や災害救助など遠隔操作が要求される用途への展開も目指す。

また、タッチパネルによる操作システムについては、産業用ロボットの教示(ティーチング)システムにも応用する。産業用ロボットの教示作業は、現場ではティーチングペンダントを用いて行っているが(工程設計ではシミュレータによりオフラインティーチングで行う)、その利用が食品・医薬品・化粧品(いわゆる「3品」)に拡大する中、先進ユーザーである自動車分野と異なり、その操作に不慣れなオペレータが増えつつある。
 こうした現場に向け、ティーチングペンダントを併用しつつ、より簡易に操作指示が行える教示システムとして提案する。さらに、適切に触覚提示が行えるタッチパネルが実用化された際は、力覚をフィードバックできるシステムに進化させることも構想している。

なお、紹介したシステムは情報通信研究機構(NICT)による「先進技術型研究開発助成制度(テレコム・インキュベーション)」を活用して開発した。京都府立医科大学のほか大阪大学、同志社大学と共同開発した。


掲載日:2011年10月18日

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