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ロボ・ステーション


新産業の創造に挑む!ロボット特区大集合
「1つのコンテンツとしてロボットならではの楽しみ方を発信したい」〜ロボット競技会や各種イベントの企画・運営、オリジナルコンテンツを手がける〜【エルエルパレス】

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エルエルパレス 岩気裕司さん

エルエルパレス
ホビーロボット事業部責任者 岩気 裕司

〒556-0003
大阪市浪速区恵美須西2-12-4
http://www.robot-force.jp/

ここ数年、ロボット関連の競技会が目白押しとなっている中、エルエルパレスが運営するロボットバトル「ロボゴング」「ロボファイト」(11月2日、3日に「ロボファイト8」開催予定)は着実にファン層を増やし、その知名度を上げている。
 同社はもともと、1995年の設立以来、同人誌やゲームソフトの通信販売を行っていたが、今年度より物販部門を整理し、ホビーロボット事業部「ロボットフォース」での取り組みを事業の中核に据えている。ホビーロボットの競技会や各種イベントの開催、オリジナルロボットの製作やコンテンツの制作など多岐に渡るが、ホビーロボットをアニメやマンガに続く“新たなコンテンツ”として捉えて臨んでいるところがユニークである。

「僕らはロボットの製作や販売ではなく、ロボットを楽しむための場所と情報を提供しています。ロボットならではの楽しみ方を、そのまま新しいコンテンツとして捉えているんです。かつて、一部マニアの間で楽しまれていたパソコンが広く一般に広がったように、遊び方や使い方といったソフトの提案により、総合的なホビーへと発展させることができると思っているんです」
 同社代表取締役の岩気裕司さんは、そう熱っぽく語る。

エルエルパレスが制作している「ROBOT BATTLE GUIDE」。ルールや技、歴史などを丁寧にまとめている。参加ロボットすべてを掲載するようにしており、そのレイアウトにも最も苦労させられるという。

エルエルパレスが制作している「ROBOT BATTLE GUIDE」。ルールや技、歴史などを丁寧にまとめている。参加ロボットすべてを掲載するようにしており、そのレイアウトにも最も苦労させられるという。


2005年の「愛・地球博」の開催を機にロボットブームが訪れ、また、ロボット格闘競技のテレビ放映、低価格なホビーロボットの登場や専門誌の創刊などにより、ホビーロボットの社会的認知度が上がった。ユーザー層は急増したが、商品の成熟度の問題やメーカーのサポート体制の不備などもあり、マニア層を強化しただけに終わった。このような問題意識に加え、単に人と同じような動作をするだけでは「インパクトは弱いのでは?」という思いが、上述の取り組みを始めるきっかけにもなっている。

コンテンツという視点からロボット事業に参入

岩気さんがホビーロボットに触れ、ロボットビジネスに関わるきっかけとなったのは、「ロボカップジャパンオープン2004大阪大会」である。小学校3年のときに大阪万博にて先端技術に触れ、ロボットやロケットに強い憧れを抱いたが、そこでロボットが手に届く存在であることを知った。また、当時の強い思いが去来し、アニメファンだった岩気さんの心を掴んだ。
さっそく市販のロボットキットを購入して、その製作や改造に取り組んだが、それにとどまらず、ゲームソフトや書籍の販売の延長として、自主製作DVD「ロボファイトOO(ダブルオー)」を2004年12月に販売する。ロボットバトルに実況音声を加えた約23分のビデオ映像で、同社のロボット事業として最初の取り組みとなった。

こうして、ロボットとの関わりを持った岩気さんだったが、単なる映像ではなく「やはり、ライブで見せる方がリアルで迫力があると感じていた」という。また、DVDを販売するためにはロボットバトルそのものの知名度が求められるのは当然であり、イベントを企画する。それが冒頭で紹介したロボゴングとロボファイトの開催につながる。
 前者は2005年4月に、後者は同年5月にスタートし、以来、毎年2回ずつ開催している。これらのロボットバトルでは資格審査や予選演技はなく、初心者でも気軽に参加できるのが大きな特徴である。参加者は着実に増えており、2007年11月開催の「ロボファイト6」には103名が、2008年5月開催の「同7」には93名が参加し、同時期に開催された「ROBO-ONE」と同等の参加数になっている。

またイベントと併行して取り組むコンテンツ制作は、自主制作から請負へと軸足を移しつつある。2足歩行ロボットが出演する「ロボ男」の制作協力や、フジテレビの「ごきげんよう」のキャラクターである「COROZO(コロゾー)」の製作がその一例である。イベント事業に加え、メディアと絡めた取り組みにより事業の安定化を図っている。
 「イベントの開催に合わせてイベント栄えするロボットを製作し、良いタイミングでのメディアへの露出を考えています。ROBO-ONEの一選手として出場しており、製作も精力的に行っているので、おもしろそうなロボットがあればつくって見せていきたいです」と話す。

ヒューマノイドから車両タイプへと変形することができるトランスフォーマーロボット「ケルビム」。ボールを投げ返すこともできる。また、岩気さんはケルビムで各種ロボット競技にも参加している。 ヒューマノイドから車両タイプへと変形することができるトランスフォーマーロボット「ケルビム」。ボールを投げ返すこともできる。また、岩気さんはケルビムで各種ロボット競技にも参加している。
ヒューマノイドから車両タイプへと変形することができるトランスフォーマーロボット「ケルビム」。ボールを投げ返すこともできる。また、岩気さんはケルビムで各種ロボット競技にも参加している。 ヒューマノイドから車両タイプへと変形することができるトランスフォーマーロボット「ケルビム」。ボールを投げ返すこともできる。また、岩気さんはケルビムで各種ロボット競技にも参加している。

ヒューマノイドから車両タイプへと変形することができるトランスフォーマーロボット「ケルビム」。ボールを投げ返すこともできる。また、岩気さんはケルビムで各種ロボット競技にも参加している。

イベントで培った経験とノウハウ

同社では、上述のロボット競技会の企画・運営に加え、出張イベントもこなしている。もともと「本格的な事業としては考えていなかった」ようだが、開催を重ねていくうちに、岩気さんなりの見せ方を体得してきたという。
 例えば、キャラクターロボットのサイズをとってみても、子供が恐怖心を抱かない80cm程度のサイズにとどめている。頭部のサイズが大きいと、そればかりに注意がいき、身長が120cm程度ある子供でも同サイズにみえてしまうからだという。ほかにも、イベントではロボットと握手したり触れたりするため、腕を高く上げてケガをさせない構造にすることで、安全面にも配慮している。
 これらは現場で得たノウハウであるが、「ロボットは楽しいもの!」「すごいもの!」といった好印象を与えるために、子供たちの反応を見ながらロボットの見せ方を日々改良しているという。

このように見せ方にこだわるのには、岩気さんなりの問題意識があるからでもある。
 イベントに参加する子供たちの多くは、中学生ぐらいまではロボット関連の工作教室などに真剣に取り組むものの、高校生になると途端に飽きてしまうきらいがある。その原因の1つに「子供の頃に体験する、最初の印象に問題があるのでは」と考えているという。つまり、多くのロボット関連イベントは技術を中心とした見せ方であるが、一般の方のロボットのイメージはもっと進んでおり、「必ずしも感動を与えていないのでは?」ということである。ゆえに、「小さな頃からロボットに触れる機会を設け、『ロボットに関わりたい!』という雰囲気づくりに努めているんです」と、岩気さんは話す。
 実際、同社は技術開発をしているわけではないが、「提示するロボットの動作や仕草に、またイベントの楽しい雰囲気に惹かれる人が多い」という。ツッコミが得意な「プッシュくん」や子供と同サイズの「ファイブ」などは、見ていて非常に楽しいし、技術だけでは見せられないような鮮烈な印象を受ける。

ゴミ箱をベースに製作した「プッシュくん」。ツッコミを得意とするロボットで、「バカロボ2007」では優勝を争った。 ゴミ箱をベースに製作した「プッシュくん」。ツッコミを得意とするロボットで、「バカロボ2007」では優勝を争った。

ゴミ箱をベースに製作した「プッシュくん」。ツッコミを得意とするロボットで、「バカロボ2007」では優勝を争った。


キッズサイズの大型ロボット「ファイブ」。9月6日に開催されたROBO-ONEの「お手伝いロボットプロジェクト決勝」では、「ロボットファッションショー」と「お買いもの競走」をテーマに競い合い、準優勝に輝いた。各種イベントを通じて観客と接しており、そこで得たノウハウが生かされたようだ。

キッズサイズの大型ロボット「ファイブ」。9月6日に開催されたROBO-ONEの「お手伝いロボットプロジェクト決勝」では、「ロボットファッションショー」と「お買いもの競走」をテーマに競い合い、準優勝に輝いた。各種イベントを通じて観客と接しており、そこで得たノウハウが生かされたようだ。


また、このような飽きてしまう問題は大人にも共通しているようで、これについては「がんばれパパロボットプロジェクト」という新企画でフォローすることを考えている。
 ROBO-ONEをはじめ各種ロボット競技大会でトップクラスに入るようなロボットビルダーは明確な目標があり、ロボット製作に熱心であるのに対し、それ以外の人たちはモチベーションを維持し続けるのが難しい。こうした人たちの活躍の場を設けようという企画であり、競技会への参加などを通じて知り合った人たちとともに進めていこうとしている。
 このような大人向けで、かつエンターテイメント性を兼ね備えた企画は過去にはなく、どのようなイベントへと発展しているのか、今から非常に楽しみである。

ロボットは個性を拡張するツール

このように、同社ではロボットを新たなコンテンツの1つと捉え、他社にはないスタンスでロボット事業に関わっている。その根源となる「ロボット観」が気になるところであるが、岩気さんは自身の考えを、次のように説明する。

「個人がロボットを所有する意味を考えると、個性をアピールするツールではないかと思うんです。パソコンを手にしたとき文章を書くのが苦手だった人がストレスを感じることなく長文を書けるようになったり、グラフィック系のアプリケーションを用いて、さまざまなデザインを表現できるようになったりしたように・・・。
 2足歩行ロボットは、限定的ですけど人の真似ごとができます。小説やマンガを書くように、自分で考えたキャラクターを投影することができます。また、自分の理想や果たせなかった夢をかたちにできる、そんなおもしろさを持っていると思うんです」
 だから、「ロボットはマンガやアニメに続く日本初のコンテンツとなり得るのでは!?」と続ける。  このような話しを聞くと、岩気さんがイベントだけではなくコンテンツの制作に意欲を示すのは、そうした見方によるものであると、改めて気付かされる。また、「ロボ男」に出演するロボットは、もしかしたら岩気さん自身なのでは? と、つい考えてしまう。

さまざまな取り組みを展開している同社であるが、今後の目標については、「イベントに参加してくれる方をはじめとするコミュニティを維持すること」だという。「そこからチームを育て、目的に合わせたイベントを実施してみたい」と話す。例えば、マジマシーンというロボット劇団のグループと、ロボファイトに参加する高い技術を持つグループ、がんばれパパロボットプロジェクトに参加するグループである。「周囲の状況を見ながら、いろいろな方向性で取りみたい」と意欲を示す。

最後に、岩気さんは自身が手がけるイベントへのこだわりについて、次のように話してくれた。  「イベントでは大型モニターで見るのではなく、ライブ感を味わって欲しいです。だから、イベント終了後には、子供たちがロボットに触れ合う時間を設けています。ロボットのモータ音を聞くだけではなく、人と同じように、ロボットも動作すると熱くなることも感じてもらうようにしています。そんな五感を刺激する、リアルな見せ方を大切にしていますし、鮮烈な印象を残してあげられると思います。
 それが結果として、子供たちを飽きさせず、モノをつくりたい!ロボットをつくりたい!という人材の輩出につながると思っているので!」


掲載日:2008年12月 2日

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