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ロボ・ステーション


新産業の創造に挑む!ロボット特区大集合
「ロボットを見て、夢を持って元気になってくれればハッピーです」〜 ガンダムを夢見て、ひたむきにロボット開発に挑む 〜【はじめ研究所】

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はじめ研究所 坂本 元さん

はじめ研究所
所長 坂本 元

〒555-0043
大阪市西淀川区大野1-7-28
http://www.hajimerobot.co.jp

「僕の究極の目標は、やっぱりガンダム(サイズのロボット)をつくることですね〜」
 そう笑顔で話しつつも、真剣な眼差しで語るのは、はじめ研究所の坂本元社長である。学生のときに見たテレビアニメ「機動戦士ガンダム」に憧れて、それを目指した研究開発を自身の職にしている。

坂本さんは年齢的には、いわゆる「ガンダム世代(*1)」と呼ばれる世代のど真ん中になる。が、そのままロボット開発に従事している人は非常に珍しいし、また、半端ではない情熱を抱いていることに驚かされる。
 また、そう語るに値するスキルを備えている点が素晴らしい。今年5月に開催された「ロボカップジャパンオープ2008沼津大会(*2)」のヒューマノイドリーグKid sizeサイズ部門(3on3)で、坂本さんのHAJIME ROBOTを使用したチームが準優勝を収めた。また、Teen size部門のドリブル&キック競技では同点優勝を果たした。
 そのチームは7月14日から開催の「ロボカップ世界大会(中国の蘇州)」に出場し、Kid size部門の3on3およびテクニカルチャレンジ競技で3位に、またTeen sizeのテクニカルチャレンジ競技で3位に輝いた。HAJIME ROBOTの技術力の高さを世界に示した。

ヒューマノイドリーグKid sizeサイズ部門(3on3)で、「HAJIME ROBOT30」を利用して出場したCIT Brains(赤のゼッケン)。決勝では延長線のすえに強豪のTeamOSAKAに破れたが、堂々の準優勝に輝いた。 TeenSizeのPK戦決勝戦。右のキーパーが「HAJIME ROBOT31」を利用して出場したCIT Brains(右)。左のキッカーはTeamOSAKA。

(左)ヒューマノイドリーグKid sizeサイズ部門(3on3)で、「HAJIME ROBOT30」を利用して出場したCIT Brains(赤のゼッケン)。決勝では延長線のすえに強豪のTeamOSAKAに破れたが、堂々の準優勝に輝いた。(右)TeenSizeのPK戦決勝戦。右のキーパーが「HAJIME ROBOT31」を利用して出場したCIT Brains(右)。左のキッカーはTeamOSAKA。

*1:明確な定義はなされていないが、小中学生の頃に「ファーストガンダム」(1979年放送)を視聴した30代後半〜40代前半の人たちを指す言葉として用いられることが多い。

*2:ヒューマノイドリーグは、2002年の世界大会より正式種目となった自律型2足歩行ロボットのリーグ。ドリブルやパスなどのテクニカルチャレンジ、PKや2対2、3対3の複数ロボットによる試合形式の競技が行われる。身長30〜60cmのKid sizeと、100〜160cmのTeen sizeがあり、「HAJIME ROBOT」を使って出場した、千葉工大を中心とするチーム「CIT Brains」はKid sizeの3on3競技で準優勝を、Teen sizeのドリブル&キックで同点優勝を果たした。

個人でもロボットがつくれる時代が来た

冒頭で紹介したように、坂本さんはガンダムをつくることに憧れ、その実現に向けて邁進している。といっても、単なるアニメ好きではなく、むしろ大きくなるにつれて「アニメへの興味が薄れ、見なくなっていたくらい」だったという。そんな冷めていたときに"リアルロボット"の象徴とされるガンダムに出会い、以来、強い憧れを抱くようになる。その後、大学では電気・電子工学科へと進学するが、いずれはガンダムをつくるための布石として、である。

大学卒業後は川崎重工業に入社し、明石の技術研究部門に所属する。ガスタービンや圧延機の制御、鉄道車両の姿勢制御、LNG船のボイラー制御などに従事した。「もともと大きなものが好きで入社しましたから・・・・」とのことで、ロボットの研究ではなかったが、満足のいく仕事ができたようだ。

その後、約11年間所属した川重を退社し、約2年間のベンチャー企業でのアルバイトやボランティア活動、中小企業診断士の資格を取得した後、2002年にはじめ研究所を設立する。約2年間、やや脇道に逸れたが、むしろ「ロボット開発が自分に向いており、その思いをより一層強くした期間だったかもしれない」という。
 また、その頃から始まった2足歩行ロボットによる格闘技「ROBO-ONE」の開催が、その思いを後押しすることになる。
 「ROBO-ONEを見て、個人で2足歩行ロボットがつくれることを知るとともに、自分にとって夢のような時代が来たことを悟りました。そして、そのまま仕事にできるのではないかと思ったのです」
 坂本さんは、そう振り返るとともに、以来、2足歩行ロボットの開発にのめり込むことになったことを明かす。

現在は、おもに自身が開発した「HAJIME ROBOT」をベースにカスタマイズを請け負い、納品するというビジネスを展開している。おもにロボカップや研究用途に向けて展開している。
 HAJIME ROBOTは2002年にHAJIME ROBOT1が誕生して以来、バージョンアップを繰り返すことでHAJIME ROBOT31までを完成させている。バランスの良さと高い運動能力、高速歩行に定評があり、「HAJIME ROBOT15」と「同18」は、ロボカップにて「日本ロボット学会賞」をそれぞれ受賞している。
また、坂本さん自身は産業技術短期大学で非常勤講師を務めたりロボットをテーマにした講義やイベントでの講演をこなしたりするなど、開発以外にも活躍の場を広げている。

はじめ研究のオフィスに展示されている「HAJIME ROBOT28」。駆動部にはハーモニックドライブ付きブラシレスDCモータを利用している。

はじめ研究のオフィスに展示されている「HAJIME ROBOT28」。駆動部にはハーモニックドライブ付きブラシレスDCモータを利用している。

ガンダムの完成は2014年頃になる!?

冒頭で紹介した、今年のロボカップに出場したのは、最新モデルとなる「HAJIME ROBOT30」および「同31」である。前者はKid size部門に向けて開発したもので、身長50cm。後者はTeen sizeに向けたもので、身長は1mになる。
 現在は、これらをベースにバージョンアップを図り、ロボカップへの出場を目指す研究室などに向けての提供を目指している。中国で開催された世界大会では、参加した25チーム中3チームがはじめロボットを採用するに至っている。ただ、「決して、市場が広いとは言い難いので、本当はロボカップや研究用途以外にも、販路を求めないといけないんですけど・・・」と、坂本さんは苦笑する。

そうは言いつつも、「ガンダムに向けた開発は別です!」とのことで、それに向けた開発は着々と進めている。
 今年は、手始めにTeen sizeの約2倍となる身長約2mのサイズのロボットの開発を進めている。かつて、ホンダが発表した「P1」は191.5cmだったので、もしかしたら最大の2足歩行ロボットになるかもしれないと期待される。すでに脚や腕などを構成する部材の製作をほぼ終えており、モータを搭載して動作検証を行う段階に来ている。「うまく動作してくれれば、さほど完成までには時間はかからないでしょう」と、自信を覗かせる。

今後のプランは、2年ごとに2倍のサイズにすることで進めていくことを予定している。2010年には身長4mのサイズを、2012年に同8mのサイズを、そして、2014年には同16mではなく、ガンダムと同サイズとなる同18mという具合に進めるという。
大型化すればするほど、その開発は困難を極めることが予想される。これまでにも、設計段階よりも重量大きくなってうまく動作しなかったり、想定したほどのモータ出力が得られなかったりするなど、大型化に伴う開発の難しさを味わってきた。それでも、「サイズと2足歩行を優先に開発し、最低でも、これらだけはクリアしたいです」と、前向きに話す。

また、もう1つ気になるのは坂本さんの事務所のスペースで、お世辞にも広いとは言えないし、天井もあまり高くない。開発している身長2mのサイズのものでも、アセンブリをすれば天井にぶつかることが容易に想像される。「事務所ではユニット単位で製作し、アセンブリは別の場所でしようかと思っています。大きくなれば、その時々で考えますよ」(笑)と、あくまで前向きに話してくれた。

2010年には身長4mのサイズを、2012年に同8mのサイズを、2014年には同16mではなくガンダムと同サイズとなる同18mという具合に、「2年ごとに2倍のサイズにしていきたい」と話す坂本さん。大型化に伴う開発の困難さが予想されるが、「サイズと2足歩行を優先した開発で、最低でも歩行はさせたいです」と、あくまで前向きに話す。

2010年には身長4mのサイズを、2012年に同8mのサイズを、2014年には同16mではなくガンダムと同サイズとなる同18mという具合に、「2年ごとに2倍のサイズにしていきたい」と話す坂本さん。大型化に伴う開発の困難さが予想されるが、「サイズと2足歩行を優先した開発で、最低でも歩行はさせたいです」と、あくまで前向きに話す。

あくまで夢のあるロボットを目指して

坂本さんが活動する大阪は、ロボット開発への取り組みが熱心な地域で知られている。意欲的な中小製造業が中心となって、ロボット開発ネットワーク「RooBO」を結成し、実用的なロボットの実現を目指して、いくつものプロジェクトを推進している。
 坂本さんも所属しているが、「僕の開発は趣味的な要素が強いので、RooBOの会員さんとは毛色が違うかも知れません」と前置きをしつつ、自身の経験を踏まえて、あくまで夢のあるロボットづくり、すなわちガンダムの開発にこだわることを強調する。

「子供たちの前でデモをする機会が多いのですが、ロボットを見ているときの目の輝きがとても印象的なんです。ロボットへの憧れというか、夢を抱いてくれているというか・・・・。
 確かに、実用的なロボットは必要とされているでしょうが、そんな子供たちを見ていると、ロボットを見て夢を持ってくれたら、そして元気になってくれたら、と思わずにはいられません。だから、そんな夢のあるロボットを"パーっ"と見せたいし、僕の役目かなあ〜と思っているんです」
ゆえに、「ガンダムづくりを辞めたときが、はじめ研究所をたたむとき!」とも言い切る。

はじめ研究所のホームページ「DREAM」覧で書かれている言葉。坂本さんの

はじめ研究所のホームページ「DREAM」覧で書かれている言葉。坂本さんの"夢"への思い、自身の決意が綴られている(http://www.hajimerobot.co.jp/dream.htm)。

同社のホームページを見ると、『私が一番届けたいと願っているのは、夢である』と、印象的な記述がなされている。坂本さんは今後も、それを追求していくことを表明するとともに、ロボット開発を通じた世の中への寄与には、こうしたかたちがあることを気付かせてくれた。

最後に、「実際にガンダムをつくったときにはどうするのか?」と質問をしたが「まずは搭乗すること。あとは何も考えていなくて、観光用のオブジェに使えるんじゃないのかなあ〜?」(笑)という。
 坂本さんは、先ほどのようなマジメな話をしたかと思いきや、楽しいコメントで話を締めてくれた。


掲載日:2008年10月14日

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