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ロボ・ステーション


新産業の創造に挑む!ロボット特区大集合
「ネットワーク連携で各種RTを追加できるのが僕の強み」【テクノサポートデザイン】

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テクノサポートデザイン 橋本治之さん

テクノサポートデザイン
代表取締役 橋本治之

〒530-0043
大阪市北区天満2-6-19
http://www.t-s-d.jp

テクノサポートデザインの橋本治之社長は、「2007年問題」に対応する技能伝承ツールの制作を企画し、2007年5月に「ロボットビジネス起業塾」の第2期生として起業した。そのかたわら、関西在住のアニメーターのネットワーク連携となる「大阪クールアニメーション」を立ち上げ、大阪発のアニメ文化の形成とアニメーターの育成にも取り組んでいる。

橋本さんは、企業理念に『Re communication』を掲げて活動している。アニメやCG映像というビジュアルや、これまで培ったデザイン手法を用いることにより、コミュニケーションの再構築を図ろうというものである。このような視点から、技能伝承ツールの開発を進めているのが同社の特徴である。

モノづくりのマニュアル制作で技能伝承を支援

橋本さんが開発を進める技能伝承ツールは、電子マニュアルの一種である。写真や実写映像をもとに制作したアニメやCG映像を駆使して、わかりやすく伝えようとしている。

昨年まで2007年問題は大きな話題となり、すでに多くの企業では独自の取り組みやツールの開発により技能伝承を進めている。しかし、専任担当者を置いたり、まとまった予算を注ぎ込んだりすることができない中小製造業では、きちんとした対応がなされていない。おもに、そうした企業への提供・提案を想定して活動を展開している。

これだけの話では、ロボットとまったく縁のない取り組みに思われるが、橋本さんは各種Robot Technology(RT)を組み合わせることにより、高機能な電子マニュアルへと昇華させることを企図している。例えば音声認識技術の搭載により、音声による指示で他ページへの移動をスムーズに行えるようにするといったものである。これなら作業時に両手がふさがっていても難なく使いこなすことができるし、非常に便利だ。

橋本さんが現在、制作を進めている電子マニュアルの一例。動画やCG映像を多用したリッチなインターフェースにより、さまざまな角度から部品の詳細や作業内容を確認することができる。将来的には、音声認識機能などを搭載していく。

橋本さんが現在、制作を進めている電子マニュアルの一例。動画やCG映像を多用したリッチなインターフェースにより、さまざまな角度から部品の詳細や作業内容を確認することができる。将来的には、音声認識機能などを搭載していく。


これらの技術は、ロボットビジネス起業塾で培った人的ネットワークを通じて、調達することを想定している。彼らが有している最新技術を付加していくことにより、電子マニュアルをアップデートしていくことができる。これが橋本さんが構想する電子マニュアルの特徴であり、同社の強みでもある。

「電子マニュアルの制作ノウハウを身に付けつつ、このようなネットワークを生かした開発体制を整えていくことが当面の課題だ」という。また、「今後のRTの進化とともに、電子マニュアルを発展させていきたい」と意欲を示す。

大阪のアニメーターの技術伝承も目指す

このようなプランで起業したが、橋本さんは以前勤務していたデザイン会社でアニメ制作に携わっていたこともあり、現在はアニメ制作の仕事が多いという。起業したからには、また収益を得るためには、他業務にも積極的に関わることも必要なのだろう。

現在、アニメ市場を見渡すと、東京を中心にビジネス展開がなされている。大阪や関西では関連する仕事が多いとは言えず、若いアニメーターが育ちにくい状況にある。とはいえ、大阪のアニメ制作プロダクションには歴史と伝統、そして技術があり、これらを若手に伝承していくことが求められている。

そこで橋本さんは、自身が中心となって、関西在住のアニメーターとのネットワーク連携を図り、どんな仕事にも対応できる受け皿として「大阪クールアニメーション」を立ち上げた。現在はまだ、近しい仕事仲間に声をかけてコアとなるメンバーを集めた段階だが、組織が固まれば法人化を目指すという。
「組織化することではじめて、ある程度のボリュームの仕事を受注できるはずです。仕事を受けつつアニメ制作の技能伝承を行い、最終的には大阪発のアニメ文化を形成する――。それが僕たちの夢の1つなのです」
橋本さんは、そう期待を込めて話す。

大阪クールアニメーションで作成したアニメの素材の一例。

大阪クールアニメーションで作成したアニメの素材の一例。

ただしアニメ制作の現場は、よくマスメディアで取り上げられるように制作単価が異常に安い。スタジオジブリのように、強いオリジナル作品を持つ企画・制作会社が存在するが、業界全体の制作単価の引き上げにはつながっていない。

こうした情勢を踏まえ、橋本さんは関西の中小企業に向けたアニメ制作サービスを目指している。企業PRや製品案内の一環として請け負うことにより、アニメ制作の安請負から脱却しようとしている。
 「自社のPRなどで、アニメを活用したいと考えている中小企業は多いはずです。しかし、どこに相談していいのかがわからないし、大手代理店に依頼すると多額の予算を提示され、諦めているところがかなりあると想像されます。
 われわれのようなクリエイター集団に直接相談できるような環境を用意しておけば、クラインアントの中小企業さんとWin-Winの関係が構築でき、予算に合った最適なアニメコンテンツを提供できるはずです」

アニメーターの視点からロボットを捉える

また、こうした活動と併行して、橋本さんはオリジナルアニメの制作にも意欲を示している。
大阪には『ヤン坊・マー坊』や『風邪の神様』といった、オリジナルアニメの名作を生み出した土壌がある。現在、大阪のアニメ制作会社は8社程度あるが、そうした土壌がありながらも、オリジナルアニメの制作に至っていない。

そこで、大阪のアニメの復権に向けた第一歩とすべく、オリジナルキャラクターのアニメ化に向けた活動を展開している。制作しているのは純愛もののようで、「YouTube」に掲載してその反応を計ろうとしている。また、「この活動を通じて、上述の企業PR向けアニメの需要の喚起につなげることを考えている」という。その制作作業は佳境を迎えつつあるようだ。

現在、アニメ化を進めているキャラクター。moeちゃんとsetsunaクン。 現在、アニメ化を進めているキャラクター。moeちゃんとsetsunaクン。

現在、アニメ化を進めているキャラクター。moeちゃんとsetsunaクン。

このようなアニメ制作やキャラクターに関連して、橋本さんは現在ロボットビジネスに対して、次のような問題意識をぶつける。
「大阪には、魅力的なロボットが多くあります。ただ、どのロボットも技術面ばかりを強調されるきらいがあり、ロボットの魅力がうまく伝わっているとは言い難いです。映像や音楽、空間デザインを含めた取り組みにより、つまりアート展を意識した見せ方により、その魅力を存分に伝えられるのではないか、と思うんです・・・」
確かに、実証実験や展示会では技術面を強調されるのが一般的である。しかし、それにより幅広い世代の人たちに、魅力あるものとして映っているかどうかは、いささか疑問である。

技術的なアピールに加え、「キャラクター設定や世界観の構築により魅力あるロボットに魅せることができるはず」と話す橋本さん。ロボットへの感情移入を促す仕掛けづくりの重要性を説く。

技術的なアピールに加え、「キャラクター設定や世界観の構築により魅力あるロボットに魅せることができるはず」と話す橋本さん。ロボットへの感情移入を促す仕掛けづくりの重要性を説く。


少々次元が違うかもしれないが、ロボットアニメでは巧みなストーリー設定や世界観の構築により、ロボットへの感情移入を促すような仕掛けがなされている。すなわち、ロボット以外の要素のつくり込みが丹念になされることで、見ている者に強烈な印象を与えている。
 「技術に加え、キャラクター設定や世界観の構築により、もっと魅力あるロボットに仕上げることができるのでは」と、橋本さんは続ける。
このような意見は、ロボットビジネスに関わりつつアニメ制作にも携わる橋本さんならではの視点と言えよう。

いまはアニメの仕事を多く抱えているが、電子マニュアルの制作を核にした事業を興した以上、「そろそろ、その制作も今年は本格化させたい」と、橋本さんは意欲を示す。
 電子マニュアルの作成、アニメの制作および技能伝承と、まさに二足のわらじで多忙を極めているが、志を高く臨んでいる姿が印象的だった。


掲載日:2008年9月22日

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