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ロボ・ステーション


ロボットメーカーの開発戦略 次の一手はこれだ
ホビーロボット市場は、ラジコン市場のレベルまで成長するポテンシャルがあると思うんです【ヴイストン】

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松田 公彦経営企画室マネージャー

松田 公彦 Matsuda Kimihiko

経営企画室マネージャー
1976年9月生まれ。2002年3月、京都大学 法学部卒。2007年6月、ヴイストンに入社し、現職に就く。ロボット製品の広報、商品などの企画、マーケティング業務に従事する。



浅井 時也RTカンパニークリエーター

浅井 時也 Asai Tokiya

RTカンパニークリエーター
1984年10月生まれ。2007年3月、神戸芸術工科大学 芸術工学部プロダクトデザイン学科卒。在学中から2足歩行ロボットの製作およびデザインに携わる。同年4月、ヴイストンに入社。RTカンパニークリエーターとしてロボット製品のデザインに当たるほか、自社製品のブランド価値向上のためのプロモーション企画にも携わる。

ヴイストンは、2月8日に「キャラクターロボットプラットフォーム」という新たなコンセプトを打ち出した「Robovie-X」を発売した。従来の「Robovie」シリーズにも増してデザイン性を強調しており、スマートなフォルムに仕上げている。同社クリエーターの浅井時也氏に、デザイン面でのこだわりを聞いた。また、「関西No.1のロボットメーカー」と称される同社が、やや停滞気味と言われるホビーロボット市場をどのように捉えているのか?経営企画室の松田公彦マネージャーに話してもらった。

機能の表現を追求したデザイン

2月8日に「Robovie」シリーズの新機種として「Robovie-X」を発売しました。その特徴は、「Robovie-M*1」がもつ高い運動性と、「Robovie-MS*2」の組み換え自由度を両立し、かつ発展させた点にあります。したがってデザイン面では、特徴の一つである運動性の表現を追求しました。

*1:Robovie-Mは、全身に22個のサーボモータを搭載し、複雑な動きでも滑らか、かつダイナミックに動くことができるのが特徴。最新のタイプは「同Ver.3」になる。なお、Robovieは「Robo」と「vie」合わせたもの。「Robo」はロボットを、「vie」はフランス語で「life(生命・生活)」という意味を表す。

*2:Robovie-MSは、主要構成部品の共通化により、組換え次第で人型以外にも4足型のロボットやロボットアームなど、さまざまな形のロボットが作成することができる。

ロボットのデザインは、どうしてもイメージが先行しがちで、見た目のかっこ良さばかりが追求されます。機能と関係がないようなデザイン的な要素が付加され、結果、ロボットが持つ機能とデザインが乖離しているものが見られます。

これに対し、Robovie-Xでは“機能を正しく伝えること”を徹底しました。つまり、引き締まった、スリムなフォルムに仕上げることで、高い運動性を表現しました。
 人間の場合、余計な脂肪をそぎ落とし、引き締まった身体に鍛え上げることで、高い運動性が醸し出されると思います。それと類似のアプローチを採ったと考えてもらえばよいでしょう。今回、胴体部に樹脂パーツを利用し、エッジにR(アール)を付加することでスリムに見せています。こうした細かな点にも、そのこだわりが現れています。

「キャラクターロボットプラットフォーム」というコンセプトを打ち出したRobovie-X。 「キャラクターロボットプラットフォーム」というコンセプトを打ち出したRobovie-X。

「キャラクターロボットプラットフォーム」というコンセプトを打ち出したRobovie-X。高い運動性を表現するためスリムなフォルムに仕上げている。また胴回りが薄く、さまざまな意匠を施すことができる。サイズは、343mm(高さ)×180mm(幅)×71mm(奥行き)。重量はバッテリー込みで約1.3kg。17軸(頭1、上6、脚10)の関節を搭載。音声出力機能および8chアナログ入力、そして両眼にLEDを搭載するうえ、ジャイロセンサなどの拡張機能も備える。

また、このようなフォルムにしたのは、「キャラクターロボットプラットフォーム」という新たなコンセプトを打ち出したからでもあります。
 これまで、『自分だけのロボットにしたい!』『自分だけのキャラクターロボットをつくりたい!』という声が寄せられていました。当社はさまざまなオプションパーツを提供していますが、これらのニーズに応えるには十分とは言えませんでした。ゆえに、ユーザーがおのおのの好みに応じてキャラクター性を付加しやすいよう、このようなフォルムにしたのです。音声再生機能や両眼部分にLEDを標準搭載したのも、同様の理由によるものです。

もう1つの特徴である組み替えの自由度は、そのコンセプトを達成するうえで重視したものです。汎用性の高いフレーム設計を採用し、かつブラケットパーツは、サーボモータ「VS-S092」の外装ケースに、タッピングねじで直接止められるようにしています。ブラケットおよびサーボホルダ類は自作用パーツとしても提供しますし、日本遠隔制御さんのロボットキット「RB2000*3」シリーズ関連の拡張部品を流用することができます。100種類以上既存パーツが利用できます。

*3:RB2000は、13軸という少ない関節軸でありながら、ダイナミックな動きを維持できる最小の軸数を見出すことで、軽量化と扱いやすさを両立している。また、主要関節のみに軸を配置したシンプルな構造よりモーション作成の複雑さを解消させ、扱いやすさを向上している。さらに、79,800円という低価格を実現したことでも話題となった。

このような特徴を備えるため、Robovie-Xはホビーユースに加え、教育教材としても、キャラクターロボットとしても、さらには受付案内ロボットとしても楽しむことができます。

Robovie-Xで使用したサーボモータ「VS-S902J」(写真左)。

Robovie-Xで使用したサーボモータ「VS-S902J」(写真左)。サイズは、38mm×19mm×38.5mm。重量42g。トルク9.2kg・cm。スピード0.11s/60°日本遠隔制御のロボット用デジタルサーボモータ「RBS582」と同等になる。アッパーフレーム部分にねじ穴が付加されている。


Robovie -Xには、モーション作成やコントローラでの操作設定などを行う「RobovieMaker2」を標準で用意。

Robovie -Xには、モーション作成やコントローラでの操作設定などを行う「RobovieMaker2」を標準で用意。ジャイロセンサ、LEDなどの拡張機能などの設定が行える。フローチャート形式の分かりやすいインターフェースを実現しており、一般ユーザーにも扱いやすいものになっている。なお、RobovieMakerは国際電気通信基礎技術研究所(ATR)知能ロボティクス研究所と共同開発したものである。


ラジコン市場レベルのポテンシャルがあるはず

すでに多くのメディアで紹介されているように、当社は、大阪大学の石黒研究室の研究成果の実用化を目指して設立された産学連携のベンチャーです。当初は、おもに全方位センサの製造販売を手がけていましたが、「ロボカップジャパンオープン2004大阪大会」への出場を目指して結成された「Team OSAKA」への参加を機に、ロボット開発にウェイトを置くようになりました。社内のスタッフを見ると、ロボットの開発に適した人材が揃っていたので、それは自然な流れだったと言えます。

公的機関から出されている資料を見ると、今後、生活支援ロボットの市場が急拡大することが予測されています。われわれも何らかのかたちで、ロボットの利用が広がっていくと考えています。
 ただし当社は、世間で言う「ロボットベンチャー」ですので、最短距離でビジネスになる分野を目指しました。それが教育とホビーの分野だったのです。
 特にホビーの分野は、ロボットに深い愛情をもっておられる方が多く、その方たちの期待に応えることができれば、ビジネスとして結実する可能性が高いと考えていました。

また、今もそうですが、非産業分野のロボット市場は黎明期にありましたので、ロボットの開発・販売がビジネスとして成立することを示したかったという思いからも、そうした選択をさせました。その甲斐あって、これまで順調に業績を伸ばしてきたと思います。

ところが、2005年の「愛知万博」をピークに、一時のロボットブームは落ち着きつつあるように思われます。また、ホビーロボットは、やや敷居の高い10万円前後の価格設定になっていることもあり、ジワジワと売れる傾向にあります。日本遠隔制御さんと一緒に展開しているRB2000はそうですが。
 そうした動向からでしょうか、「ホビーロボット市場は飽和したのでは?」と言われる方がいると聞きます。ここ数年、ホビーロボット市場の成長の幅が大きかったので、余計にそう思われるのでしょうし、正しい見方であるとは思います。

とは言え、ホビーロボット市場は立ち上がったばかりの新しい市場です。
 例えば、長い歴史のあるラジコン市場は、トイラジなどを含めて広義に捉えると、約250億円にのぼると言われています。また、国内には、同市場で数十億円規模の年商で活躍されている企業さんが複数あります。
 同様に、ホビーロボット市場も、そのレベルまで成長するポテンシャルがあると思いますし、当社の年商も、そのレベルに到達できるのではないかと考えています。

ユーザーの裾野の拡大に期待

今後の取り組みに言及しますと、教育およびホビーの分野に向けて商品ラインナップを充実させるというのが基本路線です。ただ、ホビーの分野は市場動向が早いので、現時点では、明言できないところがありますが・・・。

最近、力を入れている取り組みとして、サポートの充実および製作支援サービスがあげられます。
 当社は、ロボットプロダクション「ROBO-PRO」を通じて、工作教室やイベントなどを運営していますが、そこで、ロボットをうまく動作させたり立たせたりできなかったユーザーさんは、2度とロボットに触れてくれないという話を聞かされます。それでは、ユーザーの裾野が広がりません。
 そうしたこともあり、昨年の春から「ROBO-PRO STATION」を毎月開催しています。主にロボットユーザーの交流の場として運営しているものですが、工作教室やサポートなども行っています。

また、製作支援サービスとして、昨年4月より、アルミパーツの切削加工やアルマイト処理の請負サービスを始めています。ほかの企業ではなかなかできないサービスだと思います。
 そのほか、オプションパーツを豊富に提供し続けていますが、ホビーロボット市場では、ロボットそのものの開発力に加え、サポートやサービスの充実度が重要だと思います。こうした取り組みが「市場での勝敗を左右する」と言う人がいるほどで、今後、よりいっそう充実させていきます。

話は変わりますが、昨年、ある玩具メーカーさんが3万円を切る低価格で、高機能な2足歩行ロボットを販売され、大きな話題になりました。ホビーロボットの業界内では「いっそうの低価格競争になるのでは?」と危惧される方がいると耳にしています。
 しかし当社では、そのようなロボットが登場し、また実際に売れていると聞いて安心しています。

例えば、ラジコンヘリの市場では、数千円台のいわゆる玩具に類する機種が登場し、かなりの脅威になった時期があったそうです。ところが、それをきっかけにラジコンヘリの魅力に惹かれた方がハイエンドな製品を購入され、結果、ユーザー層の拡大にもつながったと聞いています。

短期的には、ホビーロボット市場に影響を与えるかもしれませんが、同様に、ロボットのユーザーの裾野が拡大し、多くの方がホビーロボットに関心を抱いてくれるのではないかと思います。その結果、多くの方が当社の製品を選択してくれるとうれしいです。
 キャラクターロボットプラットフォームというコンセプトを掲げたRobovie-Xはさまざまな用途に利用でき、かつ幅広いユーザーのニーズに対応できます。ですので、そうした方の心を十分に捉えることができると考えています。


掲載日:2008年3月 4日

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