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ロボ・ステーション


ロボットメーカーの開発戦略 次の一手はこれだ
人とロボットの連携で警備サービスのレベル向上を目指す【綜合警備保障】

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下笹 洋一課長代理

下笹 洋一さん Shimosasa Yoichi

開発技術部 機器開発室 課長代理
1968年10月生。1991年、千葉大学工学部電気工学科卒。同年、綜合警備保障に入社。以後、警備ロボットの研究開発、自律移動ナビゲーションや屋外ナビゲーション、遠隔監視操作技術の研究に従事する。

「ガードロボ」の名称で、警備ロボットの開発を進めてきた綜合警備保障。その取り組みは、単体としての警備ロボットの開発から、人とロボットの連携による新しい警備システムの構築へと進化している。それを象徴するのが「リモート」と「サイボーグ」という言葉を組み合わせた「リボーグQ」。
 同社 開発技術部の下笹洋一氏に、人とロボットの連携が生み出す新しい警備の価値などを聞いた。

人の代わりから人のお手伝いへ

当社がロボットの研究を始めたのは1982年です。ちょうどその頃、出生率が徐々に低下し、少子高齢化の問題が取り上げられるようになりました。当社は、人の力に頼って警備サービスを提供しています。ですので、若い優秀な労働力が減ることに対して、当社としても対応することが重要なテーマとして浮上してきました。その対応策となる1つのキーワードが機械化でした。

機械化にはいろいろな選択肢があります。ロボットの開発はその1つとして検討し始めました。警備サービスにロボットを使うことによって労働力を代替し、効率化をしていこうというのが、ロボット研究の最初のきっかけになっています。

当初は、巡回・パトロールするための警備ロボットの研究から始めました。さまざまなチャレンジを試み、本当にロボットに人の代わりをさせるような研究にも取り組みました。やがて、人の代わりというよりむしろ人のお手伝いをすること、つまり、システムとしてロボットを警備サービスに組みことによって警備のサービス効率を上げ、より質の高い警備サービスを提供するという方向性になりました。これにより機能を絞ることができ、コンセプトも決まってきました。

アクアシティお台場での巡回の様子。

アクアシティお台場での巡回の様子。地図情報などによる自走走行ができるうえ、ジョイスティックによる手動走行もでき、臨機応変に現場に対応することができる。また、タッチパネル方式による案内機能も充実している。


開発に当たり、警備員の作業内容に関する情報を集めたのですが、警備先によってその中身が大きく異なることに気付きました。警備サービスはそれぞれカスタマイズされており、この作業はここでも行っているが、その作業は実施してないということが多々ありました。そこで改めて、ロボットができることは何だろうかと考えました。ミニマムな部分のみを抽出しても、受け入れてもらえる警備サービスにはならないですし、逆に、すべての仕事をさせようとしてもロボットには到底できません。その中で、ある程度受け入れてもらえそうなのはどういうところなのかという検討を重ねました。

そうして完成したのが「リボーグQ」です。従来は、ロボットの名前を「ガードロボ」と命名していました。今回は、ロボットの名前がガードロボからリボーグQに変わったのではなく、警備員とロボットとが連携して警備を行う新しいシステムとして、そう名付けたのです。

遠隔のロボットが人の能力を強化する

簡単ですが、人と比較して、ガードロボが優れている点を挙げてみます。
 ガードロボは飽きずに、文句を言わず、延々と動いて働きます。自動充電するので24時間動いてくれます。それと、記録という点で人間より抜群に優れています。一度覚えたことは忘れません。しかも、ガードロボが記録した情報を、人が後から正確に共有することができます。しかしながら、人のような判断はできません。最終的な判断は人間が行う方がよいです。したがって、警備サービスの質を向上させるためには、ガードロボと人それぞれの特徴を組み合わせることが適切です。

実は、リボーグQというネーミングにもそれが表れています。リボーグQは、「リモート」と「サイボーグ」という言葉を組み合わせた造語です。リモートは遠隔を意味する言葉です。サイボーグは自身の身体を機械化し、人がもっている機能を強化しているというイメージがあります。例えば、遠くにいるガードロボが、警備員が行くことができない場所の情報を収集してくれます。遠隔のロボットを使うことによって自分の機能が強化されるというイメージを込めて、そのような名称を付けています。また、Qは、Quick(情報・対応の素早さ)、Quality(警備サービスのレベルアップ)、Q&A(受付案内)を意味しています。

リボーグQは、2006年12月に発表しています。そのサービスで用いているプロトタイプの「ガードロボD1」を発表したのは2005年6月で、そのときに販売も始めています。

人とロボットのユーザーインターフェースの改良に注力

ガードロボD1は、あらかじめ巡回経路を入れておくと、経路に沿って建物の中を自動的に走り、何か異常があると警備員に知らせます。火災や水洩れ、人がいれば人も見つけて知らせます。ガードロボD1が見ている情報は、警備員が駐在している防災センターに映像で絶えず送信しています。映像はまたガードロボD1に蓄積されているので、通信障害があっても、後で警備員が確認できます。
 このような基本的な機能を使って巡回するとともに、胸についているタッチパネルを使って施設の案内などインフォメーションサービスができます。夜も昼も活躍できるようになっています。

そのような機能は昔からあったのですが、今回、リボーグQで特に強化したのは、警備員とガードロボD1とを結ぶ監視装置のインターフェースです。プロトタイプを試験的にさまざまなところで使わせてもらった際に、警備員から要望が寄せられました。これらを取り入れて、彼らが利用できるレベルまで改善するというアプローチをとりました。

例えば、自動的に巡回させる以外に、「臨時的にどこかに立たせたい」という話がありました。突然、警備が手薄になったとき、人だと配置変更は大変なのですが、ガードロボD1なら臨機応変に対応できます。ただし、そのニーズは臨時的なものなので、あらかじめ移動するルートを作成することができません。そこで、防災センターにいる警備員が監視PCを見ながらジョイスティックを操作してガードロボD1を動かせるようにしました。

監視PCの画面では、ガードロボD1の正面、左右、背後の360度の画像を警備員が見られるようになっています。それが見ている個所を、直感的に警備員にわかるように工夫をしています。また、そばにいる警備員がガードロボD1を動かせるようにハンディリモコンも用意するなど、現場のニーズに対応できるようにしています。

ほかにも、ユーザーインターフェイスを改良して、警備員がより使いやいようにしています。例えば、ロボットが巡回しているときに送られてくる映像を、警備員がずっと見ているというのは、あまり好ましい姿とは言えません。警備員は他の作業をし、ロボットは巡回していてほしいです。
 巡回をしている間、あらかじめ設定した場所で画像を撮るようにしておき、後で警備員がその結果を一覧でチェックしたり、リアルタイムで見たい場合は「いま重要地点にきました」というメッセージを出して警備員が確認したりできるようにしています。このように、新たなスタイルで巡回できるよう細かな工夫を随所で行っています。

商業施設の利用では集客効果にも寄与

現在、リボーグQを導入いただいているのは2カ所で、両方とも商業施設です。1つは東京・お台場のアクアシティ、もう1つは博多のキャナルシティです。商業施設ということもあり、昼間、ロボットが巡回警備をすると、土日などは外人の方や修学旅行生の人だかりができて動けなくなるほどです。集客効果にも寄与しているようです。

警備が本来の仕事だが、集客という面でも寄与している。子供たちの人気は高い!!。

警備が本来の仕事だが、集客という面でも寄与している。子供たちの人気は高い!!。


また、案内役としても役立っています。
 商業施設などではタッチパネルを操作して施設に関する案内情報を入れますが、そこに収録されていないことを知りたいというお客さんもいます。昼間だと、巡回している警備員が店の情報や駅の方向を聞かれます。そのため、ロボットが巡回している場合は、呼び出しボタンを押してもらえれば、テレビ電話のように警備員と話ができるようになっています。“動くインフォメーションカウンター”というイメージですね。

また、テレビカメラがついているので、声だけでなく視覚的にやり取りしたい情報を見ながらコミュニケーションができます。例えば、お客さんが携帯電話を落としたときに、テレビモニター越しに警備員が「これですか?」と手で示すとすぐにわかります。ロボットがいるところに、あたかも案内役がその場にいるような感じで案内することができます。まさに、自分の機能が拡張されるというリボーグQのコンセプト通りのことができます。

今後の開発テーマについては、まだ具体的なことは公表できませんが、警備員と連携して警備作業を行うことに重きを置いているので、そのような機能を向上していきたいです。一言で言えば、警備機能を上げていくことです。それにより、当社ならではの警備サービスができるようになればよいと思っています。リボーグQを使ってもらっている中で、警備員の方からさらに改良点が提案されているので、すみやかにこれらに対応できるように開発を進めているところです。

企業データ

綜合警備保障

〒107-8511 東京都港区元赤坂1-6-6


掲載日:2007年9月18日

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