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自然から学ぶアイデアの源泉 ネイチャーテック


ハエトリグサ(別名ハエトリソウ、ハエジゴク)
栄養を十分にあげれば、虫を獲らなくても生きていける

Photo by lumo2

パクっと閉じるハエトリグサ

ヒントとなる自然:植物(ハエトリグサ)

<写真>ハエトリグサ(別名ハエトリソウ、ハエジゴク)
栄養を十分にあげれば、虫を獲らなくても生きていける
Creative Commons

何がすごいの?

ハエトリグサは北アメリカ原産の植物で、虫を捕まえ、それを消化吸収して成長します。栄養が少ない湿原で生きていくために、虫を獲って栄養を補っていると考えられており、このように進化した植物は食虫植物と呼ばれています。

食虫植物の虫の獲り方はいろいろあり、ネバネバした液を出して捕まえるモウゼンゴケや、落とし穴に落とすウツボカズラなどが知られています。食虫植物の中で、ハエトリグサは唯一自ら動いて虫を捕まえる植物であり、その仕組みはまるでコンピューターで制御されたように巧妙です。

ハエトリグサの二枚貝状の葉(捕食葉)は赤くなっており、ハエの好きな蜜を出す蜜線があります。捕食葉の縁には3対の毛(感覚毛)がついていて、赤い色と蜜でおびき寄せられハエが30秒以上感覚毛に2度触れると、葉が閉じて虫をはさみ込みます。葉が閉じる速さは100ミリ秒(ミリ秒=1秒の1000分の1)で、目にも留まらぬ速技です。

植物にとって、動くことは莫大なエネルギーを消耗するので、空振りは致命傷となります。風で木の葉や水滴が飛んできただけでは決して葉を閉じず、虫がじたばたする時の2回目の刺激で確実に閉じて獲物を仕留められるよう、ハエトリグサは刺激をきちんと1回、2回と記憶しているのです。

どうやって役立てるの?

ハエトリグサの葉が一瞬で閉じる動きは、植物が示す最も速い動きの1つです。筋肉や神経を持たないハエトリグサが葉を動かす仕組みが解明されれば、同じように筋肉を持たない機械を能動的に動かす大きな鍵になるかもしれません。

どんな研究をしているの?

ハエトリグサが葉を閉じる動作の仕組みについて研究が行われました。その結果、ソフトコンタクトレンズの凸面をへこませるとパッと元に戻るように、捕食葉の湾曲する構造において、葉の曲(反りかえり具合)を変化させて閉じていることが分かりました。

また、ハエトリグサが刺激を2回与えないと閉じない理由も明らかになりました。これは、刺激を伝える方法に、2種類の異なる生理活性物質が存在するからです。1つは植物の活動を鈍らすブレーキ役、他方は活動的にするアクセル役で、双方の濃度差によって葉の運動が制御されています。また、この活性物質は30秒で拡散してしまうため、1回目の刺激と2回目の刺激の間の時間に限りがあるのです。

どんな技術開発ができる?

ダーウィンがハエトリグサを「世界で最も不思議な植物」と言ったように、その葉の閉じる仕組みにはまだまだ解明されていないことが沢山あります。

オジギソウと同じように、ハエトリグサも機械的な刺激によって発生する活動電位から成る信号によって、細胞内で膨圧の急低下が生じた結果、葉の内外で圧力の差が起きてすばやく葉が閉じる仕組みになっていますが、その詳しい伝達回路は未だ分かっておりません。

ハエトリグサの研究が進めば、無電源で開閉する電気機器やセンサーを開発することができるかもしれません。

ハエトリグサは食虫植物の中で唯一自ら動いて虫を捕まえる

写真2:ハエトリグサは食虫植物の中で唯一自ら動いて虫を捕まえる
Photo by Nebel
Creative Commons

<参考文献>
食虫植物のお部屋:森本泰弘氏
Forterre, Yoel; Skotheim, Jan M.; Dumais, Jacques; Mahadevan, L. 2005. How the Venus flytrap snaps. Nature. 433(7024): 421-425.

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掲載日:2012年2月13日

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