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自然から学ぶアイデアの源泉 ネイチャーテック


羊の毛には湿度を調整する機能がある

Photo by James Bowe

縮れて蒸れない羊の毛

ヒントとなる自然:動物(羊)

<写真>羊の毛には湿度を調整する機能がある
Creative Commons

何がすごいの?

羊の毛は、他の動物と違って縮れた毛で体が覆われていています。ウールは英語で縮れた毛を意味し、モヘアなどのまっすぐな毛と分けられています。

大昔の羊は外側に真っ直ぐな毛、そして内側に縮れた毛の二つの毛質を持ち合わせる動物でした。けれども、真っ直ぐな毛は糸を紡ぐのに向いていないため、人には扱いにくいものでした。そこで、人間が長い時間をかけて改良に改良を重ねた結果、縮れた毛のみで体全体を覆う現在の羊が誕生しました。

羊の毛には湿度を調整する機能があり、昔から衣料として利用されてきました。羊毛の断面を顕微鏡で見てみると、二重の円形構造になっているのがわかります。

繊維の表面は、私達の髪と同じようにウロコ状のキューティクルで覆われていて、このウロコ状の表皮の中には、細かな縮れ(クリンプ)がたくさんあります。水滴をはじく性質を持つキューティクルの内側には、逆に水蒸気を吸収する性質を持つコルテックスがあります。この二層の繊維がコイル状に絡み合うことで、縮れた構造を持つ羊毛は湿度を調整する機能を果たすのです。

どうやって役立てるの?

二重構造を持った繊維の縮れは羊特有の性質です。縮れと縮れがからみあうと離れなくなる性質を利用して、フェルトが作られました。

二重構造を持った繊維の縮れは羊特有の性質

二重構造を持った繊維の縮れは羊特有の性質
Photo by shallowend
Creative Commons

どんな研究をしているの?

羊毛が何故縮れているのかは、学者の間で長年の疑問でした。それを解決したのは日本人の研究者です。

羊毛が種類の異なる細胞から作り出されることで、二層構造ができることを発見しました。この二つの細胞は好むpHが異なるため、空気中の湿度、そしてその水分に含まれる酸やアルカリの変化に反応して、二層の成長に差が生じ、まっすぐ伸びずに反り返るのです。こうして繊維はちぢれながらコイル状に伸張するのです。

どんな技術開発ができる?

羊毛は、その微細な構造から湿度を約60%に保つ性質があります。これは、人間が最適に生活できる湿度と言われています。また、ダニやバクテリアなどの細菌は湿度が70%以上にならない限り繁殖しないことが確認されており、羊毛には保温性を含め、断熱・調湿、そして除菌と、多くの機能があることがわかっています。

これに着目して作られた断熱材は、調湿性能があり、バクテリアの増殖を抑えることで、結露を防ぐこともできます。また、音の伝わり方は湿度に影響されるので、音を吸収する吸音材としても利用できるでしょう。

<参考文献>
・INTERIOR TEXTILES TECHNICAL INFORMATION LETTER No13
長尾商事株式会社

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掲載日:2011年11月 7日

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