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自然から学ぶアイデアの源泉 ネイチャーテック


紫外線に強いトンビの目

ヒントとなる自然:鳥(トンビ<トビ・鳶>)

<写真>トンビの目は特殊な構造を持っている
Creative Commons

何がすごいの?

トンビは上空から餌を探し、地上で一瞬にして餌を手に入れ、すぐに大空に戻ります。上昇気流を利用して大空を高く飛ぶため、あまり羽ばたかず、その姿は悠々としています。トンビはカラスより体がひと回り大きく、カラスに比べて優れた視力をもっています。そのため、カラスのように餌を探すために路上を歩く必要がありません。

トンビの目は、強い紫外線から守るため、特殊な構造を持っていることが分かりました。それは、樹状突起(櫛膜)という非常に変わった構造で、ヘアブラシのようなパターンが目の表面に描かれていて、それが目を守っていると想像してください。もちろん私達の目にはこの構造はありません。トンビはサングラスの機能を目にもっていたのです。

この櫛膜は、目に入ってくる紫外線の量を調節し、トンビが感じる眩しさを減らします。この櫛膜の存在により、高いところからもトンビは餌を発見するほどの視力を誇っているのです。

どうやって役立てるの?

新しい紫外線対策として私たちの生活に登場するかもしれません。たとえば、サングラスなどに代わって、今までより強力に紫外線から目を守る新しい眼鏡ができます。今まで感じていた直射日光の眩しさも減るでしょう。釣りや海水浴をはじめ、強い紫外線の下で作業をする人は重宝するでしょう。また、窓ガラスに応用すれば、視界を低下させず紫外線を除去できるはずです。

どんな研究をしているの?

トンビの目の血管構造が研究されました。そして、櫛膜と呼ばれる色々な太さの血管や、毛細血管が縦に並んで、クシ(ヘアブラシ)のような扇形の突起になっている様子が観察されました。

血管には血液が絶えず流れているので、櫛膜の血管はお互いにつながっています。この血管から構成される櫛膜には、紫外線に当たったときにメラニンという色素を形成するメラニン形成細胞が存在していることが分かりました。

このメラニン色素が紫外線を吸収することにより、メラニン色素自体は黒くなりますが、トンビの目の中心部までは紫外線が入ってきません。櫛膜の血管にあるメラニン形成細胞により、紫外線から目の中心部であるガラス体を守っています。櫛膜には紫外線防御の他にも、様々な機能があると言われています。

どんな技術開発ができる?

目から紫外線が入ると肌のメラニン生産量が増すと言われています。トンビの目の構造を利用した新しいコンタクトレンズを開発できれば、日焼けも防止することができます。医療の分野では、紫外線が主な原因となっている皮膚ガンや白内障の予防効果も期待できます。

<参考文献>
S.G.Kiama,et al.,A scanning electron microscope study of the pectin oculi of the black kite(Milvus migrans):possible involvement of melanosomes in protecting the pectin against damage by ultraviolet light,JOURNAL OF ANATOMY,185,637-642(3),1994

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掲載日:2011年8月 1日

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