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自然から学ぶアイデアの源泉 ネイチャーテック


南米の宝石と言われるモルフォチョウ

Photo by e3000

青く輝くモルフォチョウの翅の秘密

ヒントとなる自然:昆虫(モルフォチョウ)

<写真1>南米の宝石と言われるモルフォチョウ
Creative Commons

何がすごいの?

南米の宝石と言われるモルフォチョウは、その青く輝く美しい翅で知られています。この美しい青い発色はどのように作られるのでしょうか?

その前に、私達が特定の色を認識する仕組みについで簡単に触れておきましょう。物体には、ある特定の波長の光を反射し、また吸収する性質があります。例えば、リンゴを見て「赤い」と感じるのは、リンゴが赤色の波長だけを反射して、他の波長を吸収してしまうからです。私達はリンゴから反射された赤い波長の光を見ていているだけであり、決してリンゴの表面が赤く塗られている訳ではないのです。

話をモルフォチョウに戻しましょう。モルフォチョウの青色発色の仕組みは、実はリンゴの発色の例とは全く異なっています。その鍵は、鱗粉(りんぷん:チョウの翅に触ると付着する粉)の構造にありました。

鱗粉表面は、規則正しく微細なひだのような凹凸を形成しており、ちょうどタンパク質と空気が幾層にも重なった「積層構造」ができます(写真2)。光が鱗粉に当たると、一つ一つの層で反射した光は互いに光を強め合ったり、打ち消し合ったりします。

鱗粉断面の電子顕微鏡写真(永田文男氏提供)。細かいひだのような凹凸の構造が見える

<写真2>鱗粉断面の電子顕微鏡写真(永田文男氏提供)。細かいひだのような凹凸の構造が見える

ところがモルフォチョウの場合は、凹凸の間隔が青色光の波長のちょうど半分であるために、反射光が強め合って、上手く青色のみが反射されるようになっているのです。このように、光の干渉によって発色する仕組みを「構造色」と呼びます。

どうやって役立てるの?

見る角度や光の強度によって発色が変化する構造色のメカニズムは、車や建造物の塗料や繊維、化粧品などのアパレル分野や、光学ディスプレイに役立てることができます。

構造色による発色は、色素や顔料による発色と異なり、紫外線などにより脱色することがないので、製品を長持ちさせることができます。また、染料のように染色時に大量の水を使うこともなく、化学塗料のように化学物質を使わずに済むので、環境に優しい発色方法なのです。

どんな研究をしているの?

モルフォチョウの美しい青色の発色の仕組みは、電子顕微鏡の登場によって明らかになりました。現在では、鱗粉の持つ積層構造の再現や、それを応用した技術開発が進められています。

兵庫県立大学高度産業科学技術研究所の松井真二教授は、集積イオンビーム装置を使ってカーボン製の多層構造を作ることに成功し、モルフォチョウと同じ青色を再現しました。

繊維メーカーの帝人ファイバーは、屈折率の違うポリエステルとナイロンを交互に61層重ねることで積層構造を再現し、染料を使わず発色する繊維「モルフォテックス」を開発しました。光の強度や見る角度によって色が違って見えるモルフォテックスは、高級衣料に使われている他、自動車のシートや、パウダー状に繊維を細かく刻んで、化粧品として応用されています。

また、株式会社中野科学のカラーステンレス「サステインカラー」は、ステンレス表面に加工する酸化皮膜の厚さを精密に制御することで、様々な色を発色させることが可能です。

どんな技術開発ができる?

積層構造による構造色のメカニズムを応用すれば、色素や染料を使わずに様々な色を作ることができるようになる可能性があります。装身具や装飾品、発光素子などへの利用も期待されます。

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