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自然から学ぶアイデアの源泉 ネイチャーテック


呼吸のための長い管を持たなくとも、マツモムシは長時間潜水することができる

Photo by Holger Groschl

アクアラングを備えたマツモムシは一流のダイバー

ヒントとなる自然:昆虫(マツモムシ)

<写真>呼吸のための長い管を持たなくとも、マツモムシは長時間潜水することができる
Creative Commons

何がすごいの?

プール掃除の時などに、水面に逆さまになって泳ぐ水生昆虫「マツモムシ」を見た事はありませんか?同じ水生昆虫であるミズカマキリやタガメのような、呼吸のための長い管をお尻に持たないにも関わらず、マツモムシは長い時間潜水することができます。一体どうやって呼吸しているのでしょう?

その秘密は、マツモムシのお腹にある細かい毛にあります。この毛は撥水性があるため、ここに気泡を付着させて、薄い泡として抱えることができるのです。いわば、アクアラング(潜水用呼吸器具)を備えているようなものです。

しかし、泡の機能はそれだけではありません。マツモムシの呼吸によって泡の中で一定量以上に増えた二酸化炭素は、分圧(※)が泡の外よりも高くなるので周りの水中に溶け出していきます。逆に、呼吸で消費されてしまった酸素は、分圧が泡の外よりも低くなるので、水中から酸素が溶け込んできます。

こうしてお腹に抱えた泡が壊れない限り、マツモムシはいつまでも酸素を得られ、潜水し続けることができるのです。泡という素晴らしいアクアラングを持ったマツモムシは、一流のダイバーなのです。

※分圧:混合気体において、その混合気体で占めている全容積をそれぞれの成分気体だけで占めるときに示す圧力のこと。

どうやって役立てるの?

動力を供給する線を必要としない、小型の自律式水中無人潜水機(AUV)を動かす燃料電池に、酸素供給する方法として役立てることができます。

燃料電池は、水素と空気中の酸素を化学反応させて電気を作ります。エンジンのような熱機関を使った発電方法とは違って発電効率が高いので、蓄電池を採用している現在のAUVの活動時間をさらに延ばすことが期待されています。

どんな研究をしているの?

マサチューセッツ工科大学の研究者らは、マツモムシが空気層を使って水中で行う呼吸(プラストロン呼吸)の仕組みを、モデル計算を使って理論的に明らかにしました。

ノッティンガム・トレント大学では、昆虫と空気層に見立てた体積18立方センチメールの実験装置を用いて、酸素の吸収量と時間の関係について調べました。その結果、プラストロン呼吸は、小型の自律式無人潜水機の燃料電池に酸素を供給する方法として利用できそうであること、また、人間がマツモムシのようにプラストロン呼吸を行うには、直径2.8メートル、表面積90平方メートルの空気層が必要である事がわかりました。

どんな技術開発ができる?

小型の自律式無人潜水機(AUV)に搭載した、燃料電池の酸素供給源として応用が可能です。AUVは動力を供給する線を必要としないので、広い海の中で行動の自由度が限定されることはありません。

現在、AUVは石油やガス産業、科学分野において探査に使われていますが、プラストロン呼吸の装置を取り付けることができれば、酸素タンクを積むこともなく水中での活動時間を大幅に伸ばすことが可能になります。

直径2.8メートルもの空気層を水中でも保持する技術が発明されれば、人も昆虫のように水中を自由に活動できるようになるかも知れません。

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