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自然から学ぶアイデアの源泉 ネイチャーテック


樹木は必要に応じて樹形を変えてストレスを発散している

Photo by Annadriel

ストレス発散が上手な樹木

ヒントとなる自然:植物(樹木)

<写真>樹木は必要に応じて樹形を変えてストレスを発散している
Creative Commons

何がすごいの?

私達が日々の生活の中でストレスを感じるように、樹木も気温・湿度の変化や強風などによってストレスを受けます。動けない樹木は、長い間の進化の中で、このような外的ストレスに適応できるように進化してきました。

樹木はストレスを均等に分散できるように、枝を空に張り根を地に張って踏ん張ります。枝の太さは幹の根元のほうが太く、先端へいくほどすらっと細くなっています。この流線型の構造によって、風から受けるストレスを均一に分布させます。

また、枝が下から上まで均等に付いている樹冠(枝や葉が茂っている部分)の低い樹木は、全体に栄養が行渡りどっしりと安定した構造になっています。逆に、樹冠が高すぎてしまうと、栄養は行きわたらないので細い枝になってしまい、強風や雪によって簡単に折れてしまいます。このように折れてしまった枝も、結果的には自然に淘汰された、枝の剪定であり、風に強い樹形が残るのです。

風の強いところに生息する樹木は、風がなびく側に幹が倒れるように細胞を成長させ、巨大な体を支えます。傾いた方を押し上げて支えようとし、リグニン(セメントのように埋めて強度を保持する)を多く蓄えて、傾いた方の年輪は広くなります。樹木は成長過程においても、必要に応じて常に樹形を変えて、ストレスを発散しているのです。

どうやって役立てるの?

私達の骨と同じように、木材は軽い素材でありながら、衝撃にじっと耐え構造的安定性があるので長持ちします。そのため、樹木は台風や強風に強いことから防風林として利用されています。また、軽量化を計る材料として、車や建築物や橋など工業製品に利用できます。

どんな研究をしているの?

ドイツの樹木医が、樹木の枝の分岐や根の支持強度、細胞の構成を調べ、樹木の耐久性の傾向を解明しました。

樹木は、枝が折れると傷口から内部の組織が腐朽するのを防ぐために防護壁(カルスと呼ばれるかさぶた)を作り、幹の周りを覆います。防護壁の外側は菌に侵され枯れてしまっても、内側の組織はこの防護壁によって守られ、強度が2~3倍強くなることが分かりました。

また樹木は、ストレスを受ける場所にはカルスや細胞分裂などによる組織の肥大でサポートし、成長する過程で常に樹形を再調整していることが分かりました。そして、これらの樹木の解剖を通して得た科学的情報を元に、樹形の形成に関するアルゴリズムを見出しました。

どんな技術開発ができる?

樹木のアルゴリズムを使用したソフトウエアが開発されました。このソフトウエアは、車や飛行機などの構造体を、強度を保ちつつ軽量化する時に、不要な箇所を判断するツールです。耐久性があるかないか、見た目では判断しにくい構造の強度をソフトウエアによって計算することで、軽量化することが可能となりました。

現在、二酸化炭素の排出量を減らすために、車や飛行機の軽量化がとても重視されており、このアルゴリズムは軽量化に繋がる画期的なソフトといえます。

<参考文献>
Pullin,John.1998.Talking to the trees.Professional Engineering.11(7):17-18. Mattheck,Claus.1998.Design in nature:learning from trees.Berlin:Springer-Verlag.276 p.

<関連リンク>
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掲載日:2011年6月27日

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