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自然から学ぶアイデアの源泉 ネイチャーテック


カイロウドウケツ

Photo by NOAA

カイロウドウケツはガラス繊維製造の名人

ヒントとなる自然:動物(カイロウドウケツ)

<写真>カイロウドウケツ

何がすごいの?

カイロウドウケツは深海底の堆積物上に生息する海綿の一種で、ガラス質の骨格でできた駕籠(かご)のような形をしています(写真)。英名で「ビーナスの花籠(はなかご)」と呼ばれるその形の美しさの秘密は、骨格を作る繊細なガラス繊維にあります。

カイロウドウケツは、海水中のケイ酸(けいさん)から変換した二酸化ケイ素(SiO2)を主な材料として、細い針状のガラス繊維で円筒型の駕籠(かご)の構造を作ります。いくつかのガラス繊維を一つに束ねてより頑丈な「柱」のようにし、それらでかごを形作る正方形の格子を作り出します。さらに、正方形の格子の対角線状にも柱を渡して強化しています。こうして、カイロウドウケツの複雑で緻密な駕籠が出来上がります。

ところで、私たちがガラスを作り出したり、ガラスで何かを形作ったりする時には、必ず高温で作業しなければなりません。驚いたことに、海の中で生息するカイロウドウケツは、この緻密なガラスの製造を常温でやってのけてしまいます。彼らはガラス繊維の製造の名人なのです。

どうやって役立てるの?

カイロウドウケツが低温条件でガラス繊維を形成するメカニズムが解明されれば、安価で高品質なガラス繊維を常温で製造するという、画期的な方法が見つかるかも知れません。

どんな研究をしているの?

アメリカのベル研究所が、カイロウドウケツの骨片の光学的性質をテストしました。その結果、ガラス繊維が人工のファイバーケーブルと同じような性質を持っていて、情報通信用に使えるくらい高品質なこと、骨片が驚くほど強くて折れにくいので、電気通信用のワイヤーとしても重要であることを発見しました。

ガラス繊維の拡大

ガラス繊維の拡大
Photo by NEON_ja
Creative Commons

どんな技術開発ができる?

半導体の加工や光ファイバーの製造が、今までのように工場ではなく、材料となる化合物とたくさんのカイロウドウケツが入った大型培養タンクで行われるようになるかも知れません。タンクの中でカイロウドウケツが成長すれば、光ファイバーが完成している訳です。

安くて丈夫な光ファイバーを製造できれば、インターネットのような情報通信網の整備費用を節約できます。また、光ファイバーの製造や加工に火を使わなくて済むので、使用する燃料や二酸化炭素の排出を抑えることができるでしょう。

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掲載日:2011年6月20日

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