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自然から学ぶアイデアの源泉 ネイチャーテック


花の中を歩くアリ

Photo by Ben McLeod

昆虫類に学ぶ新しい多脚式移動システム

ヒントとなる自然:昆虫(さまざまな昆虫)

<写真>花の中を歩くアリ
Creative Commons

何がすごいの?

木の枝や葉っぱ、平らな地面、砂利道、積もった枯れ葉の上など…昆虫は場所を気にせず、6本の足を規則正しく動かして歩いていくことができます。危険に出くわしたら、方向を変えて一目散に逃げ出します。けれども、決して6本の足が絡まってつまずいたり、ばらばらに動いて進めなかったりすることはありません。一体どうなっているのでしょうか?

その秘密は、昆虫の「脳」のつくりにあります。昆虫の体は、大まかには頭・胸・腹の3つの部分(体節)からなっていて、それぞれにいわば「小さな脳」に相当する「神経節」と呼ばれるものがあります。これら3つの神経節はそれぞれ担当する体節が決まっていて、昆虫の6本の足は胸にある胸部神経節によって制御されています。このため、胸部の神経節は、6本の足を規則正しく動かすことだけに集中できるので、足が絡まってつまずいたりすることがないのです。

ヒトの場合は、体の全ての器官を脳からの指令で制御していますが、昆虫はこのように小さな脳に分散させて制御しているのです。その結果、脳からの指令を待つ必要もなく、とても敏捷に反応できるのです。生物の歴史を振り返ると、約5億年前のカンブリア紀には、奇妙な形で知られるハルキゲニアのような多足の動物が出現しています。彼らも、昆虫のような分散方式でたくさんの足を動かして海底を歩いていたのかも知れませんね。

スミソニアン自然史博物館「バージェス頁岩動物群」

どうやって役立てるの?

分散脳方式で制御することを応用すれば、多数の足や車輪を使って複雑な動きや移動を行えるロボットや車両の開発に役立てることができます。地上であれば、どんな地形や場所でも移動できるような車両が登場するかも知れません。

どんな研究をしているの?

千葉工業大学未来ロボット技術研究センターとリーディング・エッジ・デザイン社が共同して、8つの車輪・足を備えた移動ロボットを開発しています(写真2)。このロボットの最大の特徴は、車両モード、昆虫モード、動物モードの3形態に変形し、それぞれ異なった方法で移動できることです。

車両モードでは、普通の車のような走行はもちろん、その場で回転したり真横に走ったり、さらには車高を一定に保ったまま坂道や段差まで登ることができます。昆虫モード、動物モードでは、それぞれ昆虫のように高速で歩いたり、動物のように足を立ててゆっくり歩いたりすることができます。各脚を独立して制御しているので、こうように複雑な動き方ができるのです。歩行場所の状況に応じて移動方法を変えられるのも凄いですね。

今後は、人が乗れるような大型ロボットの開発と、ロボットをよりリアルな感覚で遠隔操作できる装置の開発を進めていく予定です。

ハルキゲニアをモデルにしたロボット「HullucII」(千葉工業大学未来ロボット技術研究センター)

どんな技術開発ができる?

地震や森林火災のように、従来の車では移動しにくいような災害現場で救助活動を行う特殊車両の開発が期待できます。車のように舗装された道路を必要としないので、都市部の交通渋滞の緩和にも役立つ可能性があります。クモ型のロボット車両が実現するのも、そう遠い話ではないかも知れません。

また、お年寄りやハンディキャップがある人のために、段差や坂道を全く気にせず進んでいける、新しい車いすにも応用できるかも知れません。

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