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自然から学ぶアイデアの源泉 ネイチャーテック


フジツボの一種、Balanus balanoides(白い部分)

Photo by Janekpfeifer

フジツボが作る水中の接着剤

ヒントとなる自然:動物(フジツボ)

<写真>フジツボの一種、Balanus balanoides(白い部分)
Creative Commons

何がすごいの?

私達が普段使っている接着剤は空気中でしか使えません。空気中で接着剤を使ってくっつけたガラスでも、水中に入れると徐々にはがれてしまいます。これは、水がガラスに接着する力のほうが、接着剤よりも何倍も強いからです。もちろん、水の中で直接ものをくっつけることはさらに困難です。

しかし、フジツボは水中で色々な表面にしっかりと接着することができます。船底やロープなどに付着しているフジツボを見たことがある人も多いでしょう。何にでもくっつく、やっかいもののように見えますが、実は水の中でどんな材料にでも強固に接着することが出来るすばらしい性能を持っているのです。

 フジツボ自身が死んでしまっても、その接着力はそのままです。最近では、そのフジツボの接着能力に注目が高まっています。現在、耐水性の接着剤は開発されていますが、水中での2つの異なる物質の接着技術は開発途中にあります。

フジツボの研究により、新たな接着剤の開発が期待される

フジツボの研究により、新たな接着剤の開発が期待される
Photo by Nature Tech
Creative Commons

どうやって役立てるの?

フジツボの作り出す接着剤はとても強力です。医学の分野では、人工の歯をつけるインプラントの新しい治療法に役立つかもしれません。また、フジツボの接着能力は、海水中だけではなく、塩をまったく含まない水中の実験でも衰えないことが分かりました。生物の分野以外でも接着剤として効力を発揮するのです。電子工学分野での部品の接着剤にも役立ちそうです。

どんな研究をしているの?

フジツボの作り出すセメントは、90%以上がタンパク質で出来ており、複数のタンパク質の複合体であることが明らかになりました。それぞれのタンパク質についての機能解析が進んでいて、構造が明らかになったタンパク質もあれば、まだ未解明のタンパク質もあります。

タンパク質は20種類のアミノ酸が結合してできていますが、そのアミノ酸の種類についても研究中です。アミノ酸の中にはジスルフィド結合という特殊な結合をするシステインや、電荷をもったアミノ酸が多いことが分かっています。これらの構成成分が、フジツボの持つ水中での強力な接着能力に、重要な役割を果たしていると考えられます。

本来は弱いと考えられていた種類の結合でも、自然界では、生物は有効にその結合能力を利用しているようです。水中動物の接着性についての分子レベルでの研究は始まったばかりです。

どんな技術開発ができる?

これらの研究が進めば、水中でも使える新たな接着剤が開発されるでしょう。フジツボが持っている接着能力を人工的に作り出すことが期待されます。

また、フジツボは色々な物質に強固に接着することから、多様な表面に結合する接着剤の開発にも役立ちます。新しい接着剤の開発は、様々な分野での接着技術の向上につながるでしょう。

<参考文献>
Kei Kamino,Underwater Adhesive of Marine Organisms as the Vital Link Between Bioloigical Science and Material Science,Mar Biotechnol,10,111-121,2008

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掲載日:2011年5月30日

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