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自然から学ぶアイデアの源泉 ネイチャーテック


ミツバチは蜜源までの距離や方角、蜜の質までも示すことができる

Photo by kinumi.

仕事の分担を指揮するミツバチダンス

ヒントとなる自然:昆虫(ミツバチ)

<写真>ミツバチは蜜源までの距離や方角、蜜の質までも示すことができる
Creative Commons

何がすごいの?

私たち人間は言葉を使って情報伝達をしますが、ミツバチはダンスを踊って情報伝達をします。ミツバチはただ踊っているのではなく、実は大切な蜜源(蜜の取れる花畑)までの距離や方角、そして蜜の質までも示すことができるダンスを踊っているのです。

このダンスは、何千匹という群れで行動するミツバチのために特別に振付け構成され、群れの共同作業によってよりよい蜜を最大限に採取することを可能とします。

蜜を発見したミツバチがダンスを踊って蜜源を教え、かつ蜜の量に適切なミツバチの数がその場所に向かいます。また、一箇所に多くのミツバチが集まりすぎることがないよう、各蜜源にそれぞれのミツバチが配置されて作業を行える合理的なダンスなのです。

どうやって役立てるの?

ミツバチの効率的な群れの共同作業は、ダンスによるコミュニケーションによって効率化が図られます。働きバチの寿命は数週間といわれており、ミツバチたちは短い時間を有効に使い、朝から晩まで休みなしで働いて、蜜を集めるのです。

例えば、外出先で突然「カレーを作る材料、できたらお箸も買って来て!」と頼まれたときどうするでしょうか。お鍋は金物屋で、野菜は八百屋で、お箸は雑貨屋で…。お店が同じ場所になく、しかも友達も同伴という場合、どこからどう優先的に買い物するのか考えてしまいますが、ミツバチの労働調整法を活かせば、誰々は何を料理して、誰々は何を買う…と限られた時間で効率的にカレーを作る手はずが整います。

このようにミツバチのダンスを活用すると、私達が抱えている色々な複雑な問題を解決することが可能となります。

どんな研究をしているの?

オーストリアの動物行動学者カール・フォン・フリッシュは、ミツバチが「8の字ダンス」を踊り蜜源を知らせることを発見しました。その後、ミツバチのダンスは8の字ダンス以外にもあり、それぞれのダンスの示す意味が研究されました。

ミツバチのダンスは以下のように分けられます。
 (1)尻振りダンス:採餌蜂を召集する。
 (2)身震いダンス:貯蜜蜂を召集する。
 (3)振動:内勤蜂を採餌蜂にする。

花畑で蜜を集め終えた働き蜂は、巣に戻ります。身震いダンスは、巣に蜜を貯める蜂をリクルート(スカウト、召集、募集)する為のダンスで、巣で蜜を受け渡すときの待ち時間によって踊るか踊らないかが決まります。

もし、蜜の受け渡しに、時間がかかる場合(50秒以上)、蜜を貯める働き蜂が不足気味、ということになるので、巣の中に入って身震いダンスをして、貯める働き蜂が不足していることを知らせます。

アカシアやレンゲ畑の蜜のように質の良い蜜だと判断されれば、蜜を貯める働き蜂がすぐに蜜を受け取ってくれます。受け渡しが終わると、8の字ダンスでお花畑の方向(ダンスする方角)、距離(羽を震わせる音の長さ)、蜜の質(ダンスを踊る長さ)などを他の蜂に伝えます。こうして働き蜂は、より質の良い蜜を効率的に集めているのです。

どんな技術開発ができる?

蜂のダンスを研究するアメリカのある研究者は、ハチの労働調整がジョブショッピングスケジュール問題(組み合わせ最適化問題)を解決する鍵になることを発見しました。

ジョブショッピングスケジュール問題とは、すべての仕事に要する時間を最小にするようなスケジュールを求める問題で、どちらも幾つかの仕事を効率的にこなさなければならないという共通点があります。

この研究者は、働き蜂が蜜を採取する過程にアルゴリズムを見つけ出し、モデル化、コンピューターシミュレーションすることに成功しました。

人間の10万分の1しかない微小脳であるにも関わらず、高度な社会性を示す蜂には学ぶことが多いです。

<関連リンク>
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掲載日:2011年5月 2日

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