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自然から学ぶアイデアの源泉 ネイチャーテック


ホホジロザメ

Photo by Terry Goss

サメ肌で速く美しく

ヒントとなる自然:魚(サメ)

<写真>ホホジロザメ
Creative Commons

何がすごいの?

サメの鱗を頭から尾ビレへ向かって撫でると、鱗はツルツルしていますが、逆に尾ビレから頭に向かって撫でるとザラザラしています(いわゆる「サメ肌」)。電子顕微鏡で観察すると、一つ一つの鱗は細い突起とV字型の溝がついた鋭い歯のようになっていて、それが全て尾ビレの方向に向かって整然と並んでいることがわかります。

これらは循鱗(じゅんりん)と呼ばれていて、歯のように見える部分は、実際に歯と同じように硬いエナメル質からできています。こんなに鋭い歯が並んでいるから、わさびおろしにも使われたりするのです。

サメが泳ぐ時には、歯のV字型の溝の部分に小さな渦ができます。この小さな渦は、鱗の表面で水流が乱れることを防ぎ、水をスムーズに流すことで泳ぐ時の抵抗を抑えるのです。

この効果は、普段ゆっくりとした速度(時速2キロから5キロメートルくらいと言われています)で進む時にもっとも有効なのです。水の抵抗を抑えることで、泳ぐ時のエネルギー消費を最小限に抑えるためです。この小さな渦を作って乱流を防ぐ機能は、トンボの波状翅とよく似ています。(「トンボに学ぶ新しい羽の形」

サメ肌にはもう一つ、付着物が付きにくいという素晴らしい機能があります。循鱗に小さな突起があるために表面が粗くなるためです。また、一つ一つの循鱗が互いに曲がって重なり合うので、付着物がついてもそぎ落とされてしまう訳です。このように、サメは水の抵抗を最小限に抑え、しかも汚れにくいという、多機能の循鱗を備えた凄い魚なのです。

どうやって役立てるの?

サメ肌が水の抵抗を減らす仕組みは、既に競泳用水着の素材に応用されていて、着用した選手の記録更新に貢献しています。実際に、サメ肌水着は従来の水着と比べて、7%も水の抵抗を減らすことに成功しています。最近のオリンピックの競泳種目で、有力選手の着用する水着が話題を集めたのは記憶に新しいですね。

船に藻やフジツボなどが付着するのを防ぐため、これまで船舶には特殊な塗料が塗装されていました。しかし、塗料に含まれている化学物質が環境に有害であるために、その使用は世界的に禁止されました。
 循鱗が持つ付着物が付きにくくなる仕組みを応用できれば、化学物質を使わない、毒性の無い新しい船舶用のコーティング剤ができるかも知れません。

どんな研究をしているの?

サメ肌の機能を応用して、毒性が少なく環境に優しい船舶塗料用のコーティング剤を開発する研究が進められています。アメリカ海軍の船舶に試験的に使用されたコーティング剤には、一部の藻の付着を減らす効果があることがわかりました。他の付着物にも効果が出るように、コーティング剤を改良するための研究が行われています。

どんな技術開発ができる?

サメ肌が持つ付着物が付きにくくなる仕組みを、新しい船舶のコーティング剤として応用することができれば、付着物が付きにくくなって船の美観が保たれたり、船の付着物の清掃にかかる費用を節約したりすることができます。また、循鱗の機能で水の抵抗を抑えることが出来れば、より燃費の良い船を開発できるかもしれません。

<関連リンク>
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掲載日:2011年3月14日

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