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自然から学ぶアイデアの源泉 ネイチャーテック


アメンボは一本の足だけで体重の15倍も支えることができる。

Photo by Serguei S. Dukachev

イルカの音響定位に学ぶ新しい水中音響通信

ヒントとなる自然:動物(イルカ)

<写真>イルカ
Creative Commons

何がすごいの?

数頭から数十頭の群れで生活することが多いイルカは、クリック音(キリキリ、キチキチ)やホイッスル音(ピーピー)と呼ばれる高周波音を発して、仲間同士でコミュニケーションを取ることが知られています。ホイッスル音の中には、それぞれの個体の名前にあたる「自分を現す特別な音」がある事がわかっており、これを使ってお互いを識別します。このように音を利用したコミュニケーション方法は、音響定位と呼ばれています。

イルカの音響定位がすごいのは、水中で情報が伝わる距離とその正確さです。イルカはなんと25キロメートルも離れた場所にいる仲間を識別し、「会話する」ことができるのです。

水の中を進む音は、長い距離を進むほど他の雑音とぶつかったり、海底面で反射した音に邪魔されたりすることによって弱くなるので、聞き手に届く音が元の音とは質が違ってしまい、伝えたい情報が上手く伝わらないことが多いのです。ところが、イルカ達は周波数を変えながら音を発し、また同時にいくつかの音を組み合わせることで音と情報が弱くならないように工夫していたのです。

暗くて遠くもあまりよく見ることが出来ない海では、光と視覚に頼るよりも、遠くまで届く音の方がイルカにとっては有効なのです。音の周波数を自在に変えて発し、またそれらを聞き分けることのできる能力は、海の中で生活するイルカ達が獲得したすごい武器なのです。

どうやって役立てるの?

イルカのように周波数を組み合わせて音を発信できる装置を、津波計と一緒に海洋底のあちこちに設置すれば、津波の早期警報システムを作ることができます。

どこに津波がやってくるのかを高精度で予想し、陸に達する前に警報を出すためには、地震によって深海で発生した波を観測機器で見つけなければなりません。そのために、地震による津波が発生する水深6000mもの深海に津波センサーを設置する必要があるのです。

観測されたデータは、音によって6000mもの距離を進んで海面のブイ(目印や物体保持のために水面に浮かべる浮き)に届けられ、さらに津波警戒センターが警報を発信する衛星に伝えられ、そこから国や自治体など様々な機関に実際に警報が発信される仕組みです。

すでに、ドイツの企業がイルカのコミュニケーション方法をヒントに、周波数変調方式の高性能水中用モデムを開発しており、それらは実際にインド洋の深海底に設置されて、津波警報システムに利用されています。

どんな研究をしているの?

音響通信とモーションキャプチャー(実際の人や物体の動きをデジタル的に記録すること)の技術を組み合わせて、人の動きに合わせてロボットに人と同じ動きをさせる研究が進められています。

どんな技術開発ができる?

水中での音響通信を使った正確な情報伝達の技術は、人が直接行動する事が難しくなる海洋での科学調査や資源探査、工事、安全防災、港湾域・沿岸域の保安などの多くの分野で応用することが期待されます。

例えば、深海域に無人探査機やロボットを送り込み、陸上基地から無線操作で資源探査や災害時の救助をさせたりすることが可能になります。海底に設置する科学観測用機器に応用すれば、ケーブルを必要としないので、様々な機関で無線音響通信網を共有することができます。

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掲載日:2011年1月 6日

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