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自然から学ぶアイデアの源泉 ネイチャーテック


ジャイアント・ケルプの「付着器」

Photo by ken-ichi

強くて柔軟なジャイアント・ケルプの「付着器」

ヒントとなる自然:植物(ジャイアント・ケルプの付着器)

<写真>ジャイアント・ケルプの「付着器」
Creative Commons

何がすごいの?

海藻の一種であるジャイアント・ケルプは、海流が速く海面が荒れるような海域で、海底や岩場に根にあたる大きな「付着器」でしっかり海藻を固定して固着生活をします。ジャイアント、という名からもわかるように、全長は50メートルを超すくらい巨大に成長します。(→「ジャイアント・ケルプに学ぶ新しい波力発電」

海が荒れて海流が速いと、付着器には引っ張ったり、ねじれたりする力が加わりますが、簡単に千切れて流されるようなことはありません。どうやって速い海流の中でも、固着生活ができるのでしょうか?

秘密は、ジャイアント・ケルプの根にあたる「付着器」の構造とその柔軟性にあります。付着器の先端の一部は、らっぱ型をした吸盤のようになっていて、それらで岩場などにくっついています。さらに、その吸盤を覆うように、細く枝分かれしたたくさんの「仮根」が伸びていて、一つ一つの仮根が岩場に頑丈に固着するための「留め具」として働くのです。いわば、たくさんの手で足場にしっかり捕まっているようなものなので、引っ張られたくらいでは簡単には外れてしまわないのです。(写真)

さらに、仮根には柔軟性があるので、ねじる力が加わった時にも一つ一つの仮根が伸びることで付着器全体がわずかに回転し、ねじれる余裕ができます。それによって、海流によるねじれを軽減し、海底からねじ切られてしまうのを防いでいるのです。

もし、仮根が柔軟でなければ、強い「ねじり」に負けて、ジャイアント・ケルプは海底から引きちぎられてしまうでしょう。荒れる海に負けて流されないように、ジャイアント・ケルプは「柔軟で強い留め具」を備えているのです。

どうやって役立てるの?

強風や水中など強い捻りの力が加わる環境や、足場が安定しない環境において、長期間にわたって同じ場所に物や建物を固定する場合の、柔軟で強力や留め具として活用することができます。

しっかりとした土台を作ることができれば、その上に構造物を載せることはとても楽になります。例えば、風力発電のタービンを固定したり、海底へ科学観測用機器を設置したり、あるいは波力・潮流発電装置を固定する錨へ応用したりすることが考えられます。

どんな研究をしているの?

オーストラリアのバイオパワーシステムズ社は、ジャイアント・ケルプの付着器の構造をヒントに、「バイオベース」という構造物を係留するための装置を開発しました。バイオベースは、付着器の細く枝割れした仮根のように、直径が小さく足の長いボルトを何本も使って固定されているのが特徴です。(図)

どんな技術開発ができる?

現在、バイオパワーシステムズ社は、自社で開発した潮流発電システム(バイオストリーム)や波力発電システム(バイオウェーブ)の発電実験をタスマニアで行っています。これらの発電装置は、海流が速くて海が荒れるような海域で、バイオベースを用いて海底にしっかりと固定されています。

<関連リンク>
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掲載日:2010年12月20日

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