本文とサイドメニューへジャンプするためのナビゲーションスキップです。

スタートアップガイド

J-Net21 中小企業ビジネス支援サイト

  • J-Net21とは
  • スタートアップガイド
中小機構
  • メルマガ登録
  • RSS一覧
  • お問い合わせ

HOME > 製品・技術を開発する > 自然から学ぶアイデアの源泉 ネイチャーテック

自然から学ぶアイデアの源泉 ネイチャーテック


ジャイアント・ケルプ

Photo by kaoticsnow

ジャイアント・ケルプに学ぶ新しい波力発電

ヒントとなる自然:植物(ジャイアント・ケルプ)

<写真1>ジャイアント・ケルプ
Creative Commons

何がすごいの?

私達の食生活でお馴染みのヒジキやワカメ、あるいはコンブといった海藻は、海底や岩に固着してそこから「葉」を広げ光合成によって生活しています。流れが速く、荒れる海域に適した生活スタイルなのです。

カリフォルニアのモントレー湾やオーストラリアのタスマニア島の近くの海には、全長数10メートルから100メートルまで成長する巨大な海藻が生息しています。なんと1日に数10センチも成長すると言われ、「ジャイアント・ケルプ」(巨大な昆布という意味)と呼ばれています。まるで海の中の森のようです。(写真1)

ジャイアント・ケルプの一つ一つの「葉」の付け根の部分の間には、気体がつまった小さな「浮き袋」(写真2)がついており、たくさんの浮き袋を持つことで、巨大な海藻が海中で倒れてしまわないように支えています。また、この「浮き袋」のおかげで、「葉」は海流に沿ってひらひらと大きく広がるので、海藻はたくさん日光を浴びて光合成を行うことができます。

ジャイアント・ケルプの「浮き袋」

写真2:ジャイアント・ケルプの「浮き袋」
Photo by Heal the Bay
Creative Commons

どうやって役立てるの?

オーストラリアにあるバイオパワーシステムズ社は、海中でゆらゆらと揺れる海藻の動きに着想を得て、「バイオウェーブ」という波力発電装置を開発しました。(図)

バイオウェーブのイメージ図

バイオウェーブのイメージ図
バイオパワーシステムズ社

全高25メートルの装置であるバイオウェーブは、海流に合わせて「浮き」の部分が揺れて、装置の根本に取り付けられたタービンを回転させ発電します。潮流による揺れを回転運動に代え、それによって発電機を駆動しているのです。

回転運動を利用するといっても、風力発電のようにプロペラ型タービンが回る訳ではないので、海洋生物を傷つけてしまうことはありません。回転するタービンの部分は装置の中に入っているので、海洋生物がぶつかってタービンを傷めることもありません。

また、悪天候などで波が激しい時には、自動的に浮きの部分が海底面と平行になるように横倒しになり、装置に過剰な力がかかって故障することを防ぎます。

どんな研究をしているの?

バイオパワーシステムズ社は、風力発電などを手がけるハイドロ・タスマニア社と共同で、実際にタスマニアのキング島の海底に全高25メートルのバイオウェーブを設置して、発電実験を行っています。将来的には、バイオウェーブをキング島の電力網に繋いで、電力を供給することが計画されています。

どんな技術開発ができる?

原油価格の高騰や環境問題への社会的意識の高まりから、今までのエネルギーに変わる新しい再生可能なエネルギーとして、風力発電とともに波力発電が注目を集めています。

周囲を海に囲まれた日本なら、このバイオウェーブのような波力発電を活用できる可能性があります。現在のカリフォルニア湾で見られる「ジャイアント・ケルプの森」のように、「バイオウェーブの森」が日本のあちこちの浅海で見られるようになるかも知れません。

<関連リンク>
光によって動く植物マランタ
強くて柔軟なジャイアント・ケルプの「付着器」
ザトウクジラのヒレは省エネ設計
トンボに学ぶ新しい羽の形
電気を作り出すウナギ
「大海原を油田に変えたい!潮流発電に挑む熱き海の男」起業ABC

掲載日:2010年12月16日

キツツキは頭痛知らず―新しい衝撃吸収方法強くて柔軟なジャイアント・ケルプの「付着器」

記事一覧を見る


このページの先頭へ